ホトケノザときいて、紫色の花を思い浮かべる人は少ないかもしれません。
しかし、花を見ると、子供の頃に花を摘んで、蜜を吸ったことがあるなんて思い出す人も多いでしょう。
ホトケノザと聞くと、日本固有かななんて思いそうな、花の名前ですが、実は、さまざまな地域で自生している花なんです。
また春の七草の一つと思われがちですが、実はそちらとは違う花なのです。
目 次
ホトケノザとは
北海道以外の日本ならどこにでも自生しているホトケノザ。
日本以外にも、ヨーロッパ、北アフリカ、北アメリカ、アジアなど広い地域で分布しています。
春先の道端、田んぼのあぜ道、公園などで見かけた人も多いのではないでしょうか。
暑さ寒さどちらにも強く、野山や日陰の場所でも育ちます。
かわいらしい紫色の花を咲かせるイメージで、花の蜜が甘いのも特徴です。
ガーデニングなどで、植えた記憶がないのに生えているなんてこともあり、雑草として扱われることも多いです。
シソ科オドリコソウ属に属しているホトケノザは、秋に目を出し、年を越して翌年の3月から6月に開花する越年草です。
ときに一年草として扱われる事もあります。
ホトケノザの葉は、少し珍しい形です。
根元に近い葉は円形で、茎から出た枝につきます。
中間の葉は、茎から出た枝につき、葉はギザギザです。
上部の葉は、中間の葉と同じギザギザの葉で、茎から直接生えています。
ホトケノザの名前の由来
ホトケノザの名前は、葉っぱの形と、茎から生える様子から由来していると言われています。
花近くの上部の葉っぱは、茎から直接生えています。
ギザギザの特徴的な葉っぱが、取り囲むように生える様子が、仏さまが座っている蓮華座(レンゲザ)に見えたそうです。
そこから、ホトケノザと名づけられました。
漢字では「仏の座」と書きます。
また、葉っぱが、下から段々に茎へのつき方を変えているため、「三階草(サンガイグサ)」という別名も持っています。
西洋名は「henbit(ヘンビット)」です。
「henbit」には、鋸歯状の葉という意味があります。
ホトケノザの葉がギザギザしているため、つけられたのでしょう。
アジアにも分布しているホトケノザは、中国名で「元宝草」、「宝蓋草」と言われています。
学名は「Lamium amplexicaule(ラミウム・アンプリキシカル)」です。
ラテン語の「Lamium」は、「laimos(喉)」を意味します。
紫色の花の部分は、細く筒状の形になっています。
花の形が喉に似ていることから、由来します。
ホトケノザが誕生花となる日にち
2月8日
ホトケノザの花言葉
ホトケノザの花言葉は、「輝く心」「調和」「小さな幸せ」です。
ホトケノザは、花と葉の様子が仏の座っているレンゲザからなぞらえて、名づけられましたが、花言葉も同じです。
「輝く心」「調和」といった、仏様を象徴するような、神々しい花言葉がつけられたとされています。
「小さな幸せ」は、ホトケノザの花が小さく可憐な姿から、ついたのかもしれませんね。
ホトケノザには西洋の花言葉はないようです。
ホトケノザの色別の花言葉
ホトケノザは紫色の花が一般的です。
ほかの花色がないため、色別の花言葉はありません。
ホトケノザの怖い花言葉
ホトケノザは、仏様を連想させるような、花言葉ばかりです。
怖いやネガティブな印象を与える花言葉はありません。
春の七草と間違われやすいホトケノザ
ホトケノザと言えば、紫色の花ではなく、春の七草を連想する人も多いかもしれません。
実は、春の七草で言われる「仏の座(ほとけのざ)」は、「コオニタビラコ」と言う花で、黄色の花を咲かせます。
春の七草で知られる「仏の座」はこのコオニタビラコ
紫色の花を咲かせるホトケノザ同様、コオニタビラコは田んぼ周辺やあぜ道などに生えます。
コオニタビラコは、七草がゆに入れられ食用として食べられます。
しかしホトケノザは甘い花の蜜を楽しむことはできますが、茎は食べられません。
食べても毒などはなく、害はありませんが、とても苦いそうですよ。
同じシソ科オドリコソウ属で、紫色の花のヒメオドリコソウは、見た目もよく似ていますが、こちらは胡麻和えやハーブティーとして楽しめるそうです。
秋に芽をだし、緑の葉をしげらせたまま冬を越し、春に紫色の花を咲かせるホトケノザ。
ホトケノザが群れをなして生えている姿は、とてもきれいです。
子供の頃に、蜜を吸ったことを思い出しながら、ホトケノザを鑑賞したいですね。