月桂樹といえば、日本では香辛料のローリエとしてのイメージが強いのではないでしょうか。
海外では月桂樹の葉は料理以外のことにも色々と使われてきました。
目 次
月桂樹とは
月桂樹(げっけいじゅ)はクスノキ科ゲッケイジュ属の常緑高木です。
南ヨーロッパ原産で地中海沿岸に多く分布しています。
高さは9~12mほどになり、葉は緑色で艶があり、長楕円形で、揉むと香りがでます。
開花時期は4~5月頃で淡黄色の小花が集まって咲き、秋になると暗い紫色の実がなります。
葉は乾燥させたものが香辛料のローリエとして使われます。
ローリエはカレーやシチューなどの煮込み料理などの香り付けに使われたり、肉の臭み消しに使われたりします。
月桂樹の名前の由来
日本では月を見て「ウサギがもちつきをしている」と言われますが、それと似たような表現で、中国では月は「大きな桂(けい)の樹を切る男の姿」のように見えると言われています。
この桂(けい)とは香りのある木犀(もくせい)の植物のことでもあり、月桂樹も香りがして似ていることから「月」と「桂」が合わさって「月桂樹」となりました。
英語では「ローレル」フランス語では「ローリエ」と呼ばれています。
学名では「Laurus nobilis」といい、Laurusは「緑色」nobilisは「高貴な、気品のある」という意味があります。
月桂樹が誕生花となる日にち
2月16日、2月28日、10月10日
月桂樹の花言葉
月桂樹の花言葉は「栄光」「勝利」「私は死ぬまで変わりません」です。
「栄光」「勝利」の花言葉は古代ギリシャでは月桂樹の葉と枝を編み込んで「月桂冠」を作り、競技会で優勝した人や詩人の頭に被せたことが由来となっています。
この競技会とは古代ギリシャでアポローン神を称えるために開催されたピューティア大祭のことです。
最初は音楽と詩を発表しあう文化系の大会だったそうですが、のちに運動競技もとり行われるようになったということです。
オリンピックでも葉の冠を被った選手がよく見かけられますが、そこではオリーブの葉が使われていることが多いようです。
月桂樹もオリーブも葉の形や実がなるところが似ていますね。
「私は死ぬまで変わりません」という花言葉は太陽の神アポロンが、ダフネに対する愛の証として、月桂樹の葉で作った冠をずっと被っていたという神話からきています。
月桂樹の色別の花言葉
月桂樹の色別の花言葉は特に無いようです。
月桂樹の怖い花言葉
月桂樹の怖い花言葉は「裏切り」です。
古くからヨーロッパでは黄色は不吉な色とされ、月桂樹も薄い黄色の花を枝にびっしりとつけることからこの花言葉がついたようです。
月桂樹の言い伝え
月桂樹の花言葉のところでも少し述べましたが、月桂樹にまつわるギリシャ神話があります。
「太陽の神アポロンがキューピットの弓をとがめたことから、キューピットが怒って恋に落ちる矢をアポロンに放ちました。
その矢を撃たれたアポロンは川の神の娘、ダフネに恋をしますが、ダフネにはそれを拒否する矢が撃たれました。
ダフネはアポロンから逃れるために父親に姿を変えてほしいとお願いをします。
そして、ダフネは月桂樹に姿を変えてしまいます。
嘆き哀しんだアポロンはその月桂樹の葉で冠を作り、生涯ずっと頭に被り続けたということです。」
このような神話から前述の「私は死ぬまで変わりません」という花言葉が生まれたのです。
そして、中国では「月には桂を切る男がいる」と言われ、それが月桂樹の名前の由来にもなったわけですが、日本でもそのことが江戸時代の奇談集「絵本百物語」に歌とともに描かれています。
また和歌山県のある地域では「桂男」と呼ばれる妖怪の言い伝えがあったそうです。
「満月ではない時に月を長く見ていると、桂男に招かれて命を落とすことにもなりかねない」と言われていたそうです。
「餅つきをするウサギ」とは全く違って、怖い言い伝えですね。