「2月14日 煮干しの日」
■はじめに
2月14日と言えばもちろんバレンタインデーですが、なんと「煮干しの日」でもあるんです。
どう考えても、煮干しがチョコに勝てるとは思えませんが、これは一種の「逆張り」で、かえって話題になるのではという狙いもありそうです。
目 次
煮干しの日とは
1994(平成6)年に全国煮干協会が、2月14日を「煮干の日」に制定しました。
しかし、制定はしたものの、協会が「チョコもいいけど、煮干しもねッ」といったアピールに力を入れた気配は皆無で、唯一のキャンペーンが協会ロゴの募集でしたが、全国からの応募はたった60件しかありませんでした。
■煮干しの日の意味と由来
日付の由来は、「に→2、ぼ→棒→1、し→4」で2月14日と相成るわけですが、ちょっと難ありの語呂合わせです。
煮干しはカタクチイワシを中心に、マイワシ、キビナゴ、アジ、トビウオなどの小魚を煮て干したもので、出汁を取る材料として使われています。
新鮮な魚で作られた煮干しは顔が下向きになるそうで、これは魚は腹から縮むからですね。
背中の反っていない煮干しを買いましょう。
また、煮干しは乾煎りすればそのまま食べられるので、カルシウム不足を補う食品や酒のつまみとして、多くの商品が出回っています。
■煮干しの日のイベント
せっかく勇気をもってバレンタインデーに挑戦したんですから、やぶれかぶれのキャンペーンを展開すればいいものを、協会にはやる気がまるでないように見えます。
そもそも協会のHPからして、協会員向けでしかありません。
しかし、その代わりに小売店が頑張っています。
2月14日当日の熱海魚市場では、来場者にカタクチイワシの煮干しで作ったみそ汁、煮干しのおつまみをプレゼントするなどの企画で盛り上がったそうです。
煮干しの日の雑学
▽「鰯」の由来は「弱し」「卑し」のどっち?
縄文の貝塚からイワシの骨が出土していることで、日本人が魚を食べるようになったのは、縄文時代以前と言われています。
飛鳥時代になると、煮干しらしき加工食品が朝廷への献上品として文献に登場しますが、これは「いわし煮」という生乾きの状態でした。
これでは遠方からの献上には適さないために、水産物の加工技術が進歩することになりました。
特にイワシはすぐに鮮度が落ちて臭くなることから、「よわし」(弱し)が「いわし」と変化し「鰯」の字になったとも言われます。
しかし「よ」から「い」への音韻交替の例が他には見られないため、「いやし」(卑し)が「いわし」に転じたとの説も有力です。
なぜここで突然「卑しい」が出てくるかと言うと、イワシは多く獲れてありきたりな魚であり、しかも鮮度が早く落ちるので、身分の高い貴族は口にしない下賤な魚とされたためです。
なるほど…と納得しかけてしまいますが、これではイワシ煮が献上品だったという記録と矛盾しますから、「イワシ」の呼び名成立の謎はまだ解明されていません。
▽紫式部とイワシの逸話
「日の本に はやらせ給ふ 石清水 参らぬ人は あらじとぞ思ふ」
ある日、イワシのおいしさに魅せられた紫式部がイワシを焼いて食べたところ、帰宅した夫の藤原宣孝に匂いで気づかれ、下賤な魚を食べたと咎められたときに詠んだ歌です。
つまり、
「日本で流行している石清水八幡宮参りをしない人がいないように、こんなにおいしいイワシを食べない人なんていませんよ」
と切り返したもので、怒られても瞬時に歌で返すとは、さすが雅の人ですね。
ちなみに「石清水」は「イワシみず」のダジャレなんだそうですが、この逸話の出処もあやふやで、和泉式部だとの説もありますね。
■最後に
煮干しや昆布からみそ汁のだしを作るのは、手間ヒマかかって面倒らしく、我が家では顆粒状のだしを愛用しています。
忙しい毎日、利便性に軍配があがるのは仕方のないことですが、「伝統」もちゃんと受け継がれてほしいと思いますね。
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