日本に自生していないため、花を見たことがある人は少ないかもしれません。
香水やせっけんなど、香りとして良く知られています。
甘くさわやかな香りが、怖い花言葉をつけられる原因にもなっていました。
目 次
チューベローズとは
キジカクシ科ゲッカコウ属に分類されるチューベローズは、メキシコが原産と言われています。
日本には自生しておらず、あまり栽培されていないため馴染がないかもしれません。
良い香りが特徴で、香水の原料とされます。
花の香りは甘さを感じますが、フローラルのようなさわやかさも兼ね備えています。
香水以外にもソープやハンドクリームなど、香りを楽しむものに利用されることが多いです。
葉っぱは細長くニラやスイセンのようです。
花は真っすぐ伸びた先に数十ほどつきます。
一重咲きの花は6枚の花びらでラッパのような形です。
花びらの枚数が多い八重咲きは、1本の花でブーケのような華やかさがあります。
チューベローズの名前の由来
「tuberose(チューベローズ)」という名前は、和名、西洋名ともに共通です。
「Polianthes tuberosa(ポリアンテス チューベローズ)」という学名から呼ばれています。
「Polianthes」は、白い花をあらわすギリシャ語です。
「tuberose」には、塊根状(かいこんじょう)のという意味があるラテン語が由来で、球根植物であることから名づけられています。
一般的な和名はチューベローズですが、「和蘭水仙(オランダズイセン)」や「月下香(ゲッカコウ)」という名前もあります。
オランダとつけられた理由はわかりませんが、一重咲きの花がスイセンのように見えることから「オランダズイセン」となったのでしょう。
花の香りは昼間からありますが、夜になるほど強くなります。
また、夜間には香りが変化するとも言われます。
月明かりの下で人を惹き付ける香りを放つことが、「月下香」の由来です。
チューベローズが誕生花となる日にち
1月29日、6月16日、9月2日、9月17日
チューベローズの花言葉
「冒険」「危険な楽しみ」「危険な戯れ」「危険な快楽」がチューベローズの花言葉です。
夜に香りが強くなることから、つけられたと言われています。
夜に花の香りを嗅ぎに、外に出ることは少ないと思います。
とりこになってしまうほど良い香りで、夜にこっそり香りを嗅ぎに出ることから、「秘密の冒険」という意味で、花言葉がつきました。
チューベローズの色別の花言葉
花色は白が一般的ですが、ピンクや黄色などあるそうです。
特別花言葉はつけられていません。
チューベローズの怖い花言葉
誰もが夢中になってしまうような、香りを放つチューベローズ。
中毒性が高いことから、「危険な快楽」や「危険な楽しみ」といった花言葉があります。
香りのある花の中で、最も色っぽいそうです。
香りをかぐと、花言葉の意味が納得できるかもしれませんね。
チューベローズの歴史
濃厚な甘さの中に、さわやかな香りがあるチューベローズ。
人をとりこにしてしまう香りは、香水としてよく利用されます。
昔、イギリスではチューベローズの香水を使用することを、禁止したことがありました。
香水の香りとして人気があり、よく利用されていたそうです。
しかし1770年に、香水をつけて男性に求婚することを禁止する法律が出されました。
おそらく、香水の香りにとりこになり、結婚詐欺などの罠にかかってしまう男性が増えたのでしょう。
また、夜更けに男女がチューベローズの畑近くを通ることを禁じた、なんてこともあったそうです。
これは、香りが我を忘れて官能的になってしまうからと言われています。
しかし、色気があるだけでなく、リラックス効果がとても高いのも特徴です。
ストレス緩和に役立つ香りであることも、証明されています。
甘さが強いだけでなく、フローラルでさわやかな部分も兼ね備えているチューベローズ。
人を夢中にさせるほどの香りが、怖い花言葉に関連していたとは意外ですね。
リラックス効果を得たいときには、程々に香りを嗅ぐのが良いでしょう。