▪はじめに
箸は、中国・韓国・日本を中心に世界で約3割の人が使っていると言われています。
近年では、日本などのアジア圏の料理が世界中で食べられるようになり、欧米の人たちにも箸を使うのが上手な人が増えてきていますよね。
それでもやはり、日本の箸は毎日の食事に使う大切な道具です。
そこで今回は、箸に感謝するために作られた記念日や箸の雑学などについてご紹介します。
目 次
箸の日とは
箸の日は、毎年8月4日にあります。
箸の日は、箸などの製造・販売・卸業を行っている株式会社藤本商曾本店(愛知県名古屋市)が制定した記念日です。
▪意味
株式会社藤本商曾本店では、「毎日の食事のときに欠かせない箸への感謝を表すこと」を目的とし箸の日を制定しました。
藤本商曾本店では、愛知県豊橋市の龍拈寺(りゅうねんじ)に「箸塚」を寄贈し、毎8月4日には「箸供養」を行っています。
▪由来
箸の日の由来は、「8(は)4(し)」という語呂合わせです。
▪イベント
毎年箸の日には、各地の神社などで箸供養の神事などが行われています。
中でも有名なのが、東京の赤坂日枝神社で行われる「箸感謝祭」です。
赤坂日枝神社では、毎年8月4日に今まで使ってきた箸に感謝し、延命長寿・無病息災・除災招福・家門繁栄・商売繁盛などを祈ってお焚き上げをする「箸祀り・箸感謝祭」が行われています。
2018年には8月4日(土)10:30~行われました。
社殿で祈願を行った後、神社内の斎庭で参列者が持ってきた箸を各自で火にくべます。
箸焼納者のみ参列が可能で、無料で参加できます。
箸の雑学
<日本では箸はいつから使われていたの?>
日本最古の箸は、弥生時代の遺跡で発見された「折箸」だとされています。
「折箸」は1本の竹を折り曲げたピンセットのような形のもので、普段の食事ではなく、神様に配膳するための儀式に使われていたと考えられています。
現在使われている形の箸は、607年に遣隋使として大陸に渡った小野妹子が持ち帰ったもので、この箸を聖徳太子が宮廷の儀式で初めて使ったとされています。
その後しばらくは貴族のみが箸を使っていましたが、8世紀の初めに箸を使って食事をする「箸食制度」が一般市民にも勧められ、日本の食事道具として箸は全国に広まっていきました。
ちなみに「はし」という名前は中国から伝わったものではなく、
・「挟むもの」という意味から
・「橋」や「柱」に形が似ているから
・箸の端っこで物をつまむから
・弥生時代に使われていたピンセット状の「折箸」が鳥のくちばしに似ていたから
など色々な名前の由来があります。
<正月用の箸の形には大切な意味があった!>
毎年お正月には、普段使っている箸ではなくお正月用の箸を使う家庭が多いですよね。
お正月用の箸は、真ん中が太くて両端が細くなっている形のもので「両口箸」「祝い箸」「柳箸」「俵箸」などと呼ばれ、お正月以外のお祝い事にも使われます。
「両口箸」は長さも縁起の良い末広がりの八寸(約24㎝)と決まっていて、小さなお子さんには少し使いにくいかもしれませんね。
この「両口箸」の両端が細くなっているのには実は大切な意味があるのです。
この箸は片方は神様が使う為に、もう片方を人が使う為に両端が細くなっているのです。
お正月のおせち料理は、初めに年神様にお供えし、その後下げたおせちを家族でいただくというのが本来の作法です。
こうしていただくことで、その年の年神様の恩恵を授かることが出来るとされています。
このように、神様と片方ずつ使うので「両口箸」と呼ばれているのです。
ですから、両口箸をひっくり返して取り箸にすることはしてはいけない事なので注意しましょう。
また、お祝い事に使われるから「祝い箸」と呼ばれるのは勿論ですが、お祝い事の最中に箸が折れてしまうのはとても縁起が悪いので、折れにくい柳を使ったことから「柳箸」とも呼ばれ、箸の真ん中が太く俵の形に似ていることから「俵箸」とも呼ばれています。
▪まとめ
普段、当たり前のように使っている箸にも長い歴史や大切な意味が込められているのですね。
食べることは生きることで、その為に使う箸はやはり大切にし感謝すべきものだと思います。
箸の日には、普段お世話になっている箸に感謝したり、お世話になった箸をきちんと供養してみてはいかがでしょうか。
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