ミソハギは大切な人を偲び、哀しみを癒してくれる花として、お盆のシーズンにはなくてはならない花です。
目 次
ミソハギとは
ミソハギ(禊萩)はミソハギ科ミソハギ属で日本や朝鮮半島に分布しています。
田んぼの畔(あぜ)などの湿地に群生することが多く、7~9月頃に1~1.5㎝ほどの濃いピンク色や紫色の花を穂状に咲かせます。
草丈は1mほどで花びらは6枚からなり、食用や千屈菜(せんくつさい)という生薬として利用されることもあります。
食用では若芽の時に摘み取り、茹でた後に水にさらし、あく抜きをして調理します。
佃煮や炒め物、花の部分はサラダなどにも使うことができます。
ミソハギの名前の由来
「ミソハギ(禊萩)」という名前はミソハギが禊(みそぎ)に使われたこととマメ科の植物の萩(はぎ)に似ていることからつきました。
禊(みそぎ)とは神道で水を浴びて罪や不浄を清める行為のことで、この時にミソハギが使われていたと言われています。
萩(はぎ)は秋の七草の一つで、ミソハギのように濃いピンク色の小花を咲かせます。
しかし、花の付き方はミソハギのように真っすぐな稲穂状ではなく、垂れ下がるような枝に花を咲かせます。
別説では溝(みぞ)によく咲くことから「ミゾ」がやがて「ミソ」に変化していったという説もあります。
また、お盆に用いられる花であることから、別名で「ショウリョウバナ(精霊花)」「ボンバナ(盆花)」「霊の屋草」とも呼ばれています。
ミソハギ(禊萩)が誕生花となる日にち
9月6日、 9月22日、10月11日
ミソハギの花言葉
ミソハギの花言葉は「愛の悲しみ」「慈悲」「悲哀」「純愛」「意思の固さ」です。
「愛の悲しみ」「慈悲」「悲哀」の花言葉はお盆の時に供えられることからつきました。
お供え以外でも道端に咲いてるミソハギを見て故人を思い出す方も多いことでしょう。
ミソハギが咲く季節は夏ですが、歳時記や俳句の世界ではミソハギの季語は秋になります。
お盆が過ぎると少しずつ涼しくなり、秋の風を感じることも増えてきますね。
「純愛」の花言葉ははっきりとした由来はわかっていません。
飾り気のない可憐な小花が寄り添って咲く姿からついたのでしょうか。
「意思の固さ」の花言葉は稲穂のように真っすぐに伸びていく姿からついたのではないでしょうか。
揺るぎない花姿が何物にも染まらないというイメージがありますね。
ミソハギの色別の花言葉
ミソハギの色別の花言葉は特に無いようです。
ミソハギの怖い花言葉
ミソハギの怖い花言葉は特に無いようです。
お盆に供えられる花ミソハギ
ミソハギはお盆に供えられる花ですが、その供え方は多種多様です。
昔から日本ではお盆になると、盆棚(精霊棚)というものが用意されてきました。
その棚には地域によって多少異なりますが、仏具や食べ物、植物などが供えられます。
仏具は位牌、香炉、線香、ロウソクなどで、食べ物は精霊馬というなすの牛やきゅうりの馬が形作られたもの、水の子と呼ばれるなすやきゅうりをさいの目に切ったもの、そうめん、果物などが供えられます。
植物ではミソハギの他にほおずき、マコモなどが用意されます。
ほおずきが用いられるのは盆提灯に似ているためです。
盆提灯の灯りを目印にして、先祖の霊が迷わず帰って来られるようにという願いを込めて飾られます。
マコモはイネ科の草で棚の上にござのように敷いて、その上に供え物を置きます。
これはお釈迦様がマコモで編んだ寝床に病気の人を寝かせて治したという言い伝えから用いられるようになりました。
ミソハギの供え方は器に水を入れ、その上にミソハギの花を5~6本束ねたものをのせます。
これを「閼伽水(あかみず)」と言います。
ミソハギは仏壇やお墓に供えられるだけでなく、このような用いられ方もされているのです。
日本のお盆の風習には色々な意味があり、亡くなった方へのたくさんの思いが込められているのですね。