「9月16日 マッチの日」
■はじめに
ガスコンロは自動点火、たばこは百円ライター、仏壇はない…ということで、我が家にはマッチがありません。
この数十年、マッチがなくて困ったことは皆無、もはやマッチは消えゆく運命なのでしょうか。
目 次
マッチの日とは
1948(昭和23)年9月16日、それまで配給統制されていたマッチの自由販売が復活したのを記念し、この日が「マッチの日」と呼ばれるようになり……とは言うものの、「マッチの日」自体、耳にしたことなんてありません。
ちなみに、その自由販売復活前日の15日、不良マッチ退治の主婦大会開催を機に、主婦連合会が結成されています。
主婦の怒りに火をつけちゃったんですね。
■マッチの日の意味と由来
道具、火、言葉を手に入れたことで、ヒトは人へと進化しました。
落雷や溶岩などから発生した自然火災によって、人類は火を手にし、夜を照らす明かり、寒さを防ぐぬくもり、獣から身を守る術など、多くの恩恵に与ることになります。
やがて、偶然に頼らずに、木をこすり合わせて発火させることを覚えたのが、紀元前百数十万年のころと言われています。
その後、火打石の時代を経て(ずいぶん経てしまいましたが)1827年にイギリスでようやくマッチが発明されました。
日本でマッチが生産され、普及するのは、明治維新後の1876(明治9)年で、全国に次々とマッチ工場が造られ、一時は日本の重要輸出製品ともなりましたが、粗悪品も目立ったことで輸出が減って、多くの工場が閉鎖されました。
しかし、マッチは生活必需品中の必需品であるものの、戦争による工場被災や原材料不足で生産量が激減したため、マッチの価格統制令や配給統制が出されることになりました。
戦後、自由販売が復活したことで「マッチの日」が生まれました。
■マッチの日のイベント
伝統に裏打ちされた由緒正しい記念日、文化・芸術・科学を知ってもらう記念日、みんながハッピーになれそうな記念日、拡販用記念日…等々、日本には2800もの記念日があるそうです。
計算上、毎日7~8の記念日があることになりますが、連日あちこちでドンチャンドンチャンとイベントがあるわけでもありません。
どこかにイベント開催率のデータはないものでしょうか。
いくら探しても「マッチの日」のイベントが見つからないので愚痴ってしまいました。
マッチの日の雑学
▽ブックマッチ
筆者のデスクの奥から、喫茶店や宣伝でもらって、忘れたままのブックマッチがごっそり出て来ました。
ブックマッチを知らない人も増えたようなので説明しておかなくてはなりませんが、これは二つ折りの厚紙の間に紙製のマッチが櫛状に並んでいて、1本ずつちぎって、厚紙に付属のザラザラ面との摩擦で発火させるものです。
しかし、こんな説明ではわからないと思うので、手近なおじいちゃんにでも聞いてください。
で、ブックマッチは1892年にアメリカで誕生し、紙なのでメッセージが印刷出来て、そのうえ安上がりなことから広告宣伝用に普及しました。
第2次大戦中、思想宣伝用に連合軍が敵国に飛行機からばらまいたそうです。
「I Shall Return MacArtur」
フィリピンに落としたブックマッチにはそう印刷されていました。
「I’ll be back」じゃなかったのが少し残念!
▽マッチの燃焼温度
マッチの炎はやわらかいと言われます。
もっとも、それは感覚的なものなので、「どこが?」と問われても、物理的な回答はできません。
マッチ棒先端のアタマが燃えているときの温度は1000~1500度あるそうで、その炎が軸木に燃え移ると400度くらいまで下がってしまいます。
下がると言っても、ヤケドするには十分な熱さですが、この急激な温度低下から炎のやわらかさを感じるのだと言っても、やはり納得される回答にはなりませんね。
ちなみにライターは炎の先端から少し下が800度で、ミニバーナーの炎の先端は1100~1200度にもなります。
百円ライターのガス欠時、ガスコンロでたばこに火をつけるのは、けっこう勇気が要りますね。
■最後に
「人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である。」
これは芥川龍之介の「侏儒の言葉」巻頭の「人生」という項にある一文です。
さて、これをどのように理解したらいいのでしょうか。
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