「7月14日 求人広告の日」
■はじめに
「乳母雇入度ニ付心当りの者ハ呉服橋内元丹波守邸内天野氏へ御尋可被下候。本乳にして乳さへ宜しく候へば給金ハ世上より高く進ずべし。」
これは新聞に掲載された日本初の求人広告の文面です。
目 次
求人広告の日とは
1872(明治5)年7月14日、上記の求人広告が東京日日新聞(現毎日新聞)に掲載され、これが記念すべき日本の求人広告第1号ですが、見出しは「広告」ではなく「報告」とありました。
これを記念して7月14日は「求人広告の日」とされていますが、制定の経緯、制定者などは不明です。
この求人広告は明治とあって旧仮名遣いの文章ですが、意味はだいたいわかる気がします。
つまり「乳母を雇いたいので心当たりのある人は、呉服橋内の元丹波守邸内に住む天野氏までお問合せください。お乳のよく出る人であれば、給料は世間相場より高く支給します」ということですね。
■求人広告の日の意味と由来
1980年代に入って非正規雇用が拡大すると、アルバイトやパート募集の雑誌、フリーペーパーの時代になりますが、それまでの100年間の求人はもっぱら新聞広告と、1911年に開設された公的職業紹介所(現ハローワーク)に頼っていました。
しかし、1990年代に入って求人がインターネットに移行したことで、求人情報雑誌の休廃刊が相次ぐことになります。
今や、ハローワークでさえインターネットを利用する時代になっていますね。
■求人広告の日のイベント
150年前の求人広告は記念日としてインパクトがありそうだと思いましたが、この日に注目した求人サイトはなく、イベント開催もありません。
もっとも、求人サイトはイベントで集客するような性格のものじゃありませんでした。
求人広告の日の雑学
▽コロナ禍による求人の落ち込み
コロナ禍による求人の落ち込みは、求人情報の適性化を統括する全国求人情報協会(正会員61社、賛助会員17社)が毎月公表している「求人広告掲載件数」に如実に表れています。
その統計によれば、2021年2月の週平均の掲載数は88万3421件で、1年前の2月から46.3%も減少しています。
主要職種別で最も減少率が高かったのは「サービス(給仕)」の69.1%減(掲載数7万6284件)で、次いで「販売」が50.3%減(同16万8231件)となっており、さすがに「技術者・研究者」は3.5%減(同7244件)に留まっています。
逆に伸びている職種もあって、「金融・法務専門職」は42.9%増(同458件)、「IT技術者」が21.6%増(同5902件)でした。
雇用形態別では「正社員」の週平均が16万5680件で、前年同月比36.2%の減少、「アルバイト・パート」は56万3120件で50.7%減っています。
都道府県別で減少幅が50%を超えたのは、「大阪」53.1%減、「愛知」52.5%減、「京都」51.8%減の2府1県で、「東京」は48.6%ですが減少件数は全国総数の20%を占めています。
▽ネット時代の求人メディア
求人方法が「紙」からメディアに移行した現在、新卒の採用市場では「リクナビ」「マイナビ」の両サイトが双璧で、アルバイト市場は「バイトル」「タウンワーク」「マイナビバイト」「インディード」が4強と言われているようです。
いわゆる人材紹介業は求職者の「質の担保」による信用が第一で、それは登録求職者の数が多く、選ぶ母数が多いほど企業への紹介も厳選されることになり、それがまた信用へと還流することになります。
従って、新たな求人メディアがこの2強、4強のシェアに食い込むことは容易ではないため、新興メディアはITを駆使したマッチングや、職種に対応した事前研修、就職後のフォローなど、大手サイトにない手法で成約率の向上、離職率の抑制を図り、求職者と求人企業双方にアピールして信用を獲得すべく奮闘しています。
また、今はPC画面からスマホで完結する時代にもなり、画面の操作性やレイアウト、管理画面の運用など、少子化・就業人口減少の中、各新興メディアの腕が問われることになります。
■最後に
最近、ヘンな話を耳にしました。
求職者が自分の情報を人材会社に登録し、企業がその求職者との面接を希望すれば、人材会社が仲をとりもって、面接の日時などを調整し、成約すれば手数料がマネタイズになります。
ある人材会社は一定の紹介数を確保するため、求職者には無断で面接の日時まで決めてから、求職者に連絡しますが、都合や希望もあって断ることも多く、これが結果的に求職者のドタキャン扱いになってしまいます。
こうして本人の与り知らないところで信用が傷つくこともあるので、求人サイトはやはり信用が最優先です。
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