日本でも生産が盛んで、良く食べられるリンゴ。
美味しいだけでなく、栄養価の高い果物です。
禁断の果実として知られるリンゴには、さまざまな言い伝えがありました。
目 次
リンゴ(林檎)とは
ヨーロッパの東南部やアジアの西部が原産と言われており、その中でも北部コーカサスの地域が有力であると言われています。
品種が非常に多く、7500以上の種類があるそうです。
温帯や亜熱帯、亜寒帯などさまざまな環境で成育することができますが、熱帯の地域だけは栽培が難しいです。
また、病害虫の被害が大きいことから、家庭での栽培も難しいとされています。
品種により異なりますが、樹高は2から5mが一般的で、大きいものでは8mにまで成長する物もあるそうです。
4月から5月にかけて、花を咲かせます。
つぼみはピンク色で、花が開くと白色です。
5枚の花びらからなり、梅の花に似ています。
秋ごろに果実が収穫期をむかえます。
リンゴ(林檎)の名前の由来
「林檎(りんご)」という名前は日本で、一般的な名称ですが、その由来はいくつかあります。
私たちが普段食べているのはセイヨウリンゴと呼ばれるものです。
西洋から1800年代に伝えられたリンゴで、こちらが一般的になる前には、中国から伝えられた「ワリンゴ」をリンゴ呼んでいました。
平安時代にはワリンゴのことを「利宇古宇(リウコウ/リウゴウ)」と呼んでいたそうです。
リウコウが変化しリンゴと言うようになったと考えられています。
もう一つに、中国で「林檎」と呼んでいたことが、由来になっていると言います。
リンゴの果実を食べるために、鳥が集まっていたそうです。
中国では鳥のことを「禽(キン)」と呼び、林に集まることから、「林檎」という漢字があてられました。
日本に伝えられた時には「林檎」をリリンゴと言い、いつの間にかリンゴへと変化したそうです。
西洋では「Apple(アップル)」と言われますが、これは果物を代表するからと言われています。
かつては、果実のことを「apple」と表していたそうです。
たくさんの品種があり、古くからあるリンゴを果物の象徴とし、リンゴが「apple」という名前を引き継いだそうです。
リンゴ(林檎)が誕生花となる日にち
5月2日、5月11日、9月29日、10月29日
リンゴ(林檎)の花言葉
全体の花言葉は「選ばれた恋」「最も美しい人」です。
この花言葉はギリシャ神話の中の「パリスの審判」が大きく関係しています。
神々が招待されたとある結婚式がありました。
争いの女神エリスだけ、呼ばれておらず、エリスは怒りだします。
結婚式で争いごとを起こそうと、黄金のリンゴを持ち出し、「最高に美しい女神に黄金のリンゴを与える」と言い出したそうです。
そこで名乗りをあげたのが、神ゼウスの妻であるヘラ、知恵の女神アテナ、愛と美の女神アフロディーテでした。
見かねた神ゼウスは美少年のパリスに、誰に黄金のリンゴを与えるか決めるように言います。
その際に、選んだ女神によってちがう報酬を与えるとしました。
パリスは、アフロディーテを選び、世界一美しい女性を手に入れることができる報酬を得ます。
実際にヘレナという美女と結ばれることになったのです。
この神話から、「選ばれた恋」「最も美しい人」という花言葉がつきました。
リンゴ(林檎)の色別の花言葉
リンゴの花色は白です。
1色しか無いため花色別の花言葉はありません。
その代わりに、花、果実、木それぞれの花言葉があります。
【花】
「好み」「選択」「preference(優先)」
パリスによって、黄金のリンゴをもらえる人が決められたことから、ついた花言葉と言われています。
【果実】
「誘惑」「後悔」「temptation(誘惑)」
禁断の果実と言われることから、ついたとされています。
【木】
「名誉」「honor(名誉)」
黄金のリンゴを手に入れると、合わせて「女神の中で最も美し美女である」という称号が与えられたも同然であることから、つけられました。
リンゴ(林檎)の怖い花言葉
全体の花言葉には、怖い印象のものはありません。
果実の花言葉は、「誘惑」や「後悔」といったネガティブなものがつけられています。
これは、旧約聖書にある、アダムとイブの話が関係しています。
リンゴ(林檎)の言い伝え
ギリシャ神話の「パリスの審判」以外にも、言い伝えがあります。
旧約聖書「創世記」には、アダムとイブの物語が書かれています。
エデンの園は楽園であり、外には木や草など何も生えていません。
そこで最初に生まれた人間がアダムです。
アダムを生み出した神は、エデンの園にさまざまな木を植えました。
どの木にも食べることができる果実を実らせますが、善悪の知識の実は絶対に手を出しては行けないと言います。
後にイブが生み出され、悪魔のささやきをするヘビが、イブに善悪の知識の実を食べるよう言いました。
ヘビの言葉に惑わされたイブは、果実を食べてしまいます。
さらには、アダムにも果実をすすめました。
神の言いつけを守らなかったことから、後に2人は追放されてしまいます。
このことから、「誘惑」や「後悔」といった花言葉につながったそうです。
リンゴは古くからあった果実で、果物を代表するものでもあります。
ヨーロッパでは、「1日1個リンゴを食べれば、医者を遠ざける」や「赤いリンゴの実がなれば、医者の顔が青くなる」などと言われます。
それほどまでに、栄養価が高く、古くから人々の健康を支えてきた植物でした。