種類や花色が多いパンジーは、冬の寒い季節を明るくし、見る人を笑顔にします。
寒い冬に咲くパンジーを見ると、冷え切った心もどこかほっこりとしますよね。
パンジーは、相手への思いや愛を伝える言葉が、たくさん詰まった花言葉を持っています。
人を魅了するパンジーには、素敵な言い伝えがありました。
目 次
パンジーとは
パンジーはヨーロッパが原産の花です。
寒さに強い耐寒性のパンジーは、1年しか花を咲かせない一年草の花。
由来は自生していた野生のスミレを交えたことで、パンジーが誕生しました。
元々がスミレから派生しているため、スミレ科スミレ属に属します。
現在は交配が進みパンジーとビオラほとんど区別できません。
昔はパンジーは花が大きい物、ビオラは花が小さいものとされていたようです。
開花期は10月下旬から5月中旬と、長い期間楽しめる花です。
10~30㎝と小さな花ですが、耐寒性があり、初心者でも育てやすい花とされています。
パンジーの名前の由来
ヨーロッパ原産のパンジーは、フランス語の「pensée(パンセ)」という単語が由来です。フランス語の「pensée」の意味は、「考えられたこと」、「考え」、「思想」、「思考」です。
パンジーの花は人の顔のように見える模様を持っています。
パンジーの花が傾く姿が、まるで人が思索する顔に見えたことから、「考え」や「思想」のフランス語を語源とし、パンジーと名づけられました。
また、学名は「Viola×wittrockiana(ビオラ・ウィットロッキアナ)」です。
「Viola」は属明で、ラテン語で紫色を意味します。
今ではたくさんの色があるパンジーですが、昔はパンジーを象徴する色が紫だったため、「Viola」とつけられました。
さらに「×」は雑種を意味し、「wittrockiana」はスウェーデンの植物学者ファイト・ウィットロック(Veit Brecher Wittrock)博士から名づけられました。
パンジーが誕生花となる日にち
1月9日、1月18日、2月2日、4月10日、5月25日、12月27日
パンジーの花言葉
「思い出」「私を思って」「もの思い」これら3つがパンジーの花言葉です。
また、西洋の花言葉は「memories(思い出)」、「think of me(私を思って)」、「merriment(陽気さ)」です。
パンジーの名前がフランス語「pensée」からつけられたのと同様に、花言葉もパンジーの語源である「考え」や「思想」からつけられたのでしょう。
さらには、冬の寒い中でもしっかりと育ち、明るくかわいらしい花を咲かせるパンジーは、「merriment(陽気さ)」といった花言葉もピッタリですね。
パンジーの色別の花言葉
たくさんの色を持っているパンジーには、それぞれの色に花言葉があります。
早熟で情緒ある紫色の花言葉は、「思慮深い」、「誠実」です。
冷静に深く物事を考えるという意味の「思慮深い」は、深見のある紫色のパンジーとしっかりと結びついているように感じます。
純白とも称される白色のパンジーの花言葉は、「温順」、「愛の思い」、小さく可憐な黄色のパンジーの花言葉は、「田舎の喜び」、「つつましい幸せ」、「記憶」。
深く鮮やかな赤色のパンジーは「思い出」、「思想」、「物思い」という花言葉がつけられています。
情熱的なイメージを連想させる赤ですが、花言葉は落ち着いた雰囲気を表していますね。
凛とした青色のパンジーは「純愛」、「誠実な愛」、元気な印象を与えるオレンジ色のパンジーの花言葉は、「天真爛漫」です。
明るく元気な色のオレンジが、活発なイメージのある「天真爛漫」という花言葉にピッタリですね。
色別の花言葉にも、「思い」という部分が共通して使われています。
因みに黒色のパンジーの花言葉はないようです。
パンジーの怖い花言葉
今までパンジーのポジティブなイメージの花言葉を紹介してきました。
そんなパンジーにもネガティブで怖さを印象付ける花言葉はあるのでしょうか。
パンジーには花を見たままの通り、怖い印象やネガティブなイメージの花言葉は持っていません。
色別の花言葉も、「思い」や「愛情」など、相手を思う気持ちや落ち着いたイメージの言葉が多いです。
パンジーの言い伝え
言い伝えを持っている花はたくさん。
パンジーも、いくつかの言い伝えを持っている花の1つです。
まずは、スミレが3色の色になったとされる、言い伝え。
春のある日、天使が純白のスミレが咲く野に降り立ちました。
「みんなに真実の愛を伝えてください。私たちの面影をあなたに移します。」と語りかけ、天使は純白のスミレに3回のキスをしたそうです。
キスをされたスミレは、純白のスミレから3色の綺麗なスミレに変化しました。
パンジーの原産であるヨーロッパでは、この言い伝えから、愛を表現する花として親しまれてきました。
相手に愛や思いを伝えるときに、欠かせない花として、パンジーは用いられています。
また、パンジーの花には、強い香りはありません。
香りが無くなったとされる言い伝えも存在します。
昔はニオイスミレのように、人々を魅了するような香りを持っていたパンジー。
パンジーの素敵な香りは、人々を翻弄してしまいました。
素敵な香りを求めて、多くの人々が、たくさんのパンジーを摘み取ってします。
どんどんと仲間が摘み取られているようすに心を痛めたパンジーは、自分の香りがなくなるようにと願ったそうです。
神様はパンジーの願いを叶えるため、パンジーの香りをとったと言われています。
相手のために、自分の身を削って相手を守ろうとする姿は、「愛」や「思い」といった花言葉を連想させますね。
冬の寒い中、きれいに咲きほこるパンジー。
心の中まで冷え切ってしまいそうな冬の寒さも、パンジーの鮮やかで可憐な姿を見ると心が温かくなります。
花言葉はもちろんですが、パンジーの見た目からも、人の心を温かくするような愛や思いのたくさん詰まっていますね。