「7月6日 ピアノの日」
■はじめに
NHKの番組表を眺めると、最近やたらと「街角ピアノ」「空港ピアノ」という番組が目につきます。
試しに見たところ、駅や空港、ショッピングセンターなどの一角に、家庭で使われなくなった古いピアノが置かれていて、だれでも弾けるため通りかかった老若男女が次々と腕前を披露していました。
ピアノは設置企業やボランティアなどが管理しているそうで、営利活動に利用しないのがルールとされていますね。
目 次
ピアノの日とは
1823(文政6)年7月6日、ドイツ人医師フィリップ・フランツ・フォン・シーボルト(1796~1866)が日本に初めてピアノを持ち込んだとされています。
これを記念して7月6日は「ピアノの日」ですが、どういう経緯で制定されたかは不明です。
■ピアノの日の意味と由来
その日本最古のピアノは1806年ころにイギリスのロルフ社が製造したもので、四角いテーブル形のスクエア型の小さなピアノでした。
1828年にシーボルトが帰国する際、親交のあった熊谷五右衛門義比に寄贈され、
現在は山口県萩市の熊谷美術館に保存、展示されています。
ちなみに、日本で初めてピアノが製造されたのは1900(明治33)年、日本楽器製造株式会社(現ヤマハ)が製造したアップライト型のピアノで、これに携わった河合小市(1886~1955)は後に河合楽器を創設しています。
■ピアノの日のイベント
7月6日の「ピアノの日」当日にイベントは開催されていませんね。
音楽や楽器に関する記念日は、年間で40日もあるので、どこかで楽器の合同イベントが実施されているのかもしれませんが…。
ピアノの日の雑学
▽弦の工夫
ピアノの鍵盤は88で、それに対し230本前後の弦が張られています。
ひとつの鍵盤に中音と高音は弦が3本、低音は最低音に近づくにつれ1本ずつ減っています。
また、高音になるにつれて弦は短くなり、太さも高音に行くほど細くなっていて、低音は巻き線弦、中音と高音は銅線を巻かない裸線を使用しています。
中音、高音の弦が3本なのは、音量を大きくするためで、さらに同じ音程の1音3弦をひとつのハンマーでたたいたとしても、弦を支える位置が1弦ごとに異なるため、3弦は同じ振動にならずに音が豊かな余韻で響くことになります。
シーボルトのピアノはすべて1音2弦で構成されており、鉄線52音、黄銅線5音、黄銅線に巻線を施した弦が11音で、これは当時の欧州のスクエア型の典型です。
▽巻線
低音のためには弦を長くするか、太くしなくてはなりません。
ピアノの一番高い音「ド」の弦は約5cm、1オクターブ下の「ド」は10cmと2倍で、この計算だと7オクターブ下の「ド」には640cmもの長さが必要です。
そのため低音ほど弦を太くして、ピアノをコンパクトにしています。
これはピアノに限らずバイオリンやギターでも同じことです。
そのバイオリンやギターではガット弦という羊の腸で作った弦を使用していましたが、太さには限界があるため数本のガット弦を撚り合わせていたそうです。
1660年ころになると、ガット弦に金属の細い線を巻いた弦がイタリアで考案され、まずバイオリンに使用されました。
ピアノに巻線が用いられたのは18世紀末と言われていますね。
■最後に
筆者は音痴ではないと思いますが、音楽の授業には閉口しました。
結局、ハ長調以外はどの音がどこにあるんだか瞬時にはわからず、シャープやフラットが密集した音符を見るとめまいがしたものです。
ある時、友人の娘のピアノ発表会に動員され、小学生がシューベルトだかショパンだかの曲をぽこぽこ弾くのを見て愕然としました。
そもそも、あんな小さな子どもが楽譜を読めて、しかも10本の指、右と左手を同時に使い分ける技は筆者の理解の範疇を超えた神業としか言いようがありません。
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