アキノキリンソウという名前から想像すると、秋に咲くキリンのように背丈が大きな花かなと感じますね。
実はそんなに大きな花ではありません。
背丈は80㎝程度といわれています。
そんなアキノキリンソウは、薬草として利用されることが由来の花言葉がつけられていました。
目 次
アキノキリンソウとは
アジアやヨーロッパが原産の多年草です。
日本では北海道が九州まで全国的に分布しています。
野山や丘など日当たり良好な場所を好む習性があります。
昔はため池や田んぼの周囲に生えていましたが、近年はセイタカアワダチソウなどの外来種が多くなり、あまり見られなくなりました。
1つの株から3から10本程度の茎がでます。
茎の先に黄色の小さな花がいくつも咲きます。
花が見られる時期は8月から11月で、まさに秋に咲く花です。
耐寒性の強い花であるため、日本でも年を越して多年草として育てることができます。
アキノキリンソウの名前の由来
「秋の麒麟草(アキノキリンソウ)」という名前は、和名です。
全く種が違う「麒麟草(キリンソウ)」という花に似ていることでつけられました。
ちなみにキリンソウの開花期は春ですが、アキノキリンソウは秋咲きです。
他にも「泡立草(アワダチソウ)」という名前があります。
その由来は花の咲き方です。
泡がどんどんとでるように咲くため、名づけられました。
西洋名は「common goldenrod(コモン ゴールデンロード)」です。
「common」とはありふれたという意味があり、「goldenrod」には黄金のムチといういみがあります。
たくさんの細い枝があり、鮮やかな黄色の花が咲くことからつけられたのでしょう。
「Solidago virgaurea(ソリダゴ ヴィルガウリア)」が学名です。
「Solidago」とは傷をつなぎ合わせるという意味があります。
昔からアキノキリンソウが、薬として利用されていたためつけられたそうです。
アキノキリンソウが誕生花となる日にち
8月13日、8月19日、8月30日、9月11日、10月19日
アキノキリンソウの花言葉
「励まし」「用心」「予防」「安心」などがアキノキリンソウの花言葉です。
西洋の花言葉は「encouragement(励まし)」、「precaution(用心)」です。
薬草として使われており、万能薬とされていました。
どんな病気にかかってもアキノキリンソウがあれば、心強いことから、花言葉がつけられたとされています。
アキノキリンソウの色別の花言葉
花色は黄色のみであるため、色別の花言葉はつけられていません。
アキノキリンソウの怖い花言葉
病を治す薬草として親しまれている花で、アキノキリンソウがあれば安心できるという意味の花言葉が多いです。
しかし、怖い意味の花言葉もつけられています。
「警戒心」や「要注意」、「警告」などです。
病気になったときのために、あらかじめ薬草を準備しておくという意味で、これらの花言葉がつけられたと言われています。
アキノキリンソウの雑学
ヨーロッパやアジアが原産であり、日本各地にも分布しているアキノキリンソウ。
古くから薬草として使われていました。
それらの用途は複数あり、胃腸薬や利尿作用、鎮痛剤、解毒作用などさまざまです。
また、日本では若草をお浸しなどで食べることもあります。
アキノキリンソウは似ていると言われる花も多くあります。
名前の由来となったベンケイソウ科のキリンソウもその1つです。
キリンソウ
キリンソウは5月から8月に黄色い花を咲かせ、日本の各地に分布します。
花言葉には、「要注意」「警戒」などがつけられています。
全く別の花ですが、アキノキリンソウと同じ花言葉がつけられていますね。
同じアキノキリンソウ属で、イッスンキンカという花は日本の屋久島に自生しています。
花の背丈が7㎝と小さいのが特徴です。
イッスンキンカは日本固有の植物と言われています。
その他にも、ミヤマアキノキリンソウやオオアキノキリンソウ、アオヤギバナなど花がよく似ている花とされています。
黄色い花がいくつも咲き、1株でも華やかなアキノキリンソウ。
近年は荒廃などにより、数が少なくなっています。
秋に黄金に輝く姿を、観察したいですね。