ガーデニングでも人気の高いカンパニュラは鐘型の可愛らしい形をしています。
しかし、この形になったのは悲しい伝説があったからと言われています。
目 次
カンパニュラとは
カンパニュラはキキョウ科のホタルブクロ属で、ほとんど多年草ですが、まれに一年草、二年草のものもあります。
5月~7月に5㎝ほどの鐘型の花を咲かせ、色は紫、白、薄ピンク色のものが多いです。
種類も多く、300種類ほどにもなります。
カンパニュラという名前は単体の名前ではなく、正しくはヨーロッパ原産のキキョウ科ホタル属の植物を鑑賞用に栽培されたものを言います。
カンパニュラの名前の由来
カンパニュラの名前はラテン語の「Campana(小さな鐘)」が語源となっています。
鐘型の花を咲かせることからつきました。
和名では「風鈴草(フウリンソウ)」とも言い、花姿が風鈴にも見えることからつきました。
とても涼しげな名前ですね。
ちなみにカンパニュラは暑さにあまり強くないので、夏場は半日陰の所で育てる方が良いようです。
また別名で「釣鐘草(ツリガネソウ)」とも言われています。
こちらも釣り鐘状の花姿から呼ばれるようになりました。
カンパニュラが誕生花となる日にち
3月7日、4月23日、5月12日、5月15日、5月16日、7月8日
カンパニュラの花言葉
カンパニュラの花言葉は「感謝」「誠実」「節制」です。
これらの花言葉はカンパニュラの鐘の形が教会を連想させることが由来となっています。
教会の鐘はお祈りや合図、時間を知らせる時などに鳴り響きます。
教会を訪れる人々はお祈りの度に感謝を捧げ、誠実や節制の教えを守ることからこの花言葉がつきました。
とても神聖で素敵な花言葉ですね。
そして、この「感謝」という花言葉の由来はもうひとつあり、それはあるギリシャ神話が由来となっています。
昔、カンパニュールという美しい娘の姿をした精霊がおり、オリンポスの果樹園の番人を任されていました。
ここにある黄金のりんごは病を治したり、不老不死の果実としてとても貴重なものでした。
ある日、その果樹園へ兵士が侵入してきた為、カンパニュールは鈴を鳴らし、周りに知らせました。
それに慌てた兵士は彼女の命を奪ってしまったのです。
花の女神フローラは命がけで果樹園を守ったカンパニュールを花の姿に変えたということです。
そして、この時のカンパニュールへの感謝の気持ちが花言葉になったそうです。
このお話を読んで改めてその凛とした愛らしい花姿を見ると、なんだかとても切なくて愛おしく感じますね。
カンパニュラの色別の花言葉
カンパニュラの色別の花言葉は特に無いようです。
カンパニュラの怖い花言葉
カンパニュラの怖い花言葉は特に無いようですが、海外では「後悔」「うるさい」というネガティブな花言葉もあるようです。
「後悔」の花言葉は先程のギリシャ神話のカンパニュールを失ってしまった悔しさから来ているのかもしれません。
「うるさい」という花言葉はカンパニュラは次から次へと花を咲かせるので、ベル(鐘)をたくさん鳴らすにぎやかなイメージがあることからつけられたのではないでしょうか。
二重咲きのカンパニュラ
カンパニュラは300種類ほどの品種がありますが、日本で栽培されているだけでも多くの種類があります。
中でも「カンパニュラ・メディウム」は日本では一番よく見かけられる人気のある品種です。
一般的に風鈴草と呼ばれるものはこの種のもので、中には二重咲きになるものもあります。
二重になる部分は花びらではなく、萼の部分が変異して開きます。
萼の部分が平らに開くものはコーヒーカップと皿に見立てて「カップ・アンド・ソーサー」と呼ばれています。
そして、萼の部分も釣り鐘状で花を包み込むようにして咲くものを「ホーズ・イン・ホーズ」と呼ばれています。
ホーズとは中世で男子の脚衣のことで、靴下のようなもののことを言います。
たしかに花の形が靴下のような深みのある筒状にも見えるので、そのように呼ばれているのでしょうか。
はっきりしたことはわかりませんが、色々想像をめぐらすと面白いですね。