「5月1日/語彙の日」
■はじめに
「語彙」というよりも「ボキャブラリー」のほうがわかりやすいですね。
「彙」とは集まりのことです。
三省堂大辞林には「ある一つの言語体系で用いられる単語の総体」とあります。
ふだんは「語彙が豊富だなあ」「語彙が貧弱」というように、使う言葉、単語の量や表現力を形容する場合に使っています。
簡単に言ってしまえば、その人が知ってて使える単語の量のことです。
目 次
■語彙の日とは
旺文社が2007年に制定しました。
これは旺文社の生涯学習検定センターが実施する実用日本語語彙力検定のPRのために5月1日に制定されたものですね。
■語彙の日の意味
実は大人もそうなんですが、今、子どもの語彙力の低下が懸念されています。
いや、懸念という段階は過ぎて、早急な対策に迫られているんです。
語彙力の低下は確実に読解力の低下につながり、やがて日常における理解力、ひいては判断力にも影響をもたらします。
全国2万5千人の中高生を対象にした基礎的読解力調査で、主語の判別ができない、「てにをは」の助詞を理解していない―など、読解力低下の著しいことが判明しました。
その要因が「語彙量の不足」にあることは確実です。
そりゃあ、あれだけゲームに明け暮れていれば当たり前だ、そんな声も聞こえそうですね。
また、2016年に発表された学習到達度調査の結果から、15歳の読解力低下が指摘されるに及んで、危機感を切実なものと捉えた国立教育政策研究所が「読解力向上を支える語彙力強化」を目標に掲げました。
語彙の日は旺文社が旗振り役ですが、子どもの語彙力強化が日本の喫緊の課題であるなら、語彙の日制定は大きな意味を持つことになります。
■語彙の日の由来
言葉によって意思の疎通を図ることで、人類だけが目覚ましい進化を遂げてきました。
そして、より明確な、より繊細な疎通は、豊富な語彙の使い分けによって可能になります。
そう考えてみれば、今の子どもたちの語彙力低下は、将来の人間関係や社会の運営に大きな不安をはらむことでもあるんです。
教育出版の旺文社が国に先駆けてこの問題に取り組み、語彙力検定を開発したのも、教育現場の実態を目の当たりにしたからです。
「語彙」の重要性、それが語彙の日の由来であると言えないでしょうか。
■語彙の日のイベント
イベントというとお祭り騒ぎをつい思い浮かべてしまいますが、この場合のイベントはやはり「語彙力検定」というテストになりますね。
また、朝日新聞もベネッセと共催で、同様の検定を実施しています。
■語彙の日の雑学
▽語彙の格差
子どもたちに語彙力の格差が生まれる原因は、母親との会話にあると言います。
就学前の子どもが語彙力を高めるには、子どもの問いかけには素早く、明瞭な発音で応答することが大切です。
また、子どもに多く話させるようにして、お母さんは聞き役に回ることも重要です。
また、収入格差がそのまま語彙力格差に直結するという研究結果がアメリカで発表されています。
経済的に余裕がなくて働く時間が長いために、家で子どもと話す時間が多く取れないことが原因とされています。
▽世代で違う言葉
だんだん使われなくなったり、新しく生まれたり、言葉は時代によって変化しています。
また、同じ意味なのに、世代によって表現も違いますね。
たとえば、親の世代が使う「こきおろす」を、高校生は「ディスる」と言うようです。
「イミフ」「りょ」「きょどる」「ぽちる」「セルカ」なんて聞かされても、親はチンプンカンプン…おっと、これは最近あまり使われないみたいで。
■まとめ
時代に即した新しい言葉をすべて否定はしませんが、正しい日本語とどう折り合いをつけていくのでしょう。
なんでもかんでも「語彙」のうちとするのはどうなんでしょうか。
語彙の日が言葉の在り方を考えるきっかけになるといいですね。
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