山間部の湿地帯に良く自生しているギボウシですが、日本では山菜として、親しまれています。
そんなギボウシは、毒を持つ似た植物が多いので、採取のときは注意が必要です。
目 次
ギボウシとは
日本をはじめとする東アジアが原産で、多年草の花です。
現在は、世界の温帯地域で、広く栽培されています。
暑さ寒さに強いだけでなく、どんな場所でも育つため、湿原や高山地帯など、生息域はさまざまです。
葉っぱは根元からでるのが特徴的で、葉っぱの色は多種多様です。
たてに筋がいくつも入るものや、白で縁どられるもの、葉の中央が白や黄色に彩られるものまであります。
花は、葉っぱが生い茂った中央から、まっすぐと伸びた茎につきます。
1つの茎に、10から20ほどの花がつくのが特徴です。
6枚の花びらが、ユリのように開きます。
花色は白や紫で、夏に見ごろをむかえます。
ギボウシの名前の由来
ギボウシという名前は、擬宝珠(ぎぼうしゅ)が由来とされています。
擬宝珠とは建築装飾の一種で、主に神社や寺院で取り入れられています。神社や寺院には、階段があり、その手すりの装飾に使われます。
また、玉ねぎのような形をしているのが特徴です。
ギボウシのつぼみが、擬宝珠の形によく似ているためつけられました。
日本では、独自の呼び方をする地域もあります。
青森県では「ギンボ」、高知県では「タキナ」などと呼ばれます。
西洋名は、「Plantain lily(プランテイン リリー)」です。
Plantainとは、植物の「オオバコ」を意味します。
ギボウシの葉っぱがオオバコの葉っぱと似ていること、また、花の形がユリに似ているため、名づけられました。
ギボウシが誕生花となる日にち
7月9日、7月17日、7月23日
ギボウシの花言葉
「沈静」「落ち着き」「冷静」「静かな人」などです。
西洋の花言葉は「devotion(献身)」です。
ギボウシは、真夏の暑い時期に咲きます。
まっすぐと伸びた茎に、淡くおしとやかな印象の花が咲き、気品あふれる印象です。
紫や白の花色もあいまって、暑さを忘れさせてくれるような、雰囲気を感じさせます。
ギボウシの花からさわやかな印象を感じたことから、「沈静」「落ち着き」などと言った花言葉がつけられました。
ギボウシの色別の花言葉
ギボウシには、白や紫の花色がありますが、色別の花言葉はつけられていないようです。
ギボウシの怖い花言葉
ギボウシは「冷静」「落ち着き」など、物静かな印象の花言葉が多くつけられています。
湿地に自生し、葉っぱが生い茂ることから、見た目は少し怖い印象を持つかもしれません。
しかし、花言葉に怖い意味のものは、つけられていないようです。
ギボウシの雑学
ギボウシは、江戸時代から日本で栽培されている植物です。
古くから園芸品種が多く、20種が野生種として日本に自生しています。
ギボウシは観賞だけでなく、食用植物としても親しまれる花です。
ギボウシの品種でオオバギボウシという物があります。
オオバギボウシはその名の通り、ギボウシの中でも葉っぱが大きいです。
オオバギボウシの若葉を、ウルイと呼び、山菜として親しまれます。
サラダや浅漬け、混ぜご飯など、さまざまな料理に利用されるのが一般的です。
その他に、てんぷらやお浸しなどでも親しまれます。
ただし、ギボウシによく似た、毒を持つ植物があるので注意しましょう。
バイケイソウという植物に、葉っぱの形がよく似ています。
バイケイソウ
バイケイソウは絶滅危惧に指定されるほど、種の保全が必要な植物です。
毒があり、誤飲すると血圧低下などの症状があらわれます。
バイケイソウの花言葉は「穏やか」「やさしい心」「静穏」などです。
毒がある花ですが、落ち着いた印象の花言葉がつけられています。
他にも、ヒメザゼンソウと間違われた事例があります。
ヒメザゼンソウも、葉っぱの形がよく似ている花です。
誤って食べると、嘔吐や下痢などの症状があらわれます。
ヒメザゼンソウの花言葉は、「ひっそりと待つ」「沈黙の愛」などです。
落ち着きのある花色が、夏の暑さを忘れさせてくれるギボウシは、古くから食用植物として親しまれてきました。
山菜として楽しむ場合は、毒を持つ類似の花があるので、花が咲いてから採取するのがいいかもしれませんね。