「9月4日 串の日」
■はじめに
「串」という漢字はいかにも串カツや焼き鳥を連想させ、神事の玉串を思い浮かべる人は少ないようです。
目 次
串の日とは
9月4日の「串の日」は香川県で冷凍食品の製造販売を手掛ける「味のちぬや」が制定した記念日で、9月4日はピッタリの語呂合わせです。
そのためか、大阪の「日本串カツ協会」もこの日を「串カツの日」に制定していますが、同協会の設立日が2020年9月4日であることと、「串カツを食(9)って、し(4)あわせに」との意味合いも込めた日付になっているそうです。
■串の日の意味と由来
鳥を焼いた料理が文献に登場するのは鎌倉時代の随筆「徒然草」からですが、串に刺して焼く鶏料理としては、徳川10代将軍家治のころに書かれた料理本「万宝料理秘密箱」中にある「長崎鳥田楽」が最初になります。
つまり文献上、串料理の元祖は「焼き鳥」だったわけですが、室町時代には雉などの野鳥を使った串焼きが食べられていたという説もあります。
今となっては確かめようのない話です。
■串の日のイベント
どこの誰が制定しようとアピール満点の「串の日」、黙って見送るわけにはゆかぬとばかり、日本全国の焼き鳥屋、串カツ屋、居酒屋までがそれぞれ独自の「串の日」記念サービスを展開します。
串の日の雑学
▽焼き鳥は戦後復興が進むにつれ大衆文化へ、経済発展とともに高級化
1923(大正12)年の関東大震災以後、焼き鳥の屋台がたくさん東京に出現しました。
その多くは豚の内臓を使った「焼きとん」でしたが、安いとあってたいそうな人気だったそうです。
昭和の初めには鶏肉を使う高級な焼き鳥も現れましたが、戦争と敗戦で食糧事情が暗転し、またもや材料も定かでない安価な焼き鳥の屋台が増えることになります。
しかし、復興が進むにつれ焼き鳥店は屋台から固定店舗へ変わり、昭和30年代に食用ブロイラーが普及すると鶏の価格が安くなって、焼き鳥は大衆文化と言えるような存在となりました。
さらに時代の要求は安さから味と品質に移って、地鶏を使って差別化を図るようになり、平成に入るとそれまで流通量の少なかった地鶏が脚光を浴び、高価な炭火で焼いてよりおいしい焼き鳥を目指すようにもなりました。
地鶏を名乗るには、在来種の血が50%以上、80日以上の飼育、生後28日以降は1
平方mあたり10羽以下の平飼い、などといった日本農林規格(JAS)の条件を満たさなくてはなりません。
また黒炭、白炭、備長炭など数ある木炭の中で、最も焼き鳥に向くのは備長炭と言われ、高温で長時間安定した火力が得られるそうです。
▽転倒して「串」が脳に刺さる事故もある
江戸時代の一時期、焼き鳥は焼く時だけ串に刺し、食べる際は串から抜いて食べていた時期があったそうですが、串に刺したままなら歩きながらでも食べやすいことから、串のまま食べる習慣になったと言われます。
今ではアイスキャンデー、フランクフルトなどもスティックに刺さったまま売られ、当然のように道を歩きながら頬張っていますね。
しかし、筆者はそれが危ない光景に見えて仕方ありません。
数年前ですが、中国でフランクフルトを食べていた2歳児が転倒し、竹串が口の中から頭蓋骨に刺さる事故が発生しました。
脳の奧にまで刺さっていることから手術は難しいとされましたが、4件目の病院で串を取り除く手術が成功したものの、髄膜炎のために深刻な状態だったそうです。
その後の経過はわかりませんが、医師は初めてのケースではないと言っており、日本でもいつ起こってもおかしくない事故です。
そもそも何かを食べながら歩く文化ってどうなんでしょうか。
■最後に
忠犬ハチ公の遺体を東大で解剖したところ、胃の中から焼き鳥の串が4本出たそうです。
このため一時は「焼き鳥の串が犯人」と言われましたが、肝臓や心臓からも寄生虫のフィラリアが見つかったことで、串の濡れ衣は晴れることになりました。
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