▪はじめに
灯台とは、光や外観で航海の道しるべとなる塔のことです。
とくに島国である日本では重要なもので、昔から日本各地の海沿いの山や岬などに数多く建てられてきました。
今回は、航海を安全に行う為に欠かせない灯台に関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
灯台記念日とは
灯台記念日は、毎年11月1日にあります。
この記念日は、1869年(明治元年)のこの日に日本初の西洋式灯台である観音埼灯台が施行されたことに因んで、1949年(昭和24年)に海上保安庁によって制定されました。
▪意味
灯台記念日には、1869年(明治元年)の11月1日に、日本で初めての西洋式灯台である神奈川県横須賀市の観音埼(かんのんさき)灯台が施行されたことを記念するという意味があります。
▪由来
灯台記念日は、1869年(明治元年)の11月1日が観音埼灯台の起工日であることに由来して制定された記念日です。
しかし、記念日の制定当初は、西洋式灯台の導入が文化の先駆けの意味が強く、11月3日の「文化の日」に先駆けて1日を記念日としたとされていましたが、1970年(昭和45年)に観音埼灯台の起工日が11月1日であったことが分かり、これ以降は記念日の日付の由来は起工日であるとされるようになりました。
▪イベント
灯台記念日を制定した海上保安庁は、毎年11月1日前後に日本各地の参観灯台(常時一般公開されている灯台別名「のぼれる灯台」)無料公開や普段一般公開していない灯台の特別公開などが行われています。
現在ある参観灯台(のぼれる灯台)は、青森県尻屋埼灯台・秋田県入道埼灯台・福島県塩谷埼灯台・千葉県犬吠埼灯台・千葉県野島埼灯台・神奈川県観音埼灯台・静岡県初島灯台・静岡県御前埼灯台・三重県安乗埼灯台・三重県大王埼灯台・和歌山県潮岬灯台・山口県角島灯台・島根県出雲日御埼灯台・宮崎県都井岬灯台・沖縄県残波岬灯台・沖縄県平安名埼灯台の16基で、通常は300円の参観寄付金が必要です。
参観灯台の多くでは、灯台の歴史や役割、構造などの説明や、灯台のレンズ、機器などを展示した灯台資料展示室が設けられており、場所によっては大きなレンズを覗くこともできる灯台もあります。
またその他にも、日本各地で行われる灯台の日に因んだイベントで、皇室の方々が灯台をお訪ねになられた際の写真や灯台写真パネルなどの展示や地元観光協会のお祭りなども行われますので、興味のある方はぜひ足を運んでみてください。
灯台に関するイベントなどは。下記のHPで検索してください。
灯台の雑学
<日本最古の灯台とは?>
灯台は、人間が魚を取るためや物を運ぶのに移動するために船で海に出るようになったことから無事に陸に戻れるように目印として岬や島の上に塔を建てて焚火をしたことが始まりとされています。
いつから灯台が使われるようになったのかははっきりしていませんが、世界最古の灯台は紀元前279年にエジプトのアレキサンドリア港入り口近くのファロス島に建てられたファロス灯台だとされています。
日本の記録史上最古の灯台は、今から約1300年前の奈良時代に遣唐使の船が行方不明になることを防ぐために九州地方の岬や島に作られた「篝火(かがりび)」と呼ばれるもので、昼間は煙をあげ、夜は火を燃やして目印としていたと記されています。
日本式の灯台が建てられるようになったのは江戸時代ごろで、石を積んだ台の上に木の小屋を建て、そこで火を燃やして目印としたものでした。
この小屋は「かがり屋」や「灯明台(とうみょうだい)」と呼ばれており、明治時代の初めごろまで日本各地で使われていました。
<地域色豊かなデザイン灯台>
日本には約3,000基の灯台が現存していますが、その中に「デザイン灯台」と呼ばれる灯台が約40基あります。
「デザイン灯台」とは、灯台が置かれている港や岬がある地域の活性化を図るために、各自治体と海上保安庁が協力して、灯台周辺の環境や景観にふさわしいデザインの灯台のことです。
デザイン灯台は地元の歴史や伝統、文化などの特色を用いたデザインとなっていて、各地域のシンボルな存在となっています。
例えば、1999年(平成11年)に移設された神奈川県の小田原港二号防波堤灯台は小田原提灯をイメージしたデザインとなっていたり、宮崎県の鵜戸埼灯台は隣接している鵜戸神宮の灯篭をイメージしたデザインとなっていたりします。
中でも特に珍しいデザインなのは、北海道の留萌港にある「波灯の女(はとうのひと)」です。
この灯台は、光の珠を掲げた女神のブロンズ像のデザイン灯台で、が「市民が誇れるもの」「観光の起点となるもの」を作りたいという思いを持った留萌市の山口外一さんの寄付金で建てられたものです。
この世界的にも珍しい女神像の灯台は、「海・波・風・夕日・港」と安全な航海を願う女神をイメージしたもので2007年(平成19年)7月16日から点灯が始まっており、地元の人たちに親しまれています。
また、香川県の女木島にある女木港鬼ヶ島防波堤には、大きな金棒に見立てた灯台を守るように持っている鬼の像がデザインされた灯台が建っています。
これは女木島が昔話の「桃太郎」に登場する鬼ヶ島のであるという伝説が由来となっているもので、高松港から女木島への定期船を鬼の灯台が毎日見守っているのです。
このように、全国各地にユニークなデザイン灯台があるので、旅行の際などに足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
▪まとめ
昔から世界中の船の安全を守り続けた灯台ですが、あまり船に乗らない私には縁が薄いもので、飛行機の管制塔のような場所で気軽に一般の人が入ってはいけないものだと思っていました。
ですから、今回調べてみて気軽に登れる灯台やユニークな外観の灯台がある事に驚き、機会があれば子供と一緒に灯台に行ってみたいと思いました。
みなさんも、灯台の日にはぜひお近くの灯台に足を運んでみてください。
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