アガパンサスはすらりとした細長い茎の上にユリのような形をした小花が集まって咲きます。
初夏の季節にふさわしいスマートで涼し気な印象の花です。
目 次
アガパンサスとは
アガパンサスは南アフリカ原産でヒガンバナ科(クロンキスト体系ではユリ科)のアガパンサス属の多年草です。
5月下旬~7月頃、細長い茎の上に小さな漏斗状の花がたくさん集まって、放射状に咲きます。
花の色は青紫色、薄紫色、白色が代表的です。
細長い茎の下には光沢のある葉が密集して茂っています。
日本では球根が流通しており、根の生育も旺盛で丈夫な植物です。
別名ではムラサキクンシラン(紫君子蘭)、アフリカンリリーとも呼ばれています。
また、アガパンサスに似ているとよく言われる花で以下のようなものがあります。
【ツルバキア】
ネギ科ツルバキア属でアガパンサスのようにすらりとした細長い茎の上に星形の小花がたくさん集まって咲きます。
アガパンサスに比べて少し小ぶりで、フラグランスという品種は甘い香りがします。
【ニラ】
ヒガンバナ科ネギ属で野菜のニラに咲く花です。
8月下旬~10月下旬ころまでアガパンサスのように細長い茎の上に白い小花が集まって咲きます。
茎はニラの匂いがしますが、花は甘い香りがします。
よく間違えられえるものに花ニラがありますが、花ニラは春に咲き、アガパンサスにはあまり似ていません。
アガパンサスの名前の由来
「アガパンサス」はギリシャ語で「愛(アガペー)」と「花(アントス)」という語源が合わさってついた名前です。
見たままの可愛らしい花姿からついたのではないでしょうか。
和名の「ムラサキクンシラン(紫君子蘭)」は同じヒガンバナ科の植物である「クンシラン(君子蘭)」に見た目が似ていることからつきました。
一般的なクンシランはオレンジ色ですが、アガパンサスは青紫色や紫色のものが多いので
「ムラサキクンシラン」と呼ばれるようになりました。
また、英語名では「アフリカンリリー」と呼ばれています。
これは南アフリカが原産地で、一つ一つの小花をよく見てみると、ユリのような形をしていることが由来となっています。
アガパンサスが誕生花となる日にち
6月11日、6月19日、6月25日、6月27日、6月29日、7月3日
アガパンサスの花言葉
アガパンサスの花言葉は「恋の訪れ」「ラブレター」「恋の季節」「知的な装い」です。
「恋の訪れ」「ラブレター」「恋の季節」は名前の由来(愛の花)からきています。
どれも恋人に贈る時にはぴったりの花言葉ですね。
また、海外ではラブレターの代わりとして、アガパンサスの花を贈ることもあるそうです。
「知的な装い」の花言葉はアガパンサスはクールな色が多く、すらりとした細長い茎に花をつける姿が凛として見えることからついたのではないでしょうか。
一つ一つの小花も近くで見ると、繊細で巧みな印象を受けますね。
アガパンサスの色別の花言葉
アガパンサスの色別の花言葉は白色のみ、あるようです。
白色の花言葉は「誠実な愛」です。
色もウェディングドレスを連想させますし、結婚式にもふさわしい花言葉ですね。
アガパンサスの怖い花言葉
アガパンサスの怖い花言葉は特に無いようですが、フランスでは「好色」という意外な花言葉もあるようです。
アガパンサスの言い伝え
アガパンサスは愛の花とされてきましたが、あるギリシャ神話にも出てきます。
そして、やはりそれも愛に関するお話ですのでご紹介します。
昔、最高神であるゼウスとその妻の女神ヘラの伝令役としてイリスという女性が仕えていました。
二人はイリスを大変可愛がっていましたが、ゼウスが次第にイリスに対して恋愛感情を抱くようになりました。
イリスはゼウスの求愛に困ってしまい、それをゼウスの妻、ヘラに相談しました。
イリスは自分をどこか遠くに行かせてほしいと懇願し、ヘラはその望みを叶えるため、イリスに神酒をかけ、虹の姿にしました。
イリスは空にかかる虹の女神となり、遠くに行くことが出来たのです。
そして、虹から神酒の雫が落ちたところにアガパンサスの花が咲きました。
別の説ではこの時咲いた花はアガパンサスではなく、アイリスだったという説もあるようです。
はっきりしたことはわかっていませんが、名前のイリスと花名のアイリスが似ていることも関係しているのでしょうか。
いずれにせよ、アガパンサスは愛を象徴する花であることは間違いないようです。