月下美人は名前、特性、花姿などとても神秘的な花ですが、実はサボテン科の多肉植物です。
目 次
月下美人とは
月下美人はサボテン科クジャクサボテン属の常緑多肉植物になります。
原産地はメキシコで絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)の附属書Ⅱの適用対象になっています。
開花時期は6~10月頃で白い大きな花を咲かせます。
何枚もの花びらが重なって、花の大きさは20~25㎝ほどになり、夜に咲き、朝になるとしぼみます。
つぼみの時は下を向いていますが、開花が近づいてくると次第に上を向いてきます。
株がしっかりしていれば、再び花を咲かせることもあります。
また、薬膳料理に利用されることもあります。
月下美人は原種以外に品種改良されたものもいくつかあるのでご紹介します。
【姫月下美人】
大きさは小さめですが、花の数は多く咲き、香りが強いことが特徴です。
【十三夜月下美人】
月下美人と宵待孔雀という種類の交配種で全体的に小ぶりで花びらが重なるように咲きます。
【満月美人】
月下美人と姫月下美人の交配種で月下美人より少し小さめの花を咲かせます。
また、同じサボテン科で月下美人によく似た花を咲かせる【クジャクサボテン(孔雀サボテン)】という植物もあります。
パルホキア属の種類を元にして、近縁のサボテン科の植物の数属と属間交配された植物です。
クジャクサボテンは赤色、ピンク色、黄色などカラフルな色が多く、月下美人との違いは以下のような点で判別します。
・クジャクサボテンは葉が肉厚でトゲがある
・月下美人のように香りはない
・月下美人は朝にはしぼんでしまうが、クジャクサボテンは午後になっても咲いている
月下美人の名前の由来
月下美人(げっかびじん)という名前の由来は昭和天皇が台湾を訪れた時のエピソードが由来となっています。
昭和天皇が台湾を訪問中に、夜に咲いていたその美しい花を見て、田氏という台湾の駐在大使にその花の名前を尋ねました。
田氏は「月下の美人です」と答え、そこから「月下美人」と呼ばれるようになったということです。
また、英語名では「A Queen of the Night(夜の女王)」と呼ばれています。
どちらも花の美しさを更に引き立てるような素敵な名前ですね。
また、別名では「月来香(げつらいこう)」とも呼ばれており、これは月下美人が芳香性であることからつきました。
月下美人はジャスミンのような甘い香りを放ち、この香りでコウモリを引き寄せて花粉を運ばせると言われています。
月下美人が誕生花となる日にち
7月18日、7月19日、8月23日、9月29日、10月29日、11月20日
月下美人の花言葉
月下美人の花言葉は「艶やかな美人」「儚い美」「儚い恋」「一度だけ会いたくて」「秘めた情熱」です。
「艶やかな美人」の花言葉は月夜に照らされ、美しく咲く花姿から来ているのではないでしょうか。
「儚い美」「儚い恋」「一度だけ会いたくて」の花言葉は月下美人が夜にしか咲かないことからつきました。
人々が主に活動する日中は咲かず、なかなか見る事が出来ないのでこのように表現されたのですね。
「秘めた情熱」の花言葉も夜に密やかに咲く特性と、つぼみのうちは下向きでもやがて少しずつ上を向いて開花するところも関係しているのではないでしょうか。
月下美人の色別の花言葉
月下美人の色別の花言葉は特に無いようです。
月下美人の怖い花言葉
月下美人の怖い花言葉は日本では特に無いようですが、海外では「危険な快楽」という花言葉があるようです。
月下美人の言い伝え
月下美人は満月や新月の時にしか咲かないとよく言われてきました。
しかし、これは根拠のない迷信であるようです。
おそらく、月下美人に寄り付くコウモリが満月によく飛ぶという説があったことから来ているようです。
たしかにハロウィンでも満月とコウモリの組み合わせをよく目にします。
しかし、月下美人自体は月の満ち欠けに影響されたりはしないようです。
月下美人が夜しか咲かない花だからこそ、このように人々は神秘を感じ、魅了され続けているのですね。