「11月9日 換気の日」
■はじめに
2020年はコロナ禍で、あらためて手洗いやうがいの大切さが指摘され、人との物理的接触は無論のこと、近寄ることさえ敬遠せざるを得ない状況でした。
そうしたコロナ対策の中で、ふだん何気なくやっている部屋の換気も有効な手段だと今更ながら気づかされましたね。
目 次
換気の日とは
室内で発生する水蒸気は1日に10リットル以上もあるそうで、これを放置すればウイルスには絶好の環境になってしまうため、室内の換気がとても大切なことなんです。
日本電機工業会は室内換気の重要性を広く国民に知ってもらおうと、1987(昭和62)年に、11月9日を「換気の日」に制定しました。
日付は「いい空気」→「いい(11)く(9)うき」という少し字余りの語呂合わせからですね。
■換気の日の意味と由来
昔の日本の家屋は「夏を旨とすべし」と言われ、湿気が多いジメジメとした夏に対処するために、かやぶき屋根で室温の上昇を防ぎ、家の骨組みを「田」の字形にして風が入りやすいよう工夫が施されていました。
しかし近年は、部屋の多様なレイアウト、断熱効果などの観点から、気密性の高い住宅が求められているので、なおさら換気の大切さにも留意しなくてはなりません。
■換気の日のイベント
日本電機工業会の換気扇専門委員会が頑張って誕生した「換気の日」ですが、全国的にイベントを開催して盛り上げようという動きは見られません。
過去には、東京ガスが換気に対する知識力を問う「換気Gメン」というクイズ形式の「換気促進キャンペーン」を11月に実施しましたが、応募条件が東京ガス契約者、クイズ回答の正誤は問わないというもので盛り上がらず、対象地域も限られていることから、この企画を知る人もごくわずかだったようです。
換気の日の雑学
▽「24時間換気システム」導入の義務化
2003(平成15)年の建築基準法改正で、シックハウス対策の一環として住宅の建材や内装の規制などとともに、「24時間換気システム」の導入が義務付けられました。
これは一戸建て、マンション、アパートに限らず、それ以降のすべての新築に適用されますが、「システム」と言っても大がかりな機械を設置するものではなく、1日中、室内の排気と外からの給気を制御管理する簡単なものです。
仕組みはリビングや各部屋の壁か天井に取り付けられた20cm四方程度の吸気口から取り込まれた空気が、部屋のドアの下の隙間から廊下を経由して、トイレや浴室の天井排気口から外に排気されるといった流れです。
吸気量は吸気口で調節できるようになっていて、台風の場合は吸気口から雨が吹き込むこともあるので閉め切ることも可能ですが、通常24時間のシステム稼働が法律上で規定されてはいます。
このシステムのスイッチを毎日24時間ONにしておくには、1か月の電気代が数百円かかりますが、結露やカビ、ダニの発生を防げるとしたら安いものだと言えますね。
また、窓を開けることは快適な室内温度が変化したり、春は花粉が吹き込む恐れもあり、防犯の点でも不安があるため、「24時間換気システム」の注目度が高くなっているようです。
▽窓全開による「自然換気」の爽快さ
24時間換気システムの効果を説明した直後にこう言うのもどうかと思いますが、窓を全開にして部屋を風が吹き抜ける「自然換気」の爽快さにはどんなシステムも敵いませんね。
2003年以前に建てられた住宅もまだまだたくさんあって、24時間換気システムが行き渡っているわけでもありません。
窓全開と言っても壁面のごく一部で、その正面に位置する窓も開ければ風は吹き抜けますが、風の通り道は狭く、そこから外れた部屋の隅の空気はそのまま残ってしまいます。
もし、窓が対角線上に位置していれば部屋の空気もかなり一新されますが、そんな部屋ばかりではありませんから、取り入れた風が家中のよどんだ空気を巻き込んで、外へ連れ去ってくれるような工夫が必要になります。
たとえば、吹き込んだ風に横から扇風機やサーキュレーターの風を当てれば、部屋中の空気がかき混ぜられる効果がありますね。
■最後に
ごく一部の製品を除き、エアコンは部屋の中の空気を吸い込み、その空気を温めたり冷やして部屋に戻す機能なので、換気の機能は備えていません。
けっこう誤解されているようなので、ご注意願います。
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