サボテンには少しでも当たると痛いトゲがあります。
普通なら避けられてしまいそうですが、観賞用として好まれている不思議な植物です。
目 次
サボテンとは
サボテンはサボテン科の植物の総称で、2000種類以上にも上ります。
主に北アメリカや中央アメリカなどに分布しています。
日本へは江戸時代に観賞用として渡ってきました。
形や大きさは様々ですが、どの種類にも「刺座(しざ)」または「アレオーレ」と呼ばれる白い綿毛のような器官がついています。
刺座は棘(とげ)の付け根についていて、棘がないものにも存在します。
刺座がないものはサボテンではなく、他の多肉植物になります。
別名では仙人掌(センニンショウ)、覇王樹(ハオウジュ)とも言います。
サボテンの名前の由来
16世紀後半にサボテンを日本に伝えた南蛮人が、畳の汚れをふき取る際にサボテンの樹液を使っていました。
石鹸のような洗剤として使われていたことから「シャボン(石鹸)」そして「サボンティ(石鹸体)」になり、更に「サボテン」に変化していきました。
英語名では「caactus(カクタス)」と言い、ギリシャ語で「トゲのある植物」という意味があります。
サボテンが誕生花となる日にち
7月29日、8月21日
サボテンの花言葉
サボテンの一般的な花言葉は「枯れない愛」「燃える心」「温かい心」「偉大」です。
「枯れない愛」の花言葉はサボテンが暑く乾燥した過酷な環境でも育つことからつきました。
サボテンは暑さに強く寒さに弱いイメージがありますが、種類によっては氷点下の環境でも育つものもあるようです。
「燃える心」「温かい心」「偉大」の花言葉は熱帯地域の太陽の下で、暑さにも負けず、赤、ピンク、オレンジ、黄色などの鮮やかな花を咲かせることが由来となっています。
サボテンはとげとげしい見た目とは逆に、可愛らしい花を咲かせるので、そのギャップもまた魅力ですね。
また、サボテンは種類によって花言葉がついています。
【ウチワサボテン】の花言葉
ウチワサボテンの花言葉は「偉大」「熱愛」になります。
サボテン科オプンティア属で、石鹸の代わりに使われていたのはこの種類だそうです。
平らで団扇のような形をしており、実や茎は食用になります。
こちらも暑い環境の中でも育ち、繁殖力も強いことからこの花言葉がつきました。
【シャコバサボテン(蝦蛄葉仙人掌)】の花言葉
シャコバサボテン(蝦蛄葉仙人掌)の花言葉は「美しい眺め」「ひとときの美」です。
サボテン科スクルンベルゲラ属で、縁がギザギザした小判型の葉が連結して、長く垂れ下がっています。
花が咲いてない時はサボテンらしさもなく、地味な印象ですが、花期は色鮮やかなたくさんの花を咲かせるため、この花言葉がつきました。
名前の「シャコバ(蝦蛄葉)」は葉の形が甲殻類の蝦蛄(しゃこ)に似ていることからつきました。
【金鯱(キンシャチ)】の花言葉
金鯱(キンシャチ)の花言葉は「はかない夢」「憂い」
サボテン科タマサボテン属で丸い形のサボテンです。
大きいものでは1mほどにもなり、サボテンの王様と呼ばれています。
薄黄色の花が咲くまで、30年以上もかかることからこの花言葉がつきました。
通常、サボテンは2~3年ほどで花が咲くものが多いのですが、たしかに30年も待つのはあまりにも長く、気が遠くなりそうですね。
【マミラリア白玉殿(はくぎょでん)】の花言葉
マミラリア白玉殿(はくぎょでん)の花言葉は「内気な少女」
サボテン科マミラリア属で丸い形と白い綿毛のようなトゲがついています。
頭の方にピンクの花冠(はなかんむり)を被ったように咲きます。
これらの特徴が可愛らしい少女に例えられ、この花言葉がついたのではないでしょうか。
サボテンの色別の花言葉
サボテンの色別の花言葉は特に無いようです。
サボテンの怖い花言葉
サボテンの花言葉には怖いというほどではありませんが、少しネガティブな花言葉がついているものもあります。
前述のシャコバサボテンですが「もつれやすい恋」「つむじまがり」という花言葉がついています。
これはシャコバサボテンの葉が長く連なっていることが由来となっているようです。
また、サボテンにはトゲがあることから「風刺」という花言葉もあるようです。
「風刺(ふうし)」とは社会や人の欠点や罪悪を遠回しに批判することです。
直接的な攻撃ではありませんが、抗議をしているようなものなので、サボテンのトゲがそのように連想させるのでしょう。
サボテンの言い伝え
昔から、サボテンを玄関に置いていくと魔除けになると言われています。
古くから尖った植物は邪気を跳ね返す力があると言われてきました。
同じ理由で日本では庭に柊(ひいらぎ)を植えたり、節分には鬼除けとして飾られていますね。
サボテンは色々な形のものがあったり、花の付き方も様々なので、コレクションとして集めてみるのも面白いですね。