真っ赤に燃える炎のような花を咲かせるグロリオサはとても個性的な姿をしています。
そして、使い方によっては毒にも薬にもなる植物です。
目 次
グロリオサとは
グロリオサはイヌサフラン科グロリオサ属の落葉性の多年草です。
原産地は熱帯アジアやアフリカで、日本では高知県など比較的暖かい地域で栽培されています。
6~9月頃に6枚の細長い花びらが反り返るようにして咲きます。
色は主に赤色が多いですが、品種によってはオレンジ、ピンク、黄色のものもあります。
葉先は反り返り、他の植物などに絡まりながら成長していくつる性の特徴があります。
また、全体的にコルヒチンという毒を持っており、口にすると発熱、嘔吐、下痢や臓器不全によって死亡することもあります。
一方ではこのコルヒチンは痛風の治療薬としても使われてきましたが、素人が口にすることは厳禁です。
特に球根部分は毒の含有量も多く、見た目もヤマイモに似ているので注意が必要です。
グロリオサの名前の由来
「グロリオサ(Gloriosa)」はラテン語で「見事な」という意味があります。
これは燃え盛る炎のように見える花姿からきています。
同じ理由から、英語名では「Glory Lily(栄光のユリ)」や「Flame Lily(炎のユリ)」と呼ばれています。
また、別名では「キツネユリ(狐百合)」とも言い、これは花の形がきつねに似ていることからつきました。
確かに花の下辺りが細長くなっており、きつねの鼻や口元に似ていて、そこから伸びている雄しべと雌しべはきつねのひげのように見えます。
この他には「ユリグルマ(百合車)」とも呼ばれています。
グロリオサが誕生花となる日にち
4月16日、5月28日、6月26日、7月28日、10月19日
グロリオサの花言葉
グロリオサの花言葉は「栄光」「勇敢」「頑強」「燃える情熱」「天分」です。
これらの花言葉はすべて赤く燃える炎のような見た目からきています。
グロリオサは全体的には赤く、下の方が黄色くなっていて、まるでオリンピックの聖火のようにも見えます。
「栄光」という花言葉もアスリート達にふさわしい花言葉ですね。
「勇敢」「頑強」「燃える情熱」も夢に向かって努力する強い意志を感じさせる花言葉です。
そして「天分」の花言葉ですが、「天分」とは「生まれつき持った才能」という意味があるようです。
これもオリンピックに通じるものがありますね。
このようなことから優勝のお祝いなどにもふさわしい花言葉ではないでしょうか。
グロリオサの色別の花言葉
グロリオサの色別の花言葉は特に無いようです。
グロリオサの怖い花言葉
グロリオサの怖い花言葉は特に無いようです。
グロリオサの品種
近年、グロリオサは海外の熱帯地域だけでなく、日本でも色々な品種が開発、栽培されています。
まず、海外で有名な品種を一つご紹介します。
【グロリオサ・ロスチャイルディアナ】
代表的な原種で、ジンバブエの国花になっているのはこの品種です。
花びらの色は全体的には赤色で、下の方と縁取りが黄色になっています。
この品種名はイギリスの男爵、ジェイコブ・ロスチャイルドの名前からきています。
そして、日本では主に高知県の三里地区でグロリオサの栽培が行われています。
三里は全国一の生産量で、国内シェアは70%以上と言われています。
また、平成14年にオランダで開催された「インターナショナルフラワートレードショー」ではグランプリを受賞しています。
その三里で栽培されている品種には以下のようなものがあります。
【ミサトレッド】
三里地区での栽培を代表する品種でショーでグランプリを受賞し、名前も三里の地名が使われています。
濃い赤色に黄色の縁取りの大きな花を咲かせ、他の品種に比べて葉の色が濃いです。
【サザンウィンド】
ミサトレッドに比べて、草丈は短めでボリュームがあり、鮮やかな赤色に黄色の縁取りが特徴です。
【ルテア】
全体が黄色で細めの花びらは反り返っているものもあれば、真っすぐに伸びたものもあります。
茎は硬く、しっかりしているため扱いやすいです。
【カプリスロゼ】
淡いピンク色と白色の可愛らしい花を咲かせる珍しい品種です。
「カプリスロゼ」とはフランス語で「気まぐれピンク」という意味があり、花びらの色が白色から次第にピンク色に変わっていくことからついたそうです。
どれも美しく惹かれる品種ばかりですね。
このように新しく美しい品種が誕生しているのは日々、試行錯誤を重ねて、グロリオサの栽培に情熱を注いで来られた方々がいらっしゃるからではないでしょうか。