「10月22日 方言の日」
■はじめに
旅先で、地元のお年寄り同士の会話を耳にすることがありますが、何を言っているのかさっぱりです。
これはお年寄りに限らず、若い女の子の場合でもたまに見かけますが、道を尋ねると標準語で教えてくれるので、うまく「2か国語」を使い分けているようです。
学校教育とテレビの賜物でしょうか。
目 次
方言の日とは
10月22日は「方言の日」と言われますが、もはや制定者や制定時期も定かではなくて、消えゆく記念日のひとつでもあります。
その一方で、2月18日の「方言の日」はまだまだ頑張っています。
こちらは2007(平成19)年に、衰退一方の奄美方言の保存・伝承のため、鹿児島県大島地区文化協会連絡協議会が制定した「方言の日」ですが、方言だけあってローカル限定の記念日です。
おまけに「シマユタムの日」「シマクトゥバの日」「シマユミタの日」など、奄美の島によって名称はまちまちです。
■方言の日の意味と由来
江戸時代は各藩がそれぞれの土地の言葉を話しており、明治政府が「東京の山の手言葉」を標準語として義務教育に織り込むまでは、標準語という概念はありませんでした。
例えば島津藩の江戸屋敷では薩摩言葉が飛び交っていましたが、江戸城内に一歩入れば全く違う武家言葉を使っており、武士は土着の言葉と、社会(立場)上の言葉を使い分けていたことになります。
たいていの会社員は無意識にこの使い分けをやっていますね。
「東京の山の手」とは「教育のある中流」を意味するので、べらんめえ口調の江戸弁がそのまま標準語とされたわけではありません。
■方言の日のイベント
それぞれの土地に根差した方言は数多あって、一堂に会するイベントがあればさぞ壮観だろうと思いますが、方言を日本中に発信するメリットはなさそうで、スポンサーもつかないだろうと思います。
ただし、奄美群島では民話の読み聞かせ、寸劇、島唄、わらべ唄などで児童を楽しませながら、土地の方言を伝承する活動をしています。
方言の日の雑学
▽「君のことが好きやけん」
2009年発売のAKB48の14枚目のシングル「RIVER」のカップリング曲に、アンダーガールズの「君のことが好きだから」がありました。
まだ指原莉乃、松井玲奈がアンダーにいたころで、カップリング曲としてはかなり好評でしたが、この曲をHKT48が2014年に博多弁バージョンで「君のことが好きやけん」としてリリースしました。
歌詞はほとんど同じですが、語尾は女の子が使うとかわいいと評判の博多弁になっています。
▽出雲弁と東北弁
近い地域同士であれば方言の違いは小さく、遠ければ大きくなるのが普通ですが、例外的に遠隔地同士の方言が似ているケースが発生します。
これは文化の中心地に発生した新たな表現が、周辺に影響して、従来の表現を外へ外へと押しやるために、遠い地にもかかわらず同じような方言になります。
出雲弁と東北のズーズー弁がよく似ていることが、謎解きのきっかけになって捜査が進むとは、松本清張の「砂の器」での有名なエピソードですね。
■最後に
タラレバを言っても仕方ありませんが、あのまま京の都が日本の中心であり続けていたら、日本の標準語ははんなりした京言葉に近いものになっていたかもしれませんね。
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