七夕といえば短冊に願い事を書くという行為ばかりがフューチャーされていて、この節句の意味や由来についてはあまりご存知でないという方も多いのではないでしょうか?
節句の1つになっている以上、恋物語だけがその由来ではないのです。
そこで今回は、七夕について改めて調べてみました。
目 次
七夕の由来
実は七夕の由来は3つほどあるそうです。
まず1つは、織姫と彦星の伝説。
これは説明不要なほど超がつくメジャーはお伽噺ですね。
もう1つは「棚機女(たなばたつめ)」という行事が由来という説です。
先祖の霊を祭る前の禊の行事だと言われているそうです。
それから最後に、乞巧奠(きこうでん)説。
古代中国の宮中行事で、7月7日にあやかり、はた織りや裁縫の上達を祈願する風習が由来という説です。
また、農村地域でも豊作を祈り種を撒く「種幡祭り(たなばたまつり)」という行事も存在しているそうで、先述の宮中行事が民間に広まった際にこれと混同されたとも考えられています。
2023年の七夕はいつ
毎年7月7日は七夕(しちせき)の節句です。
一般的に七夕とは7月7日に行われますが、地域によっては旧暦の7月7日に行います。
2023年の旧暦7月7日は、2023年8月22日になります。
→七夕を8月旧暦で行う地域や理由は?なぜ北海道は竹でなく柳を使うの
なぜ笹に短冊を飾るのか
さて、七夕には笹に短冊がつきものですが、そもそも何故短冊を飾るのでしょうか。
先ほど述べた宮中行事では、短冊に文字を書いて学問や書道の上達を願ったらしいのですがその名残なんだそうです。
昔は中国における五行から赤青黄白黒が用いられていたようですが、赤、青、黄、白、紫、浅黄が一般的に使われているそうです。
私は短冊に色の指定(?)があることすら知りませんでした。
他にも笹に飾られている巾着や折鶴や網などにもそれぞれ貯金や家族の長生き、豊漁などの意味があるので、興味をもたれた方は調べてみると楽しいかもしれません。
なぜ笹に飾るのかということについてですが、その理由は定かではないそうです。
ただ、笹は邪気を祓うとされていたことや、田んぼでは害虫除けとしても使われていたそうで、こうした背景によるものなのかも知れません。
特に後者は「種幡祭り」にも通じるものを感じますね。
七夕に食べる食べ物とは
七夕に食べる物があることはみなさんご存知でしょうか?
それはそうめんのことなのです。
そうめんは一般的に夏によく食べられますが(私は年中食べます)、これは七夕の時期に食べる行事食なんだそうです。
元々は平安時代ごろまで遡り、七夕で「むぎなわ」というお菓子を食べていたそうです。
これは中国から伝わった菓子で、中国では策餅(さくべい)といい、米粉と小麦粉を練った縄の形をしたお菓子です。
古代中国で帝の子が7月7日に亡くなった後に、熱病が流行しました。
そこで帝の子の好物だった策餅をお供えして祟りを鎮めたそうです。
この故事が元になり、日本でも七夕にむぎなわを食べる習慣がありました。
策餅は策麺(さくめん)ともよばれ、時代の流れの中で変化し、そうめんを食べるようになったそうです。
以上、七夕の由来についてまとめてみました。
織姫と彦星の伝説が先行し過ぎて、いまいち由来や意味が忘れられがちな七夕ですが、来年はそうめんやむぎなわを食べて過ごすといいかも知れませんね。
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