▪はじめに
キッチンやバスは、昔から私たちの生活において重要なスペースです。
今回は、私たちの家庭の中でのキッチンやバスを中心に家庭文化の在り方を家族で考えて貰いたいという願いから制定された記念日やキッチンやバスに関する雑学などについて紹介していきます。
目 次
キッチン・バスの日とは
キッチン・バスの日は、毎年11月2日にあります。
この記念日は、キッチン・バス工業会が2005年(平成17年)に制定した記念日です。
キッチン・バス工業会とは、1985年(昭和60年)にステンレス浴槽工業会とステンレスシンク工業会が合併して発足した団体で、システムキッチン、浴槽ユニットバス、ステンレス流し台、浴槽、浴室関連機器、洗面化粧台等の住宅設備機器業界の健全なる発展と、安全な社会の醸成に貢献し、国民住生活文化の向上と我国住宅産業の振興に寄与することを目的として活動しています。
▪意味
キッチン・バスの日には、システムキッチン及び浴槽・浴室ユニットバスなどに対する理解の促進と工業会を多くの人に知ってもらうという目的があります。
▪由来
キッチン・バスの日が11月2日になったのは、11月3日の「文化の日」の前日を「家庭の日」として家庭文化の在り方をみんなで考えて欲しいという思いからです。
また、「Kitchen」と「Bath」のそれぞれの頭文字である「K」と「B」が、アルファベットの11番目と2番目であることにも由来しています。
▪イベント
キッチン・バス工業会は、2005年(平成17年)にキッチン・バスの日を制定したことを記念し、また家庭文化のことに思いを寄せる日としたいという思いから、普及活動として「台所・お風呂の川柳」を募集しています。
川柳の内容は台所やお風呂を中心とした家族との様々思い出や出来事などをテーマとしたもので、毎年多くの人が応募しています。
優秀な作品には、キッチン・バス大賞、準キッチン・バス大賞、家族の日・家族週間賞、暮らしの安全・省エネ賞、豊かな住生活賞、協賛団体賞、選者特別賞、優秀賞、入賞、学校奨励賞が贈られます。
ハガキやfax、メール、専用Webページなどから1人何句でも応募できるので、興味のある方はキッチン・バス工業会のホームページで詳しい内容を確認してぜひ参加してみてください。
キッチン・バスの雑学
<日本の住宅はキッチンを中心に変わっていった>
キッチンは住宅の中でもかなり重要な部分です。
なぜなら、生きていくために必要な食事を作る場所であるということだけでなく、キッチンを整えることで日本の家庭文化が発展していったからです。
江戸時代までの日本の台所は、かまどに火を入れたり材料や食器を洗ったりする時にはしゃがんで、調理する時は立って行うという、立ったりしゃがんだりを繰り返す重労働でした。
明治時代に入り、ガスや水道が台所に導入されると立ったまま全ての作業を行える西洋式の台所が導入されるようになりましたが、それもごく一部のお金持ちの家庭だけで一般家庭はまだまだ江戸時代のころと変わらない台所でした。
大正時代に入ると、ガスや電気、水道が一般家庭にも徐々に普及し始めるようになり、知識人の間で立ったりしゃがんだりとあまり合理的ではない台所を改善し、立ったまま作業ができるように整備すべきだという声が上がります。
この改善運動が徐々に広まり、都市部の一般家庭ではガスや水道を供えた立ったまま作業ができる台所が増えていきますが、農村や漁村などの家庭では導入できず、農村や漁村までに普及したのは戦後しばらく経ってからでした。
たしかに、私が子供のころは山沿いの農村にあった祖父母の家はまだ土間にかまどがあるスタイルで、昭和60年代に入ってやっと改装したのを覚えています。
台所にガスや水道、電気などを導入した住宅が普及したことにより、便利で住みやすい住宅やコンパクトで沢山の人が住める集合住宅が増えていったり、女性の社会進出が進んだり、男女区別なく家事をしたりというように日本人の暮らし方は激変していきました。
その後もステンレスの流し台やシステムキッチン、IHクッキングヒーターと台所の改善は進んでいき、より暮らしやすい住宅へと発展し続けているのです。
<ユニットバスが生まれたきっかけは東京オリンピックだった!>
ユニットバスというと、欧米のバスルームのようにお風呂とトイレが一体化したものと勘違いしている人が多いですが、ユニットバスの正しい定義はあらかじめ工場で作られた浴室の壁・床・天井・浴槽などのパーツを現場で組み立てるバスルームのことです。
ユニットバスでもバスルームに何を設置するかで種類が違っていて、壁と天井と床が一体になっているお風呂と洗面台が一室に収まっているものを「2点ユニットバス」といい、壁と天井と床が一体となっているお風呂に洗面台とトイレが一室に収まっているものを「3点ユニットバス」といいます。
ホテルやワンルームマンションなどでは3点ユニットバスが多いので、欧米のバスルーム=ユニットバスというイメージが強くなったのかもしれませんね。
現在の日本の住宅では一般的になっているユニットバスですが、誕生したきっかけになったのは1964年(昭和36年)に開催された東京オリンピックだったのです。
東京オリンピックを開催するにあたって新たに建築されたものの中に、日本初の超高層ホテル「ホテルニューオータニ」でした。
オリンピックを見るために訪れる多くの外国人を迎え入れるためのホテルとして建てられることになったホテルニューオータニでしたが、建設が始まったのはオリンピック開催日のわずか1年5カ月前の1963年(昭和35年)4月でした。
本来、ホテルを建てるのには最低でも3年かかるとされていますが、その半分にも満たない期間で、しかも他のオリンピック関連の建設工事で人手不足という状態で行われるというとても厳しい工事だったのです。
そんな厳しい状況の中、1番の難関が浴室でした。
当時の日本で行われていた方法だと、浴室を1つ作るのに1ヶ月以上かかっていました。
しかし、それでは到底オリンピックに間に合いません。
そこで採用されたのが、東洋陶器株式会社(現TOTO)が開発した浴室の各パーツを工場で作って現場で組み立てるというユニットバスでした。
ユニットバスは、1室たった2時間で出来上がるという画期的な方法だったので、1000室以上あった浴室はわずか5ヶ月で出来上がり、ホテルニューオータニは東京オリンピック開催の1ヶ月前に無事完成したのです。
ユニットバスはその後の住宅建設でも採用され、進化を続けながら現在では海外進出もしています。
▪まとめ
日本人の暮