■はじめに
まだ寒さが厳しい1月から、2月に入るといよいよ暦は春を迎えるシーズンになります。
お住まいのエリアによっては、この季節の変わり目にいろいろな花が咲き始めますよね。
そんな2月の始まりは私達、日本人にとって親しみのあるつばきの日です。
目 次
■つばきの日とは
つばきの日は毎年2月8日にあります。
長崎県五島市によって制定されました。
いつ制定されたのかは定かではありませんが、五島市は福江市や玉之浦町等の6つの市町合併によって2004年(平成16年)8月1日に発足しましたので10~15年前に制定された記念日と考えられます。
■意味
五島はヤブツバキが自生していることが有名で「東の大島、西の五島」と呼ばれています。
つばきの日は、五島の人たちと古来から深く関わり、日本の文化にも大いに関わってきた椿を大事に守り育てていくという意味合いがあります。
五島は昭和30年頃まで日本一の生産量を誇り、全国の椿油生産量のうち3分の1を占めていました。
今でも五島市で毎年椿まつりが行われたり、お土産品には椿油を使った石鹸、クリーム、五島うどん等が人気です。
■由来
2月8日は、「2(つ)8(ばき)」と読むことが出来ます。
この語呂合わせから、つばきの日は2月8日に制定されました。
■イベント
五島市では椿の見ごろを迎える時期に毎年【五島椿まつり】が行われています。
25回目となる2019年も2月16日(土)~3月3日(日)の期間に開催されます。
恒例の椿に関するツアーや展示、体験型の様々なイベントが市内各地で行われるのだそうですよ。
■つばきの雑学
つばきの日にちなんだ雑学をご紹介します。
□ヤブツバキについて
日本原産の花木「ヤブツバキ」は南西諸島から九州、四国、本州の青森県の海岸沿いまで分布していて、国外では朝鮮半島南部と台湾でも見られます。
一年を通じて葉がついている常緑樹の為、緑の葉を年中見ることが出来、花は早咲きのものは冬のさ中から咲き春にかけて見ることが出来ます。
大木にもなると20m近くになりますが、だいたい5~6m程の高さに育ち、成長は遅く寿命は長いと言われています。
花の色は基本的に赤で5~8cm程の筒状の5弁花を咲かせます。
雄しべがたくさんあり、花弁のつけ根と雄しべが合着している為、花びら1枚ずつ散るわけではなく1花ごとに落花します。
花の後に出来る実は、さく果(熟すと下部が裂けて種子が散布される果実)であり、この種子からは椿油を採取することが出来ます。
花の咲き方等に変異が多く、園芸品種の基本種となっています。
園芸品種の「椿」に至っては、花の大きさは4cm以下の小さいものから13cm以上になるものもあり、赤や白の濃淡様々な色合いで一重咲きから八重咲きまで多岐にわたります。
□五島の椿
五島は対馬暖流によって通年温暖な気候に恵まれ、全域にヤブツバキ等の照葉樹林が広がっています。
主に下五島地域で椿実の採取に利用されてきましたが、特に久賀島では以前からむやみに伐採することへの禁止条例が制定され、五島市となった今でも引き継がれています。
こうして椿を守ることから久賀島の景観を守り、2011年(平成23年)には国の重要文化的景観に選定されています。
また、福江島でも椿実の採種や薪炭材として利用されている他、防風林としても利用されてきました。
それらが大木となり、島の南東部の大窄地区にある「福江島の大ツバキ」(2本)が現在は県指定天然記念物として保護されています。
同じく福江島の玉之浦町では1947年(昭和22年)に幻の椿「玉之浦」の発見がありました。
父ヶ岳の中腹に自生していた玉之浦はヤブツバキの突然変異種で、濃紅地に白覆輪の美しいコントラストが特徴です。
1973年(昭和48年)に長崎市で開かれた全国椿展を通じて人気を博しましたが、その反動からたくさんの人に枝や根を採取される事態となり、ついに母木は枯れてしまいました。
今では名前に“玉”や“タマ”と付いた子孫の椿が世界中で咲き人々を楽しませています。
その他にも、五島椿森林公園が2010年(平成22年)に国際ツバキ協会から、国際優秀椿園に認定される等の評価を得ています。
■まとめ
つばきの日についてご紹介させて頂きました。
古来から知られる椿は万葉集でも詠まれ、今でも茶花等の園芸品として人々に親しまれています。
毎年2月8日つばきの日には、見ごろを迎える椿をぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
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