▪はじめに
「七人の侍」とは、日本を代表する映画監督・黒澤明氏が手掛けた時代劇映画です。
「七人の侍」は、日本のみならず世界中でヒットし、国内外の多くの映画監督に影響を与えた作品とされています。
そこで今回は、世界で最も有名な日本映画の1つといわれている「七人の侍」に関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
七人の侍の日とは
七人の侍の日は、毎年4月26日にあります。
この記念日は、1954年(昭和29年)のこの日に黒澤明監督の映画「七人の侍」が公開されたことに因んで制定されたものです。
映画「七人の侍」とは、戦国時代の貧しい農村を舞台としており、野党と化した野武士から村を守るべく雇われた七人の侍たちと野武士との闘いを描いた作品です。
▪意味
七人の侍の日には、黒澤明監督の代表的な映画作品「七人の侍」が初めて公開されたことを記念するとともに、偉大な作品を称えるという意味があります。
▪由来
七人の侍の日は、1954年(昭和29年)4月26日に黒澤明監督の映画作品「七人の侍」が公開されたことに由来して制定された記念日です。
▪イベント
七人の侍の日に関するイベントは、残念ながら見つけることができませんでした。
七人の侍の雑学
<「七人の侍」が名作といわれる理由とは?>
映画「七人の侍」が世界中で称賛される名作となったのは、黒沢監督がリアリズムを徹底的に追求したからだといわれています。
黒澤監督は、完璧な映画を作るためにそれまでになかったあらゆる手法を「七人の侍」に取り入れました。
まずは、衣装や小道具、セットなどを作る際に綿密な時代考証したことです。
当時の時代劇は歌舞伎の影響を強く受けていて、歴史的背景などは考えられてなく、立ち回りや衣装など歌舞伎で綺麗に形式化されたものをもとに作られていました。
黒澤監督はリアルな時代劇を作るために、日本画家の江崎孝坪氏による時代考証のもと、衣装やカツラ、小道具などを作っています。
それもただ作るだけでなく、農民の衣装を古びたものにするために、何日も川の水にさらした後、土に埋めてから洗ったり軽石でこすったりと2カ月もかけてリアルなダメージを作り出したり、奥多摩や白川郷などの古い家屋や農具をもとに作成したりしてリアルを追求しました。
家屋のセットに使う板は「焼き板」という焚火の灰の中で蒸し焼きにした板を金属ブラシでこすり、泥絵の具を塗って拭き取った後ワックスをかけて擦るという技法で作られていて、黒沢監督も交えたスタッフ全員で板を磨くのが日課だったそうです。
2つ目は、マルチカム方式を取り入れたことです。
マルチカム方式とは、複数のカメラを同時に使って撮影する方法で、「七人の侍」の撮影のとき世界で初めて行われました。
当時は1台のカメラだけで撮影されていたので、アングルを変えるためだけに芝居を止めてカメラを移動してからまた撮影するというぶつ切りの方法でした。
黒澤監督は、「(これまでの撮影方法では)役者の気持ちが途切れるから、一気に撮影したい」として「七人の侍」で8台の望遠レンズを使ったマルチカム方式を試験的に取り入れました。
望遠レンズを使ったのも役者にカメラを意識させないためであったそうで、黒沢映画では一番遠くの望遠カメラでアップを撮ることも当たり前に行われていたのだそうです。
3つ目は、パンフォーカス撮影を使ったことです。
パンフォーカス撮影とは、画面に映る全てのものにピントを合わせるという撮影方法です。
この方法は黒沢監督が生み出した技法ではありませんでしたが、当時のカメラではとても難しいことで、スタッフはとても大変だったようです。
しかし、黒沢監督はこの方法にこだわり「七人の侍」は背景の美しさが際立った作品としても高評価を得たといわれています。
また、黒澤監督は役者たちに対しても納得のいく演技を厳しく求め、時間をかけて妥協の無い作品として「七人の侍」を作り上げました。
その結果「七人の侍」は第15回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞を受賞し、映画界史上最高クラスといわれる作品として名を残したのです。
<世界中の映画界に影響を与えた「七人の侍」>
「七人の侍」は、その後の映画界に多大な影響を与えた作品としても有名です。
黒澤監督が使用したマルチカム方式やパンフォーカス撮影などは、その後の映画界でどんどん使われるようになり、現在では一般的な技法となっています。
また、「七人の侍」の1人の侍が仲間を探すところから物語が始まっていく構想も、「アベンジャーズ」や「バグズ・ライフ」などその後の多くの作品で取り入れられています。
影響を受けた映画監督も多数いて、有名なのがスティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス、マーティン・スコセッシなどです。
スピルバーグ監督は、新作の撮影に入る前に必ず「七人の侍」を見直して、初心に戻ってから撮影に挑むというのは有名な話です。
また、スピルバーグ監督は「プライベート・ライアン」の冒頭部分の戦闘シーンは「七人の侍」の戦闘シーンを手本にしたような描き方をしています。
ジョージ・ルーカス監督が黒澤監督ファンであったことも有名で、「スターウォーズ」の中で描かれている、苦しむ人々のために自己犠牲を払って戦うという精神は「七人の侍」をはじめとする黒澤作品から得られたテーマだといわれています。
「タクシードライバー」のスコセッシ監督は、子供の頃に映画館に通って何度も「七人の侍」を見て、映画のカット割りの勉強をしたのだそうです。
その他にも、多くの監督が影響を受けていて、映画界のみならずアニメ界にも「七人の侍」をリスペクトした作品が数多くあるとされています。
▪まとめ
「七人の侍」をはじめとする黒澤監督の作品は、ストーリーだけでなく色々な技法も国内だけでなくハリウッド映画にも多大な影響を与えました。
私も「七人の侍」を見たことがあるのですが、子供の頃だったので迫力がすごくて怖かったというイメージが強かったので、改めて見直してみたいと思いました。
みなさんも「七人の侍の日」には、黒沢映画を見てみてはいかがでしょうか。
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