▪はじめに
現在、世界のほとんどの地域で家庭用掃除機が使われています。
便利な掃除機が誕生したことにより、世界中の人たちのライフスタイルが大きく変わりました。
今回は、そんな掃除機に関する記念日や掃除機の歴史、雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
掃除機の日とは
掃除機の日は、毎年5月30日にあります。
掃除機の日は、もともとは1986年(昭和61年)に日本電気工業会(JEMA)のお掃除を見直す会が「お掃除の日」として制定したもので、1997年(平成9年)に「掃除機の日」と改名された記念日です。
▪意味
掃除機の日には、掃除機を活用した「ごみゼロ」を達成して欲しいという願いが込められています。
また、ダニやカビが多く発生する梅雨時に向けて、掃除の大切さを呼びかける日としての意味もあります。
▪由来
掃除機の日が5月30日にあるのは、「ご(5)み(3)ゼロ(0)」という語呂合わせが由来となっています。
▪イベント
掃除機の日を制定した日本電気工業会(JEMA)は、毎年この日に掃除機のゴミパックは純正紙パックを使用することをすすめる活動を行っています。
掃除機の紙パックは、各社が出している掃除機に合わせた機種固有の形をした純正のものがあります。
掃除機の紙パックには、どの機種でも使える安価な非純正のものも多く販売されていますが、純正紙パック以外のものを使用すると、掃除機の吸引力に耐えられない場合があるのであまりおすすめできません。
非純正の紙パックが吸引力に耐えられなくなると、掃除機の吸い込みが悪くなったりゴミが漏れることがあったりするだけでなく、モーターの発煙や発火が発生する恐れもあります。
また、紙パックによる故障は保証が効きません。
純正紙パックを使うことで、掃除機の性能を維持するだけでなく、事故を防ぐこともできるので、掃除機の紙パックは純正のものを使うようにしましょう。
掃除機の雑学
<世界初の掃除機とは?>
現代では世界中の家庭で掃除機が使われていますが、世界初の掃除機が誕生したのはいまから150年以上前のことでした。
世界初の掃除機は、1868年アメリカ・シカゴのアイヴィス・マガフィーによって発明されました。
当時は手動式の真空掃除機で、手でレバーを引いて負圧(外と内の気圧の違いを利用した力)を作り出し、その力によってノズルからゴミを吸い取って容器の中に溜めるという原理の掃除機でした。
しかし、この掃除機はとても高価だったこととノズルをゴミに当てながらその都度手でレバーを引かなければならなくて手間がかかることから市場から消えてしまいました。
電気式の真空掃除機が誕生したのは、1901年です。
電気式真空掃除機は、イギリスのヒューバート・セシル・ブースによって発明されました。
ブースは、列車の座席からゴミを吹き飛ばす装置のデモンストレーションを見た際に、ゴミを吸い取る掃除機のアイディアを考え付いたそうです。
ブースが作った掃除機は、布フィルターを備えた掃除機を完成させましたが、とても大きくて掃除をする建物の前まで馬車で運んだそうです。
家庭用の電気掃除機が誕生したのは1905年で、アメリカのチャップマン・アンド・スキナー社から販売されましたが、重さが40㎏もあってあまり実用的ではありませんでした。
その後、1907年に実用的な家庭用掃除機が誕生します。
発明したのは、アメリカのオハイオ州で学校用務員をしていたジェームズ・マーレー・スパングラーで、アップライト型掃除機の原型となる電気掃除機を扇風機と箱と枕カバーを使って作り出しました。
スパングラーの発明した掃除機は、ゴミを単に吸い込むだけでなく、大きめのゴミを集めるための回転ブラシも備え付けられていました。
スパングラーは回転ブラシの特許を取得しましたが、自分で商品化する資金がなかったため、いとこの夫であるW・H・フーバーに売却します。
フーバーはこの掃除機を商品化しましたが、当時はまだまだ高価な贅沢品でした。
電気掃除機が一般家庭に普及するようになったのは、第二次世界大戦後です。
広まり始めたのはヨーロッパやアメリカなど自宅に絨毯を敷いて生活する国からでした。
木の床やタイルや畳を床に敷く文化の国では、ほうきやモップ、雑巾などで充分きれいにできたため、掃除機の必要性が無かったからです。
その後、掃除機が安価になっていったことや簡単にきれいに掃除できることなどから世界各地で普及していきました。
日本でも、1960年代以降に公営団地が急増して絨毯を敷いた洋室を取り入れる家が増えたことや、ほうきで履いたゴミを家の外に掃き出すことが難しくなったことなどから一般家庭に普及していき、現在に至ります。
<掃除機のコードの黄色の印と赤色の印の意味>
掃除機のコードに黄色の印と赤色の印が付いていますよね。
この印にはどんな意味が込められているかご存知でしょうか?
私は、黄色の印はもうすぐコードが終わるので注意してくださいという意味で、赤色の印はコードがこれ以上伸びないという意味だと思っていました。
ですから、黄色の印の少し手前までコードを引き出して使っていたのですが、じつはこの黄色の印には全く違う意味があったのです。
この黄色の印と赤色の印は、JIS(日本工業規格)によって付けることが定められています。
JISでは「コードリール式のものは、コードの終端部に容易に取れない方法で黄色及び赤色の印を設け、かつ、コードをすべて引き出したときに赤印は器体の外に完全に出ていなければならない」と決められています。
また、黄色と赤色の印の間隔も800㎜と決まっています。
これを読むと、赤色の印は「コードはこれ以上伸びません。赤色の印以上に伸ばそうとするとコードが損傷する恐れがあります」という意味があることに間違いはないと分かりますが、黄色の印にはどのような意味があるのかよく分かりません。
しかし、掃除機メーカーでは、黄色の印は「黄色の印まで十分に電源コードを引き出して使ってください」という意味で使っているそうです。
理由はメーカーによって少し違っているようです。
三菱電機では、コード収納部分の近くにあるモーターの発熱によってコードに負担がかからないようにするためだとされています。
パナソニックでは、コードを短く出した状態で掃除機を使い始めて、徐々に遠くに移動したとき、コードが引っ張られて断線する恐れがあるためとされています。
東芝では、コードの損傷を防ぐために黄色の印まで十分に引き出すという意味と、もうすぐコードが引き出せなくなるので黄色の印以上にコードを引き出さないという2つの意味が込められています。
いずれのメーカーにしても、コード付き掃除機のコードは、黄色の印まで十分にコードを引き出して使い、赤色の印が見えたらそれ以上無理に引っ張らないようにして安全に掃除機を使うようにしてください。
▪まとめ
掃除機が普及したことで、主婦の負担が激減しました。
家庭用掃除機が普及し始めたころに、アメリカやヨーロッパの家政婦たちが仕事が無くなると抗議したことがあることからも、掃除機がいかに便利なのかがよく分かります。
しかし、正しく使わないとその性能は十分に発揮されず、かえって事故に繋がることもあります。
掃除機を正しく使って、ごみゼロを目指していきましょう。
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