濃い緑色の葉に映える純白の花を咲かせるタマスダレ。
雨上がりの後には美しい花をたくさん咲かせてくれます。
目 次
タマスダレとは
タマスダレはヒガンバナ科タマスダレ属の球根草です。
原産地はアルゼンチン、チリ、ペルーなどで日本へは明治時代に渡ってきました。
6~9月頃に1本の茎に1つの白い花を咲かせます。
花びらは6枚からなり、花の中央は黄色で、葉は細長いところが特徴です。
タマスダレは球根植物で一つの球根から数回花を咲かせます。
葉や茎にはアルカロイドを含む毒があり「ノビル(野蒜)」という山菜と似ているため、誤って口にしないよう注意が必要です。
タマスダレの仲間で「サフランモドキ」という花があります。
ヒガンバナ科タマスダレ属で6~10月頃にタマスダレより少し大きめのピンク色の花を咲かせます。
薬用植物のサフランに似ていることからこの名前がつきました。
タマスダレの名前の由来
タマスダレ(玉簾)の名前は1本の茎に一つだけ咲く白い花を「玉」に、細長い葉がたくさん集まっていることから「簾(すだれ)」に見立ててついたと言われています。
別名では「レインリリー(雨ユリ)」と呼ばれており、これは雨がよく降った後、一斉に花が咲くことが由来となっています。
また、ヒガンバナ科タマスダレ属の植物の総称を「ゼフィランサス」と呼び、タマスダレの学名にもなっています。
ゼフィランサス(Zephyranthes)には「Zephyros(西風)」と「anthos(花)」という意味があります。
タマスダレが誕生花となる日にち
9月13日、10月31日
タマスダレの花言葉
タマスダレの花言葉は「純白な愛」「清純の愛」「慎重」「繊細な心」です。
「純白な愛」「清純の愛」の花言葉はすらりと伸びた茎の上に一つだけ白い花を咲かせる清楚な花姿からきています。
「慎重」「繊細な心」の花言葉はこちらもタマスダレの花の純潔なイメージからきているようです。
また、ヒガンバナ科タマスダレ属の植物の総称である「ゼフィランサス」の花言葉も存在します。
ゼフィランサスの花言葉は「便りがある」「期待」です。
「便りがある」の花言葉はゼフィランサスが「西風」の意味を持つことが由来となっていて「風が便りを運ぶ」という意味合いからきているようです。
「期待」の花言葉はゼフィランサスは雨が降った後、一斉に花を咲かせるので、雨上がりの開花を期待することからついたのではないかと言われています。
また、日本のある地域では「西風が吹くと天気になる」という言い伝えもあるそうです。
どちらも明るい未来が待っていそうな素敵な花言葉ですね。
タマスダレの色別の花言葉
タマスダレの色別の花言葉は特に無いようです。
タマスダレの怖い花言葉
タマスダレの怖い花言葉は特に無いようです。
タマスダレ属ゼフィランサスの言い伝え
タマスダレの学名でもあるゼフィランサスは「西風(ゼピュロス)」を意味していますが、ギリシャ神話の中にも「ゼピュロス」という西風の神がいます。
このゼピュロスに関するある神話があります。
「ゼピュロスはニュンペー(精霊)のクローリスに恋をし、無理矢理さらった後に自らの罪を悔やみます。
彼は罪滅ぼしのため主神に願い出て、彼女をフローラという春と花の女神にし、二人は結婚したということです。
しかし、この神話にはまだ続きがあります。
ゼピュロスは今度は女神フローラの侍女のアネモネに恋をしてしまいます。
怒ったフローラはアネモネを追放しますが、夫であるゼピュロスはアネモネを手元に置くため花の姿に変えたということです。」
ギリシャ神話ではこのことがアネモネの花が誕生したきっかけと言われています。
タマスダレ(玉簾)という名前から日本の花のように感じますが、このようなギリシャ神話と関係があったり、ゼフィランサスという名前で海外では馴染みのある花のようです。