アジサイのように密になって花をつけ、清楚に咲くヘリオトロープ。
花色も落ち着いたものが多く、香りが良いことから香水などの原料とされています。
ヘリオトロープは、悲しいギリシャ神話と関係がありました。
目 次
ヘリオトロープとは
日本をはじめとする温帯から熱帯の幅広い地域で生息するヘリオトロープ。
原産地はペルーと言われています。
世界で確認されている品種は250種以上あるそうです。
香りの強さは品種によってちがいますが、バニラのような甘く良い香りが特徴です。
甘い香りを活かした香水やハーブが人気とされています。
また品種によって一年草のものと多年草の物があります。
開花している花がみられる時期は長く、春から秋にかけてです。
花色は紫と白で、グラデーションになっている物もあります。
小さな1つの花は、5枚の花びらで形成され、ラッパのような形です。
それがアジサイのように、20コほどが密集します。
寒さと乾燥に弱いため、日本で育てる場合は防寒対策が必要です。
ヘリオトロープの名前の由来
「heliotrope(ヘリオトロープ)」は日本でも知られていますが、元々は西洋名です。
学名は「Helotropium ardorescens(ヘリオトロピューム アルボレッセンス)」と言います。
「heliotrope」や「Helotropium」はギリシャ語の「helios(ヘリオス)」と「trope(トロープ)」が由来です。
「helios」は太陽、「trope」は向くという意味があります。
ヘリオトロープの花は、太陽が移動する方向に花を開くことからつけられたそうです。
学名の「ardorescens」には、樹木のようなという意味があり、ヘリオトロープが低木であることからつけられたのでしょう。
西洋名には「Cherry-pie(チェリーパイ)」という名前もつけられています。
これは、甘い花の香りが、チェリーパイのようだったためつけられた名前です。
日本では「木立瑠璃草(キダチルリソウ)」や「匂い紫(ニオイムラサキ)」、「香水草(コウスイソウ)」という和名があります。
「キダチルリソウ」は、「瑠璃草(ルリソウ)」の花色と形に似ていることからつけられたそうです。
また香りが良いことから、匂いや香水といった名前がつけられました。
ヘリオトロープが誕生花となる日にち
1月27日、5月24日、 5月27日、10月1日
ヘリオトロープの花言葉
花言葉は「太陽」「甘い香り」「熱望」「夢中」「献身的な愛」などです。
「devotion(献身的な愛)」という西洋の花言葉もつけられています。
「太陽」という花言葉は、花が太陽の方を向いて咲くことが由来とされています。
また、花の香りがバニラのように甘く良い香りがするため、「甘い香り」とつけられたそうです。
また花言葉はギリシャ神話のアポロンとクリティの恋模様が由来していると言われています。
ヘリオトロープの色別の花言葉
ヘリオトロープは2色の花色がありますが、色別の花言葉はつけられていないようです。
ヘリオトロープの怖い花言葉
明るい印象の花言葉がつけられているヘリオトロープ。
それと対称的にネガティブな「悲恋」という花言葉があります。
悲恋とは悲しい恋や実らぬ悲しい恋という意味です。
「夢中」などと同じで、ギリシャ神話が由来とされています。
ヘリオトロープの言い伝え
ヘリオトロープは「熱意」「献身的な愛」「悲恋」などの花言葉の由来となったギリシャ神話があります。
あるとき太陽の神であるアポロンと、水の妖精であるクリティは恋に落ちます。
アポロンは他の女性である、レウコトエ王女とも恋仲でした。
アポロンが自分以外の女性と恋仲であることを知ったクリティは、レウコトエ王女の父にアポロンと恋仲であることを話しました。
怒り狂った父は、レウコトエ王女を生き埋めにしていまします。
クリティは自分が話してしまったことで、レウコトエ王女が埋められたことを心苦しみました。
その後クリティは地に座ったまま太陽を眺めていました。
自分を卑下し続けたクリティは、ある時ヘリオトロープの花にかわっていたそうです。
アポロンへの想いが強いことから「熱意」や「献身的な愛」という花言葉がつきました。
また、「悲恋」は結局悲しい結末をむかえてしまったが由来でしょう。
アジサイのように小さな花をいくつも咲かせるヘリオトロープは、とても清楚で落ち着きを感じます。
花色と葉っぱのコントラストが鮮やかで、香りの良さが魅力的です。
寒さに弱く育てるのは少し難しいかもしれませんが、庭などで育てて良い香りをたのしみたいですね。