「9月1日 霞ヶ浦の日」
■はじめに
筆者は茨城県に住んで十余年になりますが、最近まで「霞ヶ浦」の「ケ」が小文字だということを知りませんでした。
しかし、国土地理院では「霞ケ浦」が正式表記とされ、茨城県は「霞ヶ浦」としています。
目 次
霞ヶ浦の日とは
9月1日は茨城県が1983(昭和58)年に制定した「霞ヶ浦の日」になります。
昭和53年から54年にかけて霞ヶ浦は富栄養化による水質汚濁が進み、茨城県は霞ヶ浦の環境保全のために「茨城県霞ヶ浦の富栄養化の防止に関する条例」を1982年に施行しました。
「霞ヶ浦の日」はこれを記念したものですね。
■霞ヶ浦とは
霞ヶ浦は総面積220平方kmで、琵琶湖に次ぎ日本で2番目に大きな湖ですが、西浦、北浦、外浪逆浦の3つの湖の総称で、それぞれが河川でつながっています。
湖なのになぜ「霞ヶ湖」ではないのかと言えば、かつて霞ヶ浦は太平洋とつながった「浦」でしたが、江戸時代の利根川流路変更や鬼怒川、小貝川によって運ばれた土砂が堆積したことで、太平洋から切り離されて湖となったためです。
ちなみに、この逆パターンが浜名湖で、津波によって南端の地形が変わり、今では遠州灘とつながって満潮時には海水が入り込んでいますね。
■霞ヶ浦の日のイベント
どうも9月1日というのはイベントがやりにくい日で、家族連れでにぎわうイベントは夏休み中にあらかた終わっています。
おまけにこの日は「防災の日」の全国的なイベントがあって、茨城県庁や霞ヶ浦周辺自治体は「霞ヶ浦の日」どころではありません。
霞ヶ浦の日の雑学
▽霞ヶ浦の文化遺産を今に伝える観光帆引き船
県内でも影の薄い「霞ヶ浦の日」ですが、春から秋に実施される「観光帆引き船」は子どもたちに人気があるようです。
帆引き船は凧の原理を応用し、高さ9m、幅16mほどの大きな1枚帆で風をとらえて船を横流ししながら進む漁船で、霞ヶ浦・北浦のシラウオやワカサギ漁に使われていました。
帆引き船は1880(明治13)年に考案された画期的な漁船で、それまで20人以上の人手が必要だった漁法が一人で済むようになりました。
しかし、帆引き船は風がないと操業できないため、1960年代に登場したトロール船に取って代わられ姿を消しましたが、霞ヶ浦の歴史を知る上で重要な文化的遺産であることから、1971(昭和46)年に観光用として復活しています。
現在は春から秋にかけた週末に、霞ヶ浦に面した行方、かすみがうら、土浦の3市が色とりどりの帆を張った観光帆引き船を日程が重ならないよう日程調整しながら運航しており、伴走船から間近に帆引き船が見られるのが好評のようです。
また、年に1度だけ、3市の帆引き船が一堂に会するイベントが開催され、特に人気を集めていますね。
▽サイクリングロード「かすいち」
国土交通省は新たな観光資源の創造、地方活性化などを目的に「ナショナルサイクルルート」を2019(令和元)年に制度化し、現在、全国で6つのコースが指定されている中に「つくば霞ヶ浦りんりんロード」(愛称かすいち)があります。
これは旧筑波鉄道廃線跡を終起点として霞ヶ浦の西浦を一周するコースで、一部を除き自転車・歩行者専用道路になっています。
特に湖岸に設けられた西浦コースは路面がきれいでアップダウンがないため走りやすく、初心者でも完走できそうですが、140kmもあるので10時間くらいは見込む必要があり、1泊2日のスケジュールが無難です。
また90kmのショートコース、40kmのライドクエストコースの設定も用意されています。
■最後に
茨城県は「霞ヶ浦浄化対策10カ条」を定めています。
水を大切に使おうという内容は他の自治体のスローガンと共通しますが、10カ条の中の
「調理くずなどは……堆肥にして使いましょう」
「……肥料や農薬は使い過ぎないようにしましょう」
の項目は都会ではあまりお目にかかりませんね。
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