▪はじめに
近年の日本では、喫煙は自分だけでなく周りに人の健康にも影響を与えるということから公共の施設や歩道などの喫煙禁止や分煙などが当たり前になってきていますよね。
現在の日本が喫煙者と嫌煙者が共存できる社会になってきているきっかけの1つに嫌煙運動があります。
今回は、その嫌煙運動に関する記念日や雑学などについてご紹介します。
目 次
嫌煙運動の日とは
嫌煙運動の日は、毎年2月18日にあります。
この記念日は、1978年(昭和53年)の2月18日に「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が設立され日本で本格的に嫌煙運動が始まったことに因んで制定された記念日です。
▪意味
嫌煙運動の日には、1978年(昭和53年)のこの日に東京の四谷で「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が設立され日本での嫌煙運動が始まったことを記念する意味があります。
▪由来
嫌煙運動の日は、1978年(昭和53年)2月18日に「嫌煙権確立をめざす人びとの会」による本格的な嫌煙運動が始まったことに由来した記念日です。
▪イベント
嫌煙運動の日に因んだイベントは、残念ながら見つけることができませんでした。
嫌煙運動の雑学
<嫌煙運動とは?>
「嫌煙者」と聞くと、「煙草が嫌いな人」「喫煙を否定している人」というイメージがありますよね。
実際にも、そういった意味合いで「嫌煙」という言葉が使われることが多く「嫌煙運動」が喫煙をする人を世の中から無くそうといった意味合いのものとされていたりもします。
でも、本来の「嫌煙」はもう少し違った意味で使われていた言葉なのです。
「嫌煙」という言葉は、1978年(昭和53年)に設立された「嫌煙権確立を目指す人びとの会」の代表の1人であるコピーライターの中田みどりさんが作った「嫌煙権」という造語がはじまりでした。
この会の中での「嫌煙権」とは、「たばこの煙によって汚染されていないきれいな空気を吸う権利」「穏やかではあってもはっきりとたばこの煙が不快であると言う権利」「公共の場所での喫煙の制限を求めるため社会に働きかける権利」という3つ権利です。
嫌煙権運動がはじまったばかりの頃は、たばこを吸う人が多くて家の中や会社、公共の場などどこでも気軽に喫煙していました。
とくに成人男性はたばこを吸うのが当たり前のような時代で、私の父親も普通に家や飲食店などでたばこを吸っていました。
しかし、ぜんそく患者がたばこの煙で発作を起こしたりすることも問題視されるようになってきているにも関わらず、成人男性にはなかなか「私は(子供が)ぜんそく持ちなのでここではたばこを吸わないでください」と声に出して言うことはまだまだ難しい時代でもありました。
このような経緯からはじまった「嫌煙権確立を目指す人びとの会」は「喫煙をする時には周りの人のことも考えて場所を選んで吸ってください」という言いにくいことを声に出して言っていこうということが本来の目的で、決して喫煙をする人たちを否定するようなものでは無かったのです。
会の中でのこの考えは現在でも変わることなく、そのことを地道に訴えてきたことで、マスコミに取り上げられたり受動喫煙による健康被害が研究されたりして、現在のような分煙できる施設などが増えていき、喫煙する人としない人が共存できるような社会になってきているといえるでしょう。
<江戸時代には何度も禁煙令が出されていた?>
たばこは、アメリカ大陸を発見したコロンブスが原住民から吸い方を教わって自分の国に持って帰ったことから世界中に広まっていったものでした。
日本にたばこが伝えられたのは室町時代末期から安土桃山時代のころで、ポルトガルからやってきた宣教師たちによって伝えられました。
伝えられたばかりの頃は、たばこはとても高価な薬として使われていましたが、江戸時代に入りたばこの栽培が盛んになったことからたばこの値段が下がり、庶民でも手軽に吸うことができる嗜好品として全国に広まっていきました。
しかし、たばこによる火事が頻繁に起こるようになったため、徳川家康をはじめ三代将軍家光の時代までは何度もたばこ禁止令が発布されたのです。
何度も発布されたということは完全にたばこを日本から無くすことはできなかったということですよね。
たばこには依存性があることと、たばことともに煙管や煙草入れなどの工芸品も発達していきファッションとしても流行したので禁止令が浸透しなかったことに加えて、五代将軍綱吉をはじめとする歴代将軍たちもたばこを好んで吸っていた為にたばこ文化は逆に発展していくこととなったのです。
しかし、たばこが健康を害する可能性があることはこの江戸時代から医者などの一部の人間は気付いていました。
貝原益軒は自身が書いた「養生訓」という現在でいう家庭の医学のような本に「たばこは病をなす事あり」などと書き記していたのです。
このことから、じつは嫌煙運動は江戸時代から始まっていたといえるのかもしれませんね。
▪まとめ
喫煙をする人は肩身の狭い思いをされているかと思いますが、子持ちの私からすると子供たちをはじめとする多くの人たちの健康を守るために協力していただけてとてもありがたいです。
嫌煙運動は喫煙自体を否定しているわけではなく、現在の日本は嫌煙運動をする人たちの理想的な形でもあると思うので、今後も喫煙者と嫌煙者が共存できる社会であればと思います。
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