「12月15日 観光バス記念日」
■はじめに
長い間、東京近辺に住んでいるのに、あるいは、住んでいたせいで、筆者ははとバスに乗ったことがありません。
一度、2階建て屋根なしバス「’O Sola mio」に乗ってみたいと思っています。
目 次
観光バス記念日とは
1925(大正14)年12月15日、日本初の定期観光バス「ユーランバス」の運行が東京乗合自動車によって開始されました。
12月15日の「観光バス記念日」はこれを記念したものですね。
当初「ユーランバス」は上野を起点として、皇居前~日比谷公園~銀座通り~愛宕山~明治神宮などを遊覧し、途中での下車、乗車もできたそうです。
また、大学卒の知識豊富な男性が観光案内として乗車していましたが、やがて流暢でやさしい口調の若い女性が多く採用されるようになりました。
その後、東京乗合自動車が経営不振となったことで「ユーランバス」は休止となりましたが、新日本観光株式会社(現はとバス)に譲渡されたことで再開の運びとなります。
■観光バス記念日の意味と由来
観光バスの需要は多いにも関わらず、現状は供給が追いついていません。
この原因は、バスの運転に必要な大型2種免許を取得しようとする人が減っているためで、今後、団塊の世代の運転手が退職すれば、運転手不足にさらに拍車がかかってしまいます。
運転手が不足している現状では、いきおい過重労働を避けることも難しくなって、過労による事故のリスクが増大し、実際に関越高速バス居眠り運転事故、軽井沢スキーツアーバス転落事故などもまだ記憶に新しいところです。
それに加え、バス業界の給与水準の低さから、若い運転手はバス業界に見向きもしなくなっています。
集客も大事ですが、バスを運行できなければ元も子もありませんから、「観光バス記念日」は業界自身へのアピールの日とすべきですね。
■観光バス記念日のイベント
バスのイベントは、日本で最初にバスが走った日を記念した9月20日の「バスの日」に全部お任せしているようです。
観光バス記念日の雑学
▽バスガイド
女性のバスガイドの登場は「ユーランバス」が最初ではなく、1928(昭和3)年1月、大分県別府市の亀の井自動車が始めた地獄めぐりの運行に女性を起用したのが日本初で、これがたいへんな好評を博したことから、女性バスガイドの流れが一気に加速しました。
バスガイドの一番の仕事は、バスが目的地に着くまでの間、車窓の景色や観光地の歴史、伝説などのエピソード、見どころを紹介することなので、そのため入社後も国内旅程管理主任者、地理検定、ご当地検定、TOEICの勉強を重ねる人も多いようです。
もちろん、車中が楽しい雰囲気になるよう歌がうまく、気配りを忘れず、笑顔を絶やさないことも大事ですね。
また、バスガイドは運転士のパートナーとして、円滑なバス運行のために駐車時の安全確認や誘導なども担い、車庫に戻ってからは車内設備の点検・整頓や清掃もしなくてはなりません。
そして、走るバスの中でほぼ立ちっぱなしの仕事なので、健康と体力が必要なのは言うまでもありません。
▽春日大社が観光バスの駐車制限
2019年、観光バス乗客の乗降が原因で発生する奈良公園周辺のひどい渋滞を解消するため、奈良県が45億円をかけたバスターミナルは遠くて利用されず、県は頭痛のタネがひとつ増えただけに終わりそうです。
これに代わって利用されたのが、奈良公園近くの世界遺産、春日大社駐車場ですが、参拝せずに奈良公園や東大寺に向かう乗客も多く、ついに春日大社は観光バスの利用制限に踏み切り、数日後に興福寺もこれに追随しています。
バスターミナルから春日大社までは1km以上あって、観光客をそんなに歩かせることはできないため、渋滞はよりひどくなっているようです。
解決策としてパークアンドライド方式が浮上していますが、1本道の上高地と違い、縦横に道路が走る街中で、果たして実現可能かどうか疑問視されてもいます。
■最後に
修学旅行や企業の団体旅行で、何台も連なる貸し切りの観光バスは、先頭車から1号車、2号車の順番になるのがふつうですが、近畿や一部東海地方では、対向車に何台のバスが連なっているかを教えるため、逆に番号を振るそうです。
また、「4号車」は縁起が悪いと言う老人の団体もあるため、「寿号車」と表示することもあるようです。
12月15日は何の日?誕生日の有名人や星座、花言葉・運勢・性格は
他にもおもしろい記念日がたくさんあります!