「7月14日 内視鏡の日」
■はじめに
紀元1世紀のポンペイ遺跡から、内視鏡の原型とみられる医療器具が発掘されているそうです。
麻酔も人権もない時代のことですから、実際に使用する光景を想像すると背筋の凍る思いがしますね。
目 次
内視鏡の日とは
1950(昭和25)年、日本で初めて胃カメラによる胃の内部撮影に成功し、これは世界初の快挙でもありました。
7月14日の「内視鏡の日」は公益財団法人内視鏡医学研究振興財団が、内視鏡のさらなる発展と普及のために、2006(平成18)年に制定した記念日です。
日付の由来は、「7(な)1(い)4(し)きょう」というもので、あまり学術的ではありませんね。
■内視鏡の日の意味と由来
現在、内視鏡はリアルタイムで医師が臓器の中を見られるので、撮影後に写真でしか見られない胃カメラを内視鏡と言えるかどうかは微妙なところです。
しかし、胃カメラが内視鏡医療発展の先駆けとなったのは間違いなく、今では内視鏡が消化器科だけではなく呼吸器科、産婦人科、整形外科など幅広く使用されています。
■内視鏡の日のイベント
「内視鏡の日」関連のイベント開催はありませんね。
内視鏡の日の雑学
▽内視鏡の始まり
1805年のドイツ、1853年のフランスで尿道や直腸などの生体内に直接、管を通して観察する試みが行われ、そのために開発された器具は「内視鏡」と名付けられました。
1868年にドイツ人医師が剣を呑み込む大道芸人の協力を得て、長さ47cm、直径13mmの真っ直ぐな金属管を使って、世界で初めて人間の生体内の胃を観察しましたが、もちろん実用には適さないものでした。
その後、尿道・膀胱鏡や実用化された胃鏡が製作されましたが、いずれも屈曲不可だったので、検査されるほうはとんでもなく苦痛だっただろうと思います。
ようやく曲がる「軟性胃鏡」が開発されたのは1932年で、長さ75cm、直径11mm、先端から3分の1のところがある程度曲がり、管の内部に設置したレンズと豆電球の光で胃の内部を見るというものでした。
▽内視鏡カプセル
小腸は長さ5~7mもあり、その大部分は固定されずに曲がりくねった状態なので、管状のスコープでは小腸内部の全体を見ることはできません。
そのために開発されたのが「カプセル内視鏡」で、直径11mm、長さ26mmの風邪薬のような形状のカプセルに、ライトやレンズ、カメラ、電池、画像送信装置などが組み込まれています。
撮影の手順は、まず病院で胸と腹部にセンサーアレイを貼り付け、記録装置を専用のベルトで腰に装着してから、カプセル内視鏡を飲み込みます。
それ以後2時間程度は飲食ができませんが、そのほかの日常生活は可能なので、病院外で好きなことができます。
むしろ安静にしていてはカプセルがスムーズに消化器内を移動できないそうで、もちろんカプセルの移動による痛みはありません。
カプセルの小腸内移動は個人差があって、短い人は3時間、長ければ10時間かかる人もいます。
その間、カプセルは1秒間に2~6枚の画像を撮影し、腰の記録装置に電送し続けます。
以前は電池の寿命の関係から途中までしか撮影できないことも多くありましたが、電池の改良によって今では8割以上の人が小腸の全体を撮影できるようになっています。
記録装置のLEDが点滅しなくなれば撮影終了で、再び病院に行き、検査機器を取り外します。
だいたい8時間なら、その間に撮影される画像は約5万枚に上り、この画像データを医師が専用のソフトを使って解析し、今後の治療法を検討する運びですね。
カプセルは通常、排便時に体外へ排出され、自分では気づかないことも多く、心配であればX線検査で確認をしてもらいます。
精密機器が入ったカプセルですが、使い捨てで再利用しないので気持ち悪くはないですね。
当然、カプセルは高価なもので、自由診療なら1回10万円かかるそうですが、原則的に保険が適用されることになっています。
放射線を使用しないことや、カプセルを飲むだけで恥ずかしさ、怖さを感じないで済むメリットがある反面、ポリープなどの病変切除や組織の採取はできません。
同様に、少し大きい大腸検査用のカプセルも開発されています。
■最後に
カプセルを飲むだけなら簡単なので、胃の検査もカプセルでお願いしようと思っていました。
しかし、現在認められているのは小腸と大腸のカプセルだけで、食道や胃のカプセル内視鏡は開発されてはいますが、まだ有用性の検討が行われている段階だそうです。
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