小さなつぼみのような花がいくつも連なって垂れ下がっているキブシはまるで野山を彩るネックレスのような個性的な姿をした植物です。
仲良く連なってて咲き、そして花を楽しませてくれた後の実は染料にもなり、精一杯役目を果たすのです。
目 次
キブシとは
キブシはキブシ科キブシ属の雄雌異なる株からなる落葉低木です。
原産国は日本で別名キフジとも言われています。
樹高は3m、高いものでは7mまで成長するものもあります。
花は7~9㎜程度で鐘のような形をしており、雄花は薄黄色、雌花はや緑がかかった色をしています。
開花時期は3月から5月頃です。
葉の縁はギザギザした形をしており、果実は7月~10月頃熟していき、熟すと緑色から黄色へと変化していきます。
果実はタンニンが多く含まれているため、黒の染料として使われてきました。
キブシの名前の由来
キブシは漢字で「木五倍子」と書くのですが、これは昔、五倍子(フシ)という染料が使われていて、キブシの果実もその代用品として使用されていた事が由来とされています。
黒色なので江戸時代頃にお歯黒用として使用されていました。
同じような特色の実を持つヤシャブシも染料として使われていたため「ブシ」という名前がついています。
キブシが誕生花となる日にち
3月5日、4月6日
キブシ(木五倍子)の花言葉
キブシの花言葉は「出会い」や「待ち合わせ」です。
キブシはひとつひとつの花がたくさん集まって一つの形として見えます。
近くで見ると可愛らしいベルのような形をしていますが、遠くから見るとひとつのぶどうのようにも見えます。
このような「連なる」「合う」というイメージからついた花言葉のようです。
私たちの世界でも人と人が集まると様々な出会いがあります。
友との出会い、恩師との出会い、また雄雌異株であることから男女の「出会い」「待ち合わせ」もイメージされているのかもしれません。
ちょうど春に咲く花なので新たなスタートをきる出会いの季節にぴったりの花言葉ですね。
キブシの色別の花言葉
キブシは淡黄色が多いのですが、中には赤色の花をつけるものもあります。
ちょうど桃の花のような色をしていてアカキブシ、ベニバナキブシと呼ばれています。
ですが、キブシの色別の花言葉は特に無いようです。
キブシの怖い花言葉
キブシに怖い花言葉はありませんが、ちょっと気になる「嘘」という花言葉があります。
なぜそのような花言葉がついたのかはっきりとはわかっていませんが、キブシは遠くから見ると実が木にぶら下がっているように見えます。
ですが、近付いて見ると実際は花だったという人も多く、そこから騙されたという意味で「嘘」という花言葉がついたのではという説があります。
キブシの育て方
キブシは江戸時代にお歯黒として使われていた古くからの歴史はありますが、言い伝えは特に無いようです。
キブシは野山でよく見られますが、ホームセンターや通販などで苗を買い、家でも育てることが出来ます。
害虫にも強く、あまり手をかけなくても成長してくれる植物のようです。
キブシの育ちやすい環境
日の当たる場所や半日陰の場所が最適です。
キブシの植え付け時期
11月~3月の冬期に植え、ぐんぐん成長させたい時は地植えで穴も大きめに余裕をもって堀りましょう。
キブシに適している用土
水はけのよい土であれば特にこだわる必要はないですが、腐葉土を混ぜると土の質も良くなるのでおすすめです。
キブシの肥料と水
肥料は特に与えなくても問題なく、あえて与える場合は花期が終わった時期に月1回程度の頻度で油粕などが良いでしょう。
水やりは地植えの場合、根が付いた後は雨なども降りますし、特に毎日与えなくても大丈夫です。
鉢植えの場合は土が乾いてきた時に与えましょう。
元々、野山の自然の中でも生育しやすい植物なので、それほど手をかける必要がなく育てやすいでしょう。
キブシの花から実が出来る様子を家でも見られるのはとても楽しみですね。