清潔感のある白い花を咲かせるバイカウツギは、香水の原料として育てられる花です。
バイカウツギという名前は、花の見た目と特徴が由来していました。
目 次
バイカウツギとは
バイカウツギは日本原産の低木です。
日本で生息している地域は、本州、四国、九州で、北海道では自生していません。
主に、小山や森林地帯に自生します。
園芸種は家庭の庭木としても育てられ、日本だけでなく世界中で親しまれる花木です。
枝につく白い花は、ウメの花に似ているとも言われます。
ウメの花との違いは、花びらの数です。
ウメは5枚の花びらですが、バイカウツギは4枚の花びらで形成されます。
花からは柑橘のような良い香りがすることから、香水として利用されています。
暑さや寒さに特別弱くはありませんが、積雪の多い地域では、枝が折れる場合があるため、雪囲いをして育てられます。
バイカウツギの名前の由来
バイカウツギは漢字で「梅花空木」と書きます。
「梅花(バイカ)」は、バイカウツギの花がウメのように見えることから、つけられています。
「空木(ウツギ)」は、アジサイ科ウツギ属の低木に由来します。
ウツギの木は、幹や枝が空洞になっています。
バイカウツギも、ウツギのように幹が空洞なことから、「バイカウツギ」と名づけられたそうです。
バイカウツギは別名「薩摩空木(サツマウツギ)」と呼ばれます。
鹿児島県西半部を表す薩摩ですが、鹿児島県で自生するバイカウツギを見ることはできません。
日本が原産の花木であり、南よりの地域で自生することから、薩摩とつけられたのでしょう。
学名は「Philadelphus satsumi(フィラデルファス サツミ)」です。
「Philadelphus」は、古代エジプトの王である、「Ptolemy Ⅱ Philadelphus(プトレマイオス2世フィラデルファス)」からつけられたそうです。
西洋名は「Satuma mock orange(サツマ モック オレンジ)」です。
mockには、模造品などという意味があります。
オレンジに似た香りがしたことから、「Satuma mock orange」とつけられたのでしょう。
バイカウツギが誕生花となる日にち
4月28日、5月18日
バイカウツギの花言葉
「気品」「品格」「香気」「回想」「思い出」「仮面」がバイカウツギの花言葉です。
白く清潔感のある花を咲かせることから、バイカウツギには「気品」や「品格」といった、高貴な印象をもつ花言葉がつけられました。
バイカウツギの花には柑橘のようなさわやかな香りがあることから「香気」という花言葉があります。
また、さわやかな香りが、すてきな思い出をよみがえらせることから、「回想」や「思い出」とつけられたそうです。
バイカウツギは前述したとおり、ウメやウツギが名前の由来になっており、そのような二面性が「仮面」という花言葉につながったのではないでしょうか。
バイカウツギの色別の花言葉
バイカウツギの花色は白色のみです。
よって花色別の花言葉はつけられていません。
バイカウツギの名前の由来となったウメの花言葉は、「不屈の精神」「高潔」です。
また、白色のウメは「気品」とつけられています。
花の見た目が似ているため、花言葉も同じものがつけられていますね。
同じくバイカウツギの名前に関連しているウツギの花言葉は「古風」「秘密」などです。
「秘密」の花言葉は、幹や枝が空洞であることに関係しています。
これは、空洞の中に秘密をかくすという意味が込められています。
バイカウツギの怖い花言葉
バイカウツギは、清楚な見た目から、「気品」といった上品な花言葉がつけられています。
ネガティブな印象を持つ花言葉はつけられていないようです。
バイカウツギの雑学
日本が原産のバイカウツギですが、一部の植物学者の間で、ヨーロッパや小アジアが原産の花であると考えられています。
これは、古くからヨーロッパで帰化し、自生していたことが理由です。
一方で、ヨーロッパで帰化しているバイカウツギが、日本の株が輸入されて帰化したと考えている学者も多いです。
バイカウツギの花は、柑橘の匂いに似た独特な香りがします。
香りが強いため、香水の原料として利用されることが多いです。
バイカウツギの独特な香りは、めまいや吐き気などを起こすことも報告されています。
また、バイカウツギの花は、花粉症を引き起こす花とされています。
バイカウツギは、初夏に白く美しい花をつけます。
花言葉は花の美しさと香りを象徴する、素敵なものばかりです。
香りが強くときに不快に感じる人もいるので、贈り物にする際は注意しましょう。