ノアザミは日本で自生するアザミの1つです。
古くから日本の食生活と健康を支えていた花でした。
目 次
ノアザミとは
日本をはじめとし、中国、台湾などに分布する花です。
日本に分布するもののほとんどが固有種であり、アジア大陸に分布するものは変種とされています。
野原や道端、河川敷など日当たりが良好な場所を好み、暑さ寒さにも比較的強いです。
ノアザミの背丈は、60から100㎝程度で、茎が枝分かれした先端に3つ程度のつぼみをつけます。
花びらを包み込む、総苞にいくつものとげがあるのが特徴です。
また総苞からは、ノアザミ独特の粘液がでます。
1つ1つの花びらは筒状の形をしており、それがいくつも集まって花を形成します。
花びらの色は、紫や白です。
開花期は長く、5月から8月ごろまできれいな花が見られます。
ノアザミの名前の由来
「野薊(ノアザミ)」という名前は、野原などに咲くアザミであることに由来します。
アザミという名前の由来は、いくつか提唱されています。
アザミの花にはとげがあり、とげが邪魔をして花を摘むのは簡単ではありません。
このことから、花にあざむかれるという意味で、「アザミ」となりました。
また、沖縄でとげのことを「アザ」と言いうことに由来する説です。
とげのある草木ということで、「アザギ」と言われるようになり、のちに「アザミ」へと変わったと言われています。
西洋名は「Japanese thistle(ジャパニーズ シスル)」です。
「thistle」はアザミを意味する単語で、ノアザミが日本原産であることからつけられています。
ノアザミが誕生花となる日にち
3月19日、6月19日、 6月29日
ノアザミの花言葉
「素直になれない恋」「独立」「孤独」「触れないで」などです。
西洋の花言葉は「independence(独立)」です。
ノアザミの花には、鋭いとげがいくつもあります。
とげがあり触ることができないため、「孤独」や「触れないで」といった花言葉がつけられたそうです。
ノアザミの色別の花言葉
ノアザミには紫や白色の花色があります。
しかし、ノアザミには、色別の花言葉はないようです。
ノアザミは300種以上あるアザミのうちの1つです。
アザミには色別に花言葉がつけられています。
ノアザミの花色にもある、紫は、「気品」「高貴」です。
落ち着きのある紫色が、「気品」や「高貴」といった印象につながったのでしょう。
白色は「自立心」です。
真っ白で純粋なイメージと、とげがあり誰も寄せ付けない見た目が、揺るがない意思を持っているように見えたことから、つけられたのかもしれません。
赤色のアザミの花言葉は「権威」や「報復」などです。
真っ赤に咲くアザミが、他を寄せ付けない雰囲気があったのかもしれませんね。
青色は「安心」や「満足」といった花言葉がつけられています。
ノアザミの怖い花言葉
ノアザミ自体に怖い花言葉はないようです。
アザミ全般の花言葉には「misanthropy(人間嫌い)」や「復讐」といった花言葉がつけられています。
どちらの花言葉も、とげがあることが由来とされています。
山菜として食べられるノアザミ
日本でノアザミは古くから親しまれている花です。
山菜として食べられることが多く、炒め物や煮物に調理されます。
葉っぱにもとげがあるノアザミですが、とげを気にせずに天ぷらなどで食べることもできます。
3月から4月にはえる新芽を採取するため、とげや葉っぱが柔らかく、美味しく食べることが可能です。
採取するときは、とげがささるため、軍手などの手袋が必須です。
また、根っこの部分は山ゴボウと呼ばれ、漬物や味噌漬けなどとして親しまれます。
香りが良い食材で、あく抜きなどの下処理をすれば、美味しく食べられるそうです。
また、花開く頃に根を堀り、天日干しさせると生薬になると言われています。
茎や葉っぱを乾燥させて薬として用いることもあります。
利尿作用や炎症を抑える効果、睡眠薬としても重宝されるそうです。
特に熱感をともなう出血に効果があるとされており、鼻血や吐血、子宮出血などの薬として利用されます。
ノアザミは日本原産ですが、同じ日本原産のアザミは100種程度あるとされています。
その中でも、ノハラアザミはよく混同されるアザミです。
ノハラアザミの自生地は本州で、花が開くのは初夏から秋にかけてです。
また、ノアザミのように総苞から粘液が出ることはありません。
ノハラアザミの花言葉は「自立」「独立」「心の成長」などです。
ノアザミは、春から夏にかけて、きれいな花を咲かせます。
とげがあることで、どこか人を寄せ付けない雰囲気を感じますが、古くから山菜や薬草として、日本人の生活を支えてきたとは意外ですね。