「1月29日 昭和基地開設記念日」
■はじめに
先日、BS放送で「南極基地のお引っ越し」というドキュメンタリー番組を観ました。
また、皇帝ペンギンの映画も記憶に新しく、最近は南極の映像がより身近になっていますね。
目 次
■昭和基地開設記念日とは
1957(昭和32)年1月29日、日本の南極観測隊が南極のオングル島に上陸し、昭和基地を開設しましたが、実際に基地建設は2月1日からで、観測開始にはもうしばらく時間がかかっています。
「昭和基地開設記念日」は南極上陸の日なんですね。
■昭和基地開設記念日の意味と由来
1957、1958年は国際地球観測年(IGY)で、日本をはじめ12か国が本格的に南極の調査、観測を開始しましたが、日本は戦後処理もあって準備不足で、南極観測船「宗谷」も海上保安庁の巡視船を改造したものであり、砕氷能力は疑問視されていました。
その「宗谷」が老朽化して退役したことにより、1962(昭和37)年、昭和基地は閉鎖され、観測は中止となりましたが、新たな砕氷船「ふじ」の就役で1966年に基地は再開されて今日に至っています。
現在、昭和基地の他に、氷床を3000m掘削して氷床コアの採取作業を夏季だけ行う「ドームふじ基地」、無人で気象観測だけの「あすか基地」、雪に埋まったままの「みずほ基地」があります。
昭和基地から日本までは直線距離で1万4千km、南極大陸氷縁から4kmの東オングル島に位置しており、大陸とは夏以外は氷でつながっています。
この東オングル島がどのへんにあるかと言うと、真っ直ぐ地図を上にたどって行けば、アフリカの南端に突き当たる位置でしょうか。
日本との時差は6時間、昭和基地のほうが遅れます。
■昭和基地開設記念日のイベント
2017年は昭和基地開設60周年に当たり、東京・立川の国立極地研究所で「南極まつり」が開催されました。
「まつり」と言っても、内容はちょっとアカデミックで「南極の氷の不思議」「オーロラ発生装置でオーロラのしくみを学ぼう!」「南極探検の歴史」といった展示・体験ブースや、「地球温暖化で南極の氷は融けるのか」「バイオロギングで探る海の動物の暮らし」というテーマの講演でしたが、その中にひとつ、わけがわからない「朝日新聞✕映画ドラえもん」がありました。
また、国立極地研究所のHPで、昭和基地のライブ映像(毎分更新)を常時見ることができます。
時差があるので、6時間前の時刻が表示されています、念のため。
夜でも真っ暗にはならないんですよね。
■昭和基地開設記念日の雑学
▽「愛と希望と勇気の日」
「南極物語」で有名なタロとジロの話を知らない人はいませんよね。
タロとジロに再会した1959(昭和34)年のこの日を記念して、1月14日を「愛と希望と勇気の日」と制定されました。
ジロは翌年7月9日、昭和基地で病死、5歳でした。
タロは帰国後、北海道大学で余生を過ごし、1970(昭和45)年8月11日、老衰のため14歳でジロのもとへ旅立ちました。
現在、南極の環境保護のため、動植物の持ち込みは禁止されています。
▽南極OB会
「南極OB会」なる面白いHPを見つけました。
このOB会は毎月、全国各地で南極に関する講演会やイベントを開催していますが、会のHPも盛りだくさんのメニューで、その中の一番のオススメは外国の基地のライブカメラ映像です。
ただし説明は日本語ではありません。
▽国際地球観測年
国際地球観測年での研究は、オーロラ、大気光、宇宙線、地磁気、氷河、重力、電離層、経度・緯度、気象、海洋、地震、太陽活動の12項目で、ソ連とアメリカがこのために人工衛星を打ち上げ、バン・アレン帯の発見、中央海嶺、プレート・テクトニクス説の確認作業などの成果を挙げています。
厳しい環境下の南極での研究は各国の協力が必須で、これがきっかけになって領有権の主張はしないという南極条約が成立しました。
■まとめ
まだ南極の研究はその緒に就いたばかりと言っていいでしょう。
もしも南極で貴重な資源が発見された場合、南極条約という一種の紳士協定はどうなるのでしょうか。
あまりに悲観的な見方とは思いますが、歴史を振り返れば、あながち杞憂とも言えませんから、ただ広く白いだけの大陸であってほしいとも思います。
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