皆さんは閏月についてご存知ですか?
名前からもイメージできると思いますが、閏月は4年に一度訪れると考えられている閏年と大きな関係があります。
今でこそ馴染みのある閏年と閏月ですが、実際にどのようなものなのか、意味や計算方法、決め方についてご紹介していきたいと思います。
目 次
閏月とは
まず最初は閏月についてご紹介したいと思います。
閏月と閏年とは大きく関係しているとご紹介しましたが、これは直接的な関係があるというわけではありません。
というのも、閏年と閏月は名前が似ていることからも大きな関係があるとイメージする方も多いですが、閏年の1日増える2月が閏月という意味ではありません。
閏月は「うるうづき」または「じゅんげつ」、閏年は「うるうどし」または「じゅんねん」と呼ばれるのですが、名前が似ていることから同じ認識を持っている方が多いです。
意味自体は一緒ではあるのですが、多くの方が知っている閏年は太陽暦のグレゴリオ暦・閏月は太陽陰暦が大きく関係しています。
この段階で大きく違いが生じるのですが、日本では現在太陽暦を採用されているものの、明治前は太陰太陽暦を採用していました。
この太陰太陽暦でもやはり今の太陽暦同様に太陽の自転速度の調整が必要でした。
太陰太陽暦は月の満ち欠けで1年のサイクルが決められていたのですが、19年に7回13ヶ月存在させることによって調整していました。
そのため、この13ヶ月という1ヶ月多い月・日にちが閏月とされていました。
今では不思議な感じがするかと思いますが、昔はこのような閏月13ヶ月を設けることによって今のような日々を過ごしていたのです。
閏月の意味とは?
次は閏月の意味についてご紹介したいと思います。
閏月は先程もご紹介したように、閏年のように太陽の自転速度を調整する月でもあります。
今でこそ太陽暦で4年に一度2月29日の閏日を設けて調整していますが、昔では先程もご紹介したように19年に7回13ヶ月を設けるというややわかりにくい状態でした。
法律や政治などの関係もあり、日本は明治6年以降から太陽暦を採用しているのですが、それ以前は閏年と同じような意味合いで調整の意味で閏月の13ヶ月が設定されていました。
閏月の計算方法は?
次は閏月の計算方法についてご紹介したいと思います。
閏年は多くの方がご存知のように1年が366日である日ですよね。
閏年ではない日は平年と呼ばれるのですが、平年は1年が365日です。
この365日と平年は定められているのですが、正確に言えば約365.2422日が平年です。
この0.2422日分を調整して1日とするのが閏年です。
一方、太陰太陽暦は天保暦とも呼ばれるのですが、途中でもご紹介しましたが、月の満ち欠けによって1年のサイクルが決められ、1ヶ月は月が欠けた状態が満ち・また欠ける状態を1ヶ月としていました。
このような1ヶ月のサイクルを12回繰り返して1年としていたのですが、この太陰太陽暦のサイクルで過ごすと1年が約354.3671日になります。
この数字からもわかるように平年と比べてもすでに11日のズレが有るため、約3年に1度、19年に7回このような13ヶ月閏月を設けて調整を行っていました。
閏月と江戸時代について
次は閏月と江戸時代についてご紹介したいと思います。
江戸時代の頃について興味を持ち、書物について見ると大の月、小の月が登場してきます。
この大の月・小の月についても閏月がやや関係しています。
途中でもご紹介したように、日本では現在のグレゴリオ暦は明治6年以降から採用されているため、当然江戸時代の頃はそれ以前まで使われていた太陰太陽暦です。
この太陰太陽暦では月の満ち欠けで1ヶ月を決めているとご紹介しましたが、29日の月と30日の月を作って調節していました。
29日は小の月、30日は大の月と呼んでいました。
この大の月と小の月でも季節や暦のズレが生じるのですが、このズレが生じた分を13ヶ月の閏月として設定していました。
このことからもわかるように、小の月と大の月を繰り返して1年のサイクルを過ごしていたのですが、季節やズレを調整するために閏月を使っていたというイメージを持つと分かりやすいかと思います。
旧暦の閏月の決め方はどのようにしていた?
