▪はじめに
黒酢とは、その名の通り黒い色をしたお酢のことです。
普通のお酢と違ってまろやかな味わいでにおいも強くなく、ドリンクや中華料理などによく使われています。
今回は、お酢の強い酸味が苦手な人にもおすすめしやすく、健康食品としても人気の高い黒酢に関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
黒酢の日とは
黒酢の日は、毎年9月6日にあります。
この記念日は、酢を使った調味料や納豆などを製造・販売している株式会社Mizkan(ミツカン)によって2006年(平成18年)に制定されたものです。
▪意味
黒酢の日には、黒酢を使った飲用向けの食酢などの魅力を多くの人に知ってもらうという目的があります。
▪由来
黒酢の日が9月6日にあるのは、「く(9)ろ(6)」(黒)という語呂合わせが由来となっています。
▪イベント
黒酢の日を制定したミツカンは、ミツカンの酢づくりの歴史や食文化の魅力などを見学・学習することができる体験型博物館「MIZKAN MUSEUM(ミツカンミュージアム)」にて、見学や学習体験を行っています。
館内は、ミツカンの変革と挑戦の歴史をたどる「時の蔵」、江戸時代の酢造りや現在の醸造の様子を学習できる「大地の蔵」、四季の中にある食といのちのつながりを表現した「水のシアター」、ミツカンゆかりの地である愛知県半田市の昔の情景を写真と音の演出で感じられる「風の回廊」、お寿司やお鍋をテーマにした体験を通じて食の魅力を楽しく学べる「光の庭」の5つのゾーンに分かれています。
見学コースは3つあり、全館全てのゾーンをガイド付きで見学できる全館コースと「大地の蔵」のみ自由に見学できる大地の蔵コース(現在は休止)、小学校などの社会見学用の社会見学コースで、いずれも事前予約が必要です。
ミツカンミュージアムHP https://www.mizkan.co.jp/mim/
黒酢の雑学
<黒酢と普通のお酢の違いとは?>
黒酢は、普通のお酢に比べてどのような違いがあるのでしょうか?
日本で一般的なお酢は米や小麦、トウモロコシなどの穀物をバランスよくブレンドした「穀物酢」です。
穀物酢は、薄黄色でクセが少なくてツンとした匂いとさっぱりとした味わいが特徴で、1か月~2か月ほど熟成させて作ります。
黒酢は、黒に近い褐色または琥珀色で、匂いがそれほど強くなく特有のまろやかな風味とコクのある深い味わいが特徴です。
黒酢は玄米や精米度の低い米、小麦などを原料としていて、1年~3年ほど熟成させます。
このように長い期間をかけてじっくりと熟成させることで、まろやかなコク深い味わいとなるのです。
また、黒酢は穀物酢よりも熟成期間が長いため、細かくたんぱく質が分解されるので、穀物酢よりも多くのアミノ酸が含まれています。
アミノ酸の含有量を比べてみると、穀物酢が100ml当たり約50~80mgに対し、黒酢は100ml当たり約600mgと圧倒的に多くなっています。
そのため、うまみ成分が増して美味しくなるだけでなく、免疫力アップや血流改善、疲労回復、美肌の維持などの効果があるとされています。
栄養価も高くまろやかな味わいの黒酢は、酢豚やあんかけ、手羽先の黒酢煮、冷やし中華などの料理の調味料としてだけでなく、水やお湯、牛乳などで10倍ほど薄めて飲むのもおすうすめです。
<日本の黒酢発祥の地とは>
日本でお酢が作られるようになったのは古墳時代ごろで、中国から酒を造る技術とともに伝わったとされています。
その後お酢は朝廷の管轄で作られ、皇族や貴族だけが口にできる高級調味料や薬として用いられてきました。
江戸時代に入ると、お酢は一般庶民にも広まっていき、食生活に欠かせない調味料としとして普及していきました。
このように日本では昔からお酢が作られてきましたが、黒酢がいつごろから作られるようになったのかははっきりしていません。
しかし、黒酢の生産が盛んな鹿児島県霧島市福山町には次のような話が伝わっています。
かつて港町として栄えていた福山町に、宮浦神社という大きな夫婦イチョウの木がある神社あります。
ある日、村人がそのイチョウの木の下に1人の旅人が倒れているのを見つけ、介抱しました。
旅人は中国から渡ってきた人で、助けてくれたお礼にと玄米酢の作り方を村人に教えました。
旅人は中国のアモイ出身だったので、この酢のことを「アマン」と呼ぶようになったそうです。
また、福山町の商人であった竹之下松兵衛が鹿児島県の日置地方を旅していた時、この地域で作られていた琥珀色の酢のことを知りました。
竹之下氏はこの酢の製造方法を教わり、江戸時代後期の1820年ごろから福山町で大規模な製造をはじめ、これが今でも続く黒酢の前身で、「福山酢」や酢を入れた壺を地面に埋めて熟成させることから「壺酢」と呼ばれていました。
いずれにしても、日本での黒酢の発祥の地は、鹿児島県霧島市福山町であるという説が有力となっています。
「黒酢」と呼ばれるようになったのは1975年(昭和50年)に鹿児島県霧島市福山町にある坂元醸造株式会社の会長・坂元昭夫氏が自社の壺酢を「黒酢」と命名して全国販売したことが始まりとされています。
▪まとめ
黒酢は昔から鹿児島県を中心に作られてきたお酢です。
普通のお酢よりじっくり熟成された黒酢は、食べやすくアミノ酸も豊富に含まれています。
みなさんも、残暑が厳しく夏の疲れも残る時期にある黒酢の日に、黒酢を使った料理やドリンクでパワーチャージしてみてはいかがでしょうか。
9月6日は何の日?誕生日の有名人や星座、花言葉・運勢・性格は
他にもおもしろい記念日がたくさんあります!