「1月28日 逸話の日」
■はじめに
今回のテーマは「逸話の日」です。
どことなくのほほんとして、情緒に訴えるような、特に目的も感じられない記念日です。
こういう記念日がもっとあってもいいですね。
目 次
逸話の日とは
「逸話の日」は「い→1、つ→2、わ→8」という語呂合わせの1月28日になります。
誰が制定したのかは定かではありません。
この日はあまり知られていない逸話を語り合い、逸話から物事の本質を知る日とされてはいますが、制定者不明の記念日、どこから出た情報でしょうか、不思議です。
ともあれ、温故知新とも言うので、古き逸話から学ぶこともあるでしょう。
■逸話の日のイベント
この記念日は商売っ気がないので、意外と企業の広報が食いつきやすいのかもしれません。
逸話をでっち上げるわけにはいきませんが、「あなたの秘めたる逸話」コンクールくらいはあるかと思いましたが、見つかりませんでした。
逸話の日の雑学
▽「逸話」とは知られていない話か、有名な話なのか
逸話とは多くの人に知られていない興味深い話、世の中に埋もれて日の目を見ない話のことで、「有名な逸話」というのは「有名な秘密」同様、ありえないことになります。
これは「逸」という漢字に「後逸」「逸脱」「機を逸する」などとマイナスイメージがあるせいかもしれません。
しかし一方で「逸」は「逸品」「逸材」「秀逸」など、すぐれている、世間並みを越えたという意味を持っています。
「逸」の訓読みは「それる」「はぐれる」「うしなう」と読みますが、「すぐれる」という読み方もありますね。
漢字「逸」の旧字体は「しんにゅう」に「うさぎ」と書きます。
「しんにゅう」は道路を表すぎょうにんべん「彳」と、足を表す「止」が組み合わされた会意文字で、「うさぎ」は逃げる、逃れるも意味しますが、速さにすぐれるとも理解できますね。
ということから「逸話」は「いい話」という意味を持つと解釈されるようにもなっているので、「逸話」とは「世に知られていない本当のいい話、興味深い話」ということになるでしょうか。
NHKが実施した調査によれば、30、40代では「有名ではない話」という解釈が主流ですが、50歳以上と20代は「有名な話」と解釈しているようです。
▽逸話の条件
逸話をあれこれ探してみましたが見つかりません。
逸話を「世に知られていない話」とするなら、見つけられるような話はすでに逸話ではなく、知られていない話は日本中の蔵を探さなくては見つかりませんね。
もし、そんな話が発見されたら、SNSの時代、あっという間に知れ渡ってしまいます。
逸話の範囲をだいぶ狭めてみれば、いくつかの逸話=武勇伝を持つ筆者の友人がいますが、これも周囲の人間なら誰もが知っていることで逸話とは言えず、それに万人が興味を持つような話でもありません。
逸話と呼ばれる話はほとんどが昔のことで、秀吉の一夜城、謙信と信玄の川中島直接対決など、信憑性の疑われる話も多く、逸話と伝説の区別はつけられません。
先に定義したように逸話を「世に知られていない本当のいい話、興味深い話」とするなら、今を生きる有名人が亡くなった後に、知人友人からもれ伝わる生前のこころ温まるようないい話でしかないように思えます。
それでもそんな話はSNSで瞬時に拡散してしまうので、逸話の条件から外れてしまうのでしょうか。
やはり逸話は「有名な話」でいいんじゃないでしょうか。
■最後に
2022年のNHK大河「鎌倉殿の13人」が評判です。
鎌倉時代の史料は鎌倉幕府が編纂した「吾妻鏡」くらいしかないため、脚本家の三谷氏も腕の奮いようがあるというものです。
中でも木曽義仲没後、和田義盛に嫁いだと言われる巴御前に関する史料はなく、和田一族滅亡後の半生は謎に包まれたままです。
巴御前のお墓は全国各地にあるので、女武将だったかはともかく、実在したのは間違いないでしょう。
大河ではどこともなく去ってしまいますが、いずれどこかの蔵で見つかる古文書から巴御前のその後の「逸話」が世に出ることを期待するばかりです。
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