次は旧暦の閏月はどのような決め方をしていたのかご紹介したいと思います。
閏月についてはやや難しくなるのですが、単純に13月を設けて1ヶ月を過ごしていたのではありません。
12月の次の月でもある13月が存在してしまうと季節のズレが大きく出てしまうため、閏月は各月に散りばめられました。
主に二十四節気が旧暦の閏月の決め方で大きく関係しているのですが、二十四節気の節気と中気に分けて考えられていました。
24節気を簡単にご紹介すると順番に「立春」「雨水」「啓蟄」「春分」「清明」「穀雨」「立夏」「小満」「芒種」「夏至」「小暑」「大暑」「立秋」「処暑」「白露」「秋分」「寒露」「霜降」「立冬」「小雪」「大雪」「冬至」「小寒」「大寒」この様になっています。
先程もご紹介したように、節気と中気に分けるとご紹介しましたが、節気は「立春」「啓蟄」「清明」「立夏」「芒種」「小暑」「立秋」「白露」「寒露」「立冬」「大雪」「小寒」です。
中気は「雨水」「春分」「穀雨」「小満」「夏至」「大暑」「処暑」「秋分」「霜降」「小雪」「冬至」「大寒」というように分けられていました。
このような中気と節気を繰り返して1年としていたのですが、中気、または節気を含まない時を閏月としていました。
最もわかりやすく言えば、24節気を組み合わせて「立春」と「雨水」は1月、「啓蟄」と「春分」は2月、「清明」と「穀雨」は3月というように決められていたのですが、閏月は来たときはその前月の月に「閏」をつけて呼んでいました。
例えば3月の次に閏月を設ける場合は「閏3月」というような感じになります。
閏月の過去一覧
次は売る閏月の過去の一覧を簡単にご紹介したいと思います。
特に奈良時代を調べることが多いので、ピックアップしてご紹介します。
651年9月、654年5月、657年1月、659年10月、662年7月、665年3月、667年11月、
670年9月、673年6月、676年2月、678年10月、681年7月、684年4月、686年12月、
689年8月、692年5月、695年2月、697年12月、700年7月、703年4月、706年1月、
708年8月、711年6月、714年2月、716年11月、719年7月、722年4月、725年1月、
727年9月、730年6月、733年3月、735年11月、738年7月、741年3月、744年1月、
746年9月、749年5月、752年3月、754年10月、757年8月、760年4月、762年12月、
765年10月、768年6月、771年3月、773年11月、776年8月、779年5月、782年1月、
784年9月、787年5月、790年3月、792年11月、795年7月、798年5月、801年1月、
803年10月、806年6月、809年2月、811年12月、814年7月、817年4月、820年1月、
822年9月、825年7月、828年3月、830年12月、833年7月、836年5月、839年1月
このようになっています。ぜひご参考いただけたらと思います。
次の閏月と今後はいつ
次は今後の閏月についてご紹介したいと思います。
最近では閏月は2017年にあり閏5月が旧暦だと存在したのですが、次は2020年5月にあります。
置閏法を使用して考えられますので、興味がある方はぜひ調べていただけたらと思います。
置閏法は難しい言葉が多く登場してきますので、カレンダーなどを見つけると早いです。
「まとめ」閏月は旧暦の特別な月!
今回は閏月についてご紹介しましたがいかがだったでしょうか。
今でこそ太陽暦を使っているので、閏月は存在しないのですが、旧暦ではこの閏月が馴染みのあるものでした。
今の閏年と比べて少しややこしい仕組みにはなっているのですが、歴史書などを読むせいに登場してくることもありますので、ぜひご参考いただけたらと思います。