「1月27日 船穂スイートピー記念日」
■はじめに
世代のせいでしょうか、スイートピー(Sweet pea)と聞けばどうしても聖子ちゃんの「赤いスイートピー」が思い浮かびますが、スイートピーをタイトルにした歌は他に1946年の並木路子「可愛いスイートピー」しかないようです。
目 次
船穂スイートピー記念日とは
1月27日は「船穂スイートピー記念日」です。
スイートピーの記念日だとはすぐにわかりますが、「船穂」がなんだかわかる人は岡山県近辺に住む人だけではないでしょうか。
「船穂」(ふなお)は2005年に倉敷市に編入された船穂町の名残で、今は倉敷市船穂地区と呼ばれています。
船穂町のスイートピー出荷量は全国2位の年間1千万本ですが、知名度が今ひとつのため、全国に船穂のスイートピーをアピールしようと、JA岡山西船穂町花き部会が1月27日を「船穂スイートピー記念日」に制定しました。
しかし、野菜や肉と違い、スイートピーの生産地を気にする人はどのくらいいるのかは疑問です。
■船穂スイートピー記念日の意味と由来
日付はスイートピーが旬の1月、「ふなお」の「ふ→2」「な→7」で27日といった具合です。
ですが、全国の生産者、生花店、園芸店で構成された「日本スイートピーの会」が制定した1月21日の「スイートピーの日」があるため、残念ながら船穂のほうはローカル記念日にとどまっているようです。
スイートピーの花言葉は「旅立ち」「門出」「思い出」「別離」だそうで、可憐な花びらとは裏腹にほろ苦い趣ですが、和名が「ジャコウエンドウ」なので、漢字で書けば「麝香豌豆」「香豌豆」「麝香連理草」などになってしまい、ほろ苦いどころかなんだかおどろおどろしい字面です。
やっぱり、「スイートピー」とカタカナ1点表記がよろしいかと…。
■船穂スイートピー記念日のイベント
JA岡山西船穂町花き部会はこの記念日に合わせ、倉敷駅の特設会場で展示販売会を開催、ライフパーク倉敷では「フラワーアレンジメント講座」、生産場で「ものしり講座」、船穂幼稚園で「親子フラワーアレンジメント教室」などのイベントを企画、実施しています。
しかし、全国にアピールするのであれば、すでに承知の地元の人たち相手では効果がないと思うので、イベント展開にさらなる一考が求められるのではないでしょうか。
船穂スイートピー記念日の雑学
▽スイートピー生産の技術革新
かつてのスイートピーは花持ちが悪いため、生産地は大消費地に近い神奈川県・湘南、兵庫県・淡路島、それに船穂町に限られ、生産量もバラやカーネーションに遠く及びませんでした。
しかし、1980年代の生産技術の大革新によって、スイートピーの生産量は10年間で8倍増となり、最盛期の1996年には1億7300万本を生産するに至っています。
その後、花全体の需要が減少をたどり、スイートピーの生産は50%以上も低下することになりました。
これは全切り花の減少率22%を大きく上回っていました。
では、スイートピーの技術革新とは何だったのでしょうか。
スイートピーは光を好み、湿気は大敵なので、ガラス温室での栽培が必須であると考えられ、また茎は4m以上に伸びてしまうので、その都度茎を釣りのリールのように巻き下げる必要があって、農家の高齢化や人出不足では大量栽培が不可能でした。
一方、1970年に始まった減反政策によって多くの稲作農家がスイートピー栽培に参入、この動きにサヤエンドウやミカン、キュウリ農家が加わったことで、新たな視点からの栽培法が考案されることになります。
そのひとつが茎の成長方向を途中から横に誘導し、ネットと洗濯バサミで安定させることで省力化が可能になり、ビニールハウスでの栽培も実現させました。
また、1980年代半ばには、切り花を長持ちさせる品質保持剤が開発されたこともスイートピーの追い風になりました。
前述の通り、今もスイートピーの生産量は減少傾向に歯止めがかからず、その一方で価格は高止まりのままです。
スイートピーの特性はオリジナルの品種を作りやすいことなので、この特性を生かし独自の色や花びらを開発する努力が求められているようです。
■最後に
1月も中旬に差し掛かったためか、筆者の家に届く新聞のスーパーの折り込みチラシに「スイートピー1束税込み328円」と写真付きで掲載されていました。
まじまじとスイートピーの写真を眺めたのは初めてでしたが、この値段が高いのか安いのかは見当がつきません。
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