花がうつむきながら咲くシランは、群れをなして咲きとても美しいです。
原種の花色は、清楚な印象を受ける紫色ですが、品種によっては白やピンク、黄色など色鮮やかなものもあります。
とても美しいシランの花ですが、ネガティブな花言葉がつけられていました。
目 次
シラン(紫蘭)とは
シランはラン科の花で、ランの中でも育てやすい花です。
原産は日本、中国、台湾です。
野山に自生していますが、園芸種の種が飛散根付いたものか、野生のシランかの判別は難しいです。
日本では野生種が減少しており、準絶滅危惧種に指定されています。
シランは耐暑性の花ですが寒さに弱いため、日本では関東より西の地域で多く見られます。
シランの花色は、紫色です。
紫色以外にも、白やピンクといった花色があります。
しかし、シランと呼ばれるのは紫色のみです。
紫色のシランと区別するために、斑入りシランや口紅シランなどといった名前がつけられています。
花がみられる時期は、5月から6月です。
秋には葉っぱが枯れ落ち、種が乾燥し地面に飛び散ります。
葉っぱが枯れ落ちた株は、休眠期に入り、翌年また花を咲かせます。
飛び散った種は、翌年には芽を出し、花を咲かせるため、繁殖力の高い花です。
シラン(紫蘭)の名前の由来
シランは漢字で紫蘭と書きます。
これは、シランの花が紫色で、ラン科の植物であることに由来します。
西洋名は「urn orchid(ウラン オーキッド)」「Hyacinth orchid(ヒヤシンス オーキッド)」です。
西洋名につけられている、「orchid」は蘭という意味です。
学名は「Bletilla striata(ブレ―ティヤ ストリアータ)」と言われます。
「Bletilla」は東アジアの寒さに強いランという意味があります。
「striata」には、線や縞という意味があり、シランの葉っぱに縞があることから付けられたのでしょう。
シランが誕生花となる日にち
5月6日、5月14日、5月17日
シラン(紫蘭)の花言葉
「楽しい語らい」「美しい姿」「変わらぬ愛」「あなたを忘れない」などがシランの花言葉です。
「楽しい語らい」の由来は花の姿にあります。
シランの花は、茎の下から徐々に咲いていきます。
下につく花は、うつむきかげんに花開き、その様子が、花同士が楽しくおしゃべりしているように見えたそうです。
また、シランの花は、いくつも群れをなして咲くことで、風が吹くと、お話しているように見えたとも言われています。
「美しい姿」という花言葉も花の様子からつけられています。
シランの花は、茎が真っすぐに伸び、その姿はとても凛々しいです。
その凛々しさから、「美しい姿」とつけられました。
シランの色別の花言葉
シランの花は種類によって花色がちがいます。
一般的にシランと呼ばれる花は紫色です。
紫色以外のシランには、シロバナシランやフクリンシランなどという名前が付けられ、紫色のシランと区別されます。
しかし、種類がちがってもシランの花言葉は一緒のため、花色別の花言葉はありません。
シランの怖い花言葉
シランには、花の凛とした美しい姿からは想像できない、ネガティブな花言葉がつけられています。
そのネガティブな花言葉は、「不吉な予感」「薄れゆく愛」です。
「不吉な予感」という花言葉がついていると、プレゼントなどには不向きかもしれないですね。
ヒヤシンスの言い伝えからシランの花言葉もネガティブに
直接的にシランに関わる言い伝えはありません。
しかし、ヒヤシンスの言い伝えが由来で、シランにもネガティブな花言葉がつけられたとされています。
ヒヤシンスにまつわる、悲しいギリシャ神話があります。
ヒュアキントスという、たくさんの人々に愛されていた美少年がいました。
ある日、ヒュアキントスとアポロンというお友達が、円盤を投げて遊んでいます。
そこへ、ゼピュロスという、風をつかさどる神が、現れました。
ゼピュロスは、彼らがとても仲が良いことに嫉妬します。
そこで、ゼピュロスはアポロンが投げた円盤に風を吹き付けるいたずらをしました。
円盤は方向を失いヒュアキントス当たり、彼は亡くなってしまいます。
ヒュアキントスから流れた血が、赤いヒヤシンスの花を咲かせたそうです。
シランの花を西洋では「Hyacinth orchid」と呼び、悲しい花といちづけています。
名前からもわかるように、シランとヒヤシンスには、深い関係があり、ヒヤシンスにちなんだ、花言葉がつけられたのでしょう。
シランの紫色は、大人の女性のような美しさを表現しているような花です。
日本では、野山などで見かけることも少なくないでしょう。
準絶滅危惧種に指定されるほど、原種は少なくなっているので、見つけた時は、そっと眺めるだけにとどめたいですね。