▪はじめに
ドレッシングとは、油と酢またはレモンなどの柑橘類の果汁をベースにして様々な調味料を加えて作った調味料のことです。
ドレッシングの語源は洋服の「ドレス」で、主に野菜サラダにかけて使い「野菜を着飾る」という意味からドレッシングという名前になったとされています。
そこで今回は、世界中で様々な種類のものが使われているドレッシングに関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
ドレッシングの日とは
ドレッシングの日は、毎年8月24日にあります。
この記念日は、マヨネーズやドレッシング類の製造・販売を行っているケンコーマヨネーズ株式会社によって2016年(平成28年)5月に制定されました。
▪意味
ドレッシングの日は、ドレッシングの幅広い活用方法や、ドレッシングを使用したメニュー提案を多くの人に広め、より豊かな食生活を提案するために制定された記念日です。
▪由来
ドレッシングの日が8月24日なのは、ドレッシングは野菜にかけることが多いので、カレンダー上8月24日が「野菜の日」という記念日である8月31日の真上にくる日で「野菜(の日)に上からかける」というイメージであることに由来しています。
▪イベント
ドレッシングの日を制定したケンコーマヨネーズ株式会社では、毎年8月にドレッシングの日に向けたイベントを開催しています。
過去には、ケンコーマヨネーズ株式会社が運営する一般向け料理教室「キッチンスペース831」にて、ドレッシングをもっと楽しむためのオンライン料理教室を開催しました。
このイベントでは、自社のドレッシングを使った牛肉と野菜のカラフルなサラダと、パン入りのサラダの2種類の料理の作り方をオンラインで教え、参加者全員にレッスンで使用するドレッシング・ノンオイルドレッシングとドレッシングの日オリジナルコースターをプレゼントしています。
また、ケンコーマヨネーズ株式会社ではホームページで自社ドレッシングの紹介やドレッシングを使った新しいレシピの公開をしていますので、興味のある方はチェックしてみてください。
ケンコーマヨネーズ株式会社HP https://www.kenkomayo.co.jp/
ドレッシングの雑学
<フレンチドレッシングは実はアメリカ生まれ>
ドレッシングの中でも最もポピュラーなものといえばフレンチドレッシングです。
フレンチドレッシングとは、サラダ油やオリーブオイルに酢と塩、コショウ、マスタード、砂糖などを混ぜ合わせたサラダドレッシングのことで、これにケチャップやパプリカなどを足した赤いフレンチドレッシングもあります。
「フレンチ」と名前に付いているくらいなのでフランス由来のドレッシングと思われがちですが、実はフレンチドレッシングはアメリカ生まれのドレッシングなのです。
ドレッシングの発祥はとても古く、古代ローマ時代に誕生したといわれています。
当時のドレッシングは、オイルと塩と酢を混ぜたもので、生野菜やゆでた野菜を味付けするために使われていたとされています。
その後、医学者のガレノスが生野菜は体に良くないと医学書に記載したため、サラダは長い間食卓から消えていました。
しかし、野菜が豊富に採れるイタリアでは、庶民の間で生野菜を食べる習慣が根付いており、16世紀ごろには再び上流階級の人たちの間でも食べられるようになりました。
その後、ヨーロッパ中でサラダが食べられるようになり、その習慣はヨーロッパからアメリカに移住した人たちのよってアメリカでも根付いていくようになりました。
そしてサラダの普及に合わせて、19世紀のアメリカではサラダに合うドレッシングが次々に誕生したのです。
フレンチドレッシングもその中の1つで、19世紀に誕生したとされています。
アメリカで誕生したフレンチドレッシングは、油・酢・砂糖・塩・パプリカ・ニンニク・ケチャップ・タマネギ・レモン汁などを混ぜ合わせたもので、いわゆる「赤いフレンチドレッシング」と呼ばれるものです。
アメリカで誕生したのに「フレンチ」と付くのは、アメリカのインディアナ州ヘイズルトンを開拓していたルーシャス・フレンチという人の妻が、野菜嫌いの夫が何度も壊血病(ビタミンC欠乏症)にかかりそうになったため、何とかして野菜を食べさせようとして考案したドレッシングだったからだといわれています。
因みに、フランスで一般的なドレッシングは「ヴィネグレットソース」と呼ばれるもので、油・酢・塩・コショウ・マスタードなどを混ぜ合わせたもので、このソースに砂糖やケチャップを加えたからフレンチドレッシングと呼ばれるようになったという説もあります。
いずれにせよ、フレンチドレッシングはフランスでは見られないドレッシングなのです。
<日本でドレッシングが登場したのはいつごろ?>
かつて、日本ではサラダを食べる習慣がありませんでした。
これは、野菜を育てるために人糞肥料が使われていたため衛生状態が悪く、野菜は必ず火を通してから食べるものだったからです。
また、レタスやトマトなど生で食べる野菜が日本ではほとんど栽培されていなかったこともサラダが食べられなかった理由の1つとなっています。
明治時代に入り、日本でも洋食が食べられるようになり、洋食店などでサラダも提供されるようになりましたが、この頃はまだほとんどが外国人向けでした。
サラダが一般家庭で食べられるようになったのは戦後の東京オリンピックの後からです。
東京オリンピックの時、世界中から選手を迎えるにあたって、選手村では世界各国の料理を提供する必要がありました。
そこで、衛生的に安全な野菜を提供するため、人糞肥料ではなく農薬や化学肥料を使った衛生的な野菜が栽培されるようになり、無事にサラダを提供することができたのです。
この東京オリンピックをきっかけに、農薬や化学肥料を使った野菜の栽培は日本全国に普及していき、1970年代には家庭で安全なサラダが食べられるようになりました。
そしてサラダとともに普及していったのがドレッシングでした。
日本で最初のドレッシングは、1958年(昭和33年)に発売された「キユーピーフレンチドレッシング(赤)」です。
1950年代後半の日本では、洋食が家庭にも普及しはじめた時期でしたが、サラダはまだまだ浸透しておらず、ドレッシングもあまり普及しませんでした。
しかし、東京オリンピック後、安全な野菜の提供と日本人の健康意識が高まってきたことにより、サラダを食べる人が増えていきました。
これに伴い、ドレッシングも一般家庭に普及していきます。
そして、キユーピーではフレンチドレッシング以外にも醤油を使った和風ドレッシングや中華風ドレッシング、胡麻ドレッシングなど次々と新しい味のドレッシングを発売し、またキユーピー以外の会社からも様々なドレッシングが発売されていきました。
現在、ドレッシングは日本に定着したサラダや、ほかの料理をよりおいしく食べるために多くの種類のものが販売され、家庭に常備される調味料となっています。
▪まとめ
ドレッシングの歴史は意外と古く、野菜を美味しく食べるために誕生し種類も増えていきました。
近年ではドレッシングはサラダだけに使うものではなく、調味料として冷蔵庫に入っている家庭も増えてきています。
みなさんも、ドレッシングの日にはサラダだけでなくドレッシングを使った色々な料理を味わってみてはいかがでしょうか。
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