■はじめに
スズランは鈴の形をした可愛らしい花で、漢字では「鈴蘭」と書き、葉の陰で隠れるように咲くので「君影草」とも呼ばれます。
また、スズランはバラ、ジャスミンと並んで、三大フローラルノートと呼ばれていて、透明感のあるさわやかな香りですね。
クリスチャン・ディオールがスズランを愛したことは有名で、その香りを再現した「ディオリッシモ」と命名された香水が、ディオールの生涯最後のプロデュースです。
目 次
■スズランの日とは
スズランの日はフランス独自の風習で、5月1日に愛する人や家族、親しい友人にスズランを贈ります。
そして、それをもらった人は幸せになると言われています。
スズランはフランス語で「ミュゲ」ですから、「ミュゲの日」とも呼ばれます。
残念ながら、日本ではあまり浸透しているとは言えません。
花屋さんたちがこんな好機を見逃すはずはないんですけど、やはり直後にカーネーションの大イベント、母の日が控えているせいですかね。
■スズランの日の意味
スズランの花言葉は「幸運の再来」「純潔」「純粋」です。
愛する人、敬愛する友人がいつまでも幸せであるように、という願いをスズランに込めて贈るのがスズランの日なんです。
花嫁のブーケに使われるのも、さもありなんといったところでしょうか。
■スズランの日の由来
1561年5月1日、幸福の花とされるスズランをプレゼントされた国王シャルル9世は大感激!
以後、毎年のこの日、宮廷の女性たちに幸せのおすそ分けとして、スズランを贈ることにしたのが始まりと言われています。
■スズランの日のイベント
この日だけは販売許可のない人でも花売りになれるそうで、5月1日のフランスはスズランの花売りでにぎわい、スズラン一色の街になってしまいます。
しかし、5月1日にちょうど開花するように栽培する生産者も大変ですよね。
日本でも5月中旬から6月にかけて、各地ですずらん祭りが開催されていますが、本家フランスのスズランの日とは趣旨が違うようです。
■スズランの日の雑学
▽ニホンスズランとドイツスズラン
北海道を代表する花として知られるスズランは野生で、観賞用に栽培されるものは欧州原産のドイツスズランです。
ドイツスズランのほうが少し大きめの花ですね。
スズランはフィンランドの国花でもあるんです。
▽スズランの毒
スズランは可憐な花なのに毒があるんです。
行者ニンニクに似ていて、誤って食べて中毒を起こしたり、ペットが活けた水を飲んで死ぬなど、多くの事故も起きています。
食卓に飾るのは厳禁ですよ。
▽エイプリルフール
スズランの日の大功労者シャルル9世ですが、実は良からぬ噂もあるんです。
1564年、シャルル9世が暦を変更したんですが、4月1日を「嘘の新年」だと反発して騒ぎ立てた国民の多くを処刑してしまいました。
これがエイプリルフールの始まりだという説がありますが、確証が得られないので、今のところ仮説止まりなんです。
▽スズランの伝説
森の守護神セント・レオナードが大蛇と闘い、どうにか打ち倒したものの重傷を負って、草の上に倒れてしまいます。
その時、血だらけのレオナードを包み込むように、一斉に白いスズランが咲き始めて、傷を治し、精神を癒しました。
森の精霊が大蛇退治のお礼をしたんですね。
この伝説から、スズランは「癒し」「幸福」を意味するようになったとのことです。
また「聖母の涙」という別名もあって、これはキリストが磔にされた時、聖母マリアの流した涙がスズランの花になったというものです。
■まとめ
スズランは幸せを象徴する花です。
「相手の幸せを願う気持ちをスズランに託す」
いつか日本にスズランの日が根付いたとしても、この気持ちだけは忘れないでいてほしいと思います。
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