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血液銀行開業記念日とはいつ?意味や由来や、輸血治療の歴史とは

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「2月26日  血液銀行開業記念日」

■はじめに

ウェブ漫画「宇崎ちゃんは遊びたい!」とコラボした日本赤十字の献血ポスターがひと騒動起こしています。

主人公の「花」ちゃんの胸のイラストがあまりにもボインで、「過度に性的」と一部で非難されましたが、献血ポスターが話題になることで、効果があったとも言えそうです。

 

血液銀行開業記念日とは

1951(昭和26)年2月26日、日本初の血液銀行「株式会社日本ブラッドバンク」が大阪で開業したのを記念して、この日は「血液銀行開業記念日」とされています。

 

また、翌年には日本赤十字社も血液銀行を設立しましたが、売血による不健康な血液、いわゆる「黄色い血」が社会問題になったことで、1964(昭和39)年に「保存血」は日本赤十字社と地方自治体だけが取り扱うことになり、日本ブラッドバンクは血液銀行部門を廃止しています。

 

このため、同社は医薬品に専念し、社名を「株式会社ミドリ十字」と改めましたが、1986(昭和61)年、薬害エイズ事件(ミドリ十字ルート)が発覚し、裁判で有罪となったことから、「吉富製薬」と合併して「ミドリ十字」の名前は消滅しています。

 

■血液銀行開業記念日の意味と由来

1667年、フランス人医師のジャン=バティスト・デニ(1643~1704)が、人間に対して初の輸血治療を行いましたが、血液は羊のものだったので、当然、患者は死亡し、このためフランス、イギリス、ローマ法王庁などから輸血禁止令が出されました。

人間の血液を使用した輸血が始まったのは1818年、イギリスの産科医ジェームズ・ブランデル(1791~1878)によって10人の患者に輸血され、5人が生き延びましたが、血液型の知識がない時代なので、5割の成功は運が良かったと言えるかもしれません。

 

1900年、ユダヤ人の病理学者カール・ラントシュタイナー(1868~1943)がABO式の血液型を発見したことで、輸血による死亡事故が激減したため、ラントシュタイナーは1930年にノーベル賞を受賞し、1940年にはRhの血液型も発見しています。

1937年、シカゴのCookCounty病院内に世界初の血液銀行が設立され、第2次世界大戦中、輸血によって多くの兵士を救うことができました。

 

日本に近代的な輸血法が伝えられたのは1919(大正8)年で、1930(昭和5)年に浜口雄幸首相が東京駅で銃撃された際、東大の教授が駅長室で輸血によって救命したことから、輸血が広く知られることになりました。

しかし、9か月後、浜口首相はこの負傷が原因の感染症で亡くなっています。

 

■血液銀行開業記念日のイベント

一年中、全国各地で献血キャンペーンが実施されていますが、「血液銀行開業記念日」とは関係ないようです。

ちなみに、キャンペーン中はいつもよりちょっといい記念品がもらえることもあるそうで、また、献血回数や年齢によってガラスの器や盃が進呈されます。

かつてはお礼として図書券を提供するところもありましたが、換金が可能なことで売血につながるとして禁止されました。

 

血液銀行開業記念日の雑学

▽「黄色い血」とライシャワー事件

現在、日本では血液を売る「売血」が禁止されていますが、かつては低所得の肉体労働者が生活費目当てに、赤血球が回復しないまま頻繁に売血を繰り返したことと、当時は法規制のなかった覚せい剤を使用する労働者が多かったことで、血液が黄色くなる「黄色い血」が問題になりました。

また、覚せい剤を射つ注射針によって肝炎ウイルスに感染した血液も多く見られるようになりました。

 

そうした中の1964(昭和39)年にライシャワー駐日米国大使(1910~1990)が暴漢に刺される事件が発生、一命を取り留めたものの、手術の際の輸血によって肝炎を発症たことで、売血制度が見直されて献血運動が広がることになりました。

 

▽「黄金の血液」

日本人には0.5%しかいないと言われるRHマイナス型の血液ですが、世界中で43人しか確認されていないとても稀少な血液型「Rh null型」が存在し、「黄金の血液」と呼ばれています。

この「黄金の血液」を持つ人は、同じ「黄金の血液」でなければ輸血を受けられないという不幸な血液型です。

現在、43人中、輸血に応じる意思表示をしているのは6人だけで、血液はイギリスで厳重に保管されてもいます。

なんと、この6人の中に日本人が1人いるそうです。

 

■最後に

輸血用血液は年金と同じように、若い世代の献血が高齢者を支えています。

しかし、少子高齢化の影響で若年層の献血者数は減少傾向にあって、将来の安定供給に大きな不安を抱えています。

小中学生のうちから、輸血の重要性、献血の意義をしっかりと理解してもらう施策が喫緊の課題となっています。

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