はじめに
現在16ある祝日の最初は言わずと知れた元日ですが、意外としきたりの意味や由来を知らない人が多くなっているのではないでしょうか。
今回はそんな元日やお正月についてご紹介します。
目 次
元日とは
1月1日にある国民の祝日のひとつで、1948(昭和23)年に制定された祝日法によると、「年のはじめを祝う。」ことを趣旨としてます。
元日の意味や由来
元日は明治から昭和前期まで四方節と呼ばれる祝祭日の4大節のひとつでした。
四方節とは四方拝からつけられたもので、その名の通り四方を拝する行事のことです。
現在も元日の早朝には、今上天皇により伊勢神宮、天神地祇(日本神話における天津神、国津神)、四方の諸神、先帝の各陵、一宮と呼ばれる神社のいくつかの方向へ拝し、その年の国家・国民の安康、豊作などをお祈りされます。
これは平安時代・嵯峨天皇の時代から始まったもので、貴族や庶民の間でも行われ豊作と無病息災を祈っていましたが、次第に宮中行事として残るのみとなりました。
現在は「初日の出を拝む」という習慣にその名残があります。
元日2023年はいつ
2023年1月1日(日曜日)が元日になります。
元日と元旦
元日の「元」ははじめという意味で、一年の最初の日を表します。
ちなみに元日と似た意味でつかわれる元旦は、「元」がはじめ、「旦」が始まりを意味するので、元日の朝のことを指します。
「旦」の字は地平線から太陽が昇る様子を表しているのでわかりやすいですね。
現在は元日も元旦も1月1日を意味する言葉として使われますが、元旦の朝という言い方は朝が重複するので控えた方がいいようです。
年神様とお正月
元日は年の始めですが、それではお正月はどんな意味があるのでしょうか。
実はお正月のさまざまな風習は、年神様を迎えることによりつくられました。
年神様とは「正月様」「歳徳人」とも呼ばれ、祖先の霊が山の神となり、元旦に新年の幸せをもたらすため高い山から降りて、家々にやってくると考えられています。
門松は年神様が降りてくる目印です。
しめ飾りは家の中が清められた場所であることを示しています。
鏡餅は家にお迎えした年神様の依り代(居場所)として飾られます。
そして、おせち料理は年神様へのお供え料理なのです。
そのため、黒豆はまめに働けるように、昆布巻きは喜ぶ、数の子は子孫繁栄など、さまざまな祈りが込められています。
小正月(15日)には神社や寺の境内で、門松やしめ飾りを燃やす「どんど焼き」「左義長」が行われますが、この煙に乗り年神様は天上に帰るとされます。
今は形ばかりが受け継がれてますが、こうやって意味を考えながら準備をすると豊かな気持ちで新年を迎えられそうです。
お正月はいつからいつまで?
お正月とは本来1月の別名なので、1月1日から31日までを指します。
ただ、現代では三が日、または松の内のことをお正月といい、地域によってその期間も変わります。
「三が日」・・・1月1日から3日までの正月休み・国民の祝日と同じ法定外休日となります。
「松の内」・・・松飾り(門松)を飾っておく期間で、元々は1日から15日(小正月)まで。
ただし関東では7日までが一般的のようです。
というのも、もともとお供えした鏡餅をいただく鏡開きは20日でしたが、徳川家康が亡くなった20日という日(4月20日没)を忌み嫌った徳川幕府が11日に鏡開きを変更したため、それに伴い松の日は鏡開きより前の7日までとなっていきました。
お正月の行事・イベント
初日の出
初日の出を高いところから見てみたい、いつもと違うところから見てみたい、という方にいくつかご紹介します。
状況によって、運営時間や料金が変更されることがありますので、事前に各施設へご確認ください。
東京タワー
時間・・・6:00~
料金・・・高校生以上900円、小・中学生500円、幼児400円
大展望台は高さ150mあり、人数制限などもありません。
テレコムセンター展望台
時間・・・5:00(予定)~8:00(閉館) 入場制限あり
料金・・・高校生以上800円、小・中学生500円、未就園児無料
21Fの展望台の高さは99m、房総半島の水面よりあがるご来光が見られるかも
レインボーブリッジ
時間・・・31日10:00~1日18:00
料金・・・無料
レインボーブリッジ遊歩道の終夜開場が行われます。
初日の出は南側遊歩道のお台場海浜公園付近から見ることができるそうです。
横浜ランドマークタワー
時間・・・6:00~8:00.(最終入場7:30)
料金・・・大人1000円. 65歳以上・高校生800円. 小・中学生500円
ランドマークタワー69階展望フロア「スカイガーデン」の地上273mという日本屈指の高さから初日の出を拝みます。
高尾山
料金・・・ケーブルカー往復930円
大晦日から元旦にかけ、高尾山ケーブルカーは終夜運転を行います。
その他にも、初日の出スポットはいろいろあります。
ぜひ次の一年、気持ちのいい朝からはじめてみませんか。
続いて都内でお正月を過ごす方に、正月らしさ満載のイベントをご紹介します。
六本木ヒルズのお正月
1月1日~3日に毎年恒例のお正月イベントが行われます。
和太鼓演奏、獅子舞をはじめ和のワークショップ、昔遊びなど盛り沢山です。
1日には先着で振舞酒もいただけます。
新春はねだ江戸まつり
羽田空港国際線ターミナルでは1月1日~3日の3日間江戸祭りが開催されます。
大名行列や江戸モチーフのステージパフォーマンス、ワークショップなどが行われます。
海外に行く方も見学だけの方も楽しめます。
http://www.hanedaedomatsuri.jp/
上野動物園
1月2日、3日はお正月特別イベントが行われます。
上野囃子保存会による獅子舞の園内練り歩きもあり、園長も和装姿で出迎えます。
http://www.tokyo-zoo.net/zoo/ueno/
江戸東京たてもの園
昔ながらのお正月が楽しめるのはここですね。
1月2日、3日は正月特別開園のため入園無料になります。
東京国立博物館
毎年お正月恒例「博物館に初もうで」を開催しています。
1月2日、3日に和太鼓や獅子舞、落語などの伝統芸能が楽しめます。
展示物も干支や吉祥モチーフに関するものが多数展示されます。
家庭でお正月気分をなかなか味わえない方は、こういう機会を利用するのもいいですね。
まとめ
現代では、初詣の後に初売りや福袋を楽しみにする人が多いと思います。
そんな光景もお正月だなぁと思いますが、ぜひ来年は年神様を意識して準備をしてみてはいかがですか。
今までとは違った、きっと心豊かな新年が迎えられそうです。
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