透き通るような青色のリンドウは、古くから日本人になじみ深い花です。
源氏の家紋にも使われるリンドウは、高貴な印象の花言葉がつけられていました。
目 次
リンドウとは
リンドウ科の花で、日本や中国が原産の多年草。
日本で自生しているのは、主に本州、四国、九州です。
草原や野山などが自生地で、日当たりのいい場所を好みます。
昔は田んぼの周辺やため池の近くなどに自生していました。
しかし、近年農業が衰退したことで、目にする機会が減っています。
細長い葉っぱが茎の下から上にたくさんつくのが特徴です。
花は筒状で5枚の花びらからなります。
澄んだ深い青色の花は、太陽の方に向き花を咲かせるのが特徴。
花の見ごろは9月から11月ごろで、晴れた時にだけ花開く修正があります。
リンドウの名前の由来
日本が原産であるリンドウですが、名前の由来は中国にあると言われています。
中国ではリンドウを「竜胆(リュウタン)」と言われ、漢方薬として利用されていました。
リンドウの漢方薬は、「熊胆(ユウタン)」と呼ばれる苦い薬よりも、更に苦いそうです。
苦い薬の熊胆は、クマの胆のうからできています。
熊胆よりに苦いため、熊よりも強い竜という言葉を使い「竜胆」と名づけました。
日本では「リュウタン」という読みが、変化していつしか「リンドウ」と呼ばれるようになったのです。
現在は日本でも漢方薬として、使われています。
学名は「Gentiana scabra(ゲンティアナ スカブラ)」です。
リンドウに消炎作用や解毒作用があることなど、薬としての効能があることを発見した、ゲンティウス王の名前からつけられました。
西洋名は「Japanese gentian(ジャパニーズ ゲンチアナ)」。
日本が原産である花で、学名の「Gentiana」から名づけられています。
リンドウが誕生花となる日にち
8月31日、9月13日、9月16日、9月18日、9月20日、9月28日、10月20日
リンドウの花言葉
「正義」「悲しんでいるあなたを愛する」「誠実」などが、リンドウにつけられた花言葉です。
西洋では「I love you best when you are sad(悲しんでいるあなたを愛する)」、「loveliness(愛らしい)」、「intrinsic worth(固有の価値)」などと言われます。
「悲しんでいるあなたを愛する」という花言葉は、深見のある青色に悲し気な雰囲気があることが由来です。
古くから薬としての役割があることから、「正義」や「intrinsic worth(固有の価値)」といった花言葉がつきました。
リンドウの色別の花言葉
深い青色の印象が強いリンドウですが、白や紫色の花もあります。
青色は「誠実」「正義」「寂しい愛情」です。
全体の花言葉でも、悲し気な印象からつけられた花言葉があったように、深い青色が、寂しさを連想させるようです。
紫色は「満ちた自信」という花言葉がつけられています。
古くから上品な色と言われている紫は、どんな花も高貴な印象の花言葉がつけられることが多いです。
リンドウもその1つで、「満ちた自信」とつけられたのでしょう。
白色は「貞操」「純潔」です。
晴れの日にしか花を咲かせないリンドウは、純粋に恋をする女性にたとえられ、花言葉がつきました。
リンドウの怖い花言葉
花の色が寒色系であり、どこか哀愁ただようイメージです。
悲し気な印象を持ちますが、怖い花言葉はつけられていません。
リンドウは源氏の家紋
日本が原産で、古くから日本人に親しまれているリンドウ。
それは透き通った青色の花を観察することや、薬としての効能だけではありません。
源氏の家紋の1つでもあります。
源氏の家紋は全21種類あると言われています。
その中でも笹竜胆の家紋が有名です。
家紋に使われた理由は、上品で清楚な印象の花であったからと考えられています。
笹竜胆以外にも、二葉竜胆や陰の笹竜胆など、リンドウをモチーフにした家紋が数十種類あるそうです。
日本原産のリンドウには、数種類の近縁種があります。
特に良く知られているのは、北海道を中心に咲くエゾリンドウと、春咲きのハルリンドウです。
北海道から関西地方まで分布する、エゾリンドウ。
リンドウよりも薄い青色で、湿地帯に生息します。
北海道を中心に自治体の花として親しまれる花です。
リンドウが秋咲きの花であるのに対し、春に咲くリンドウであるハルリンドウ。
日本が原産で、草丈が10㎝ほどの小さな花です。
真っ青な透き通った青色がきれいな品種で、群生して咲くことがあります。
深見のある青色が、高貴な印象をあたえるリンドウ。
家紋につかわれるほど、上品で気高い花です。
日本に生息する、美しいリンドウをいつまでも守っていきたいですね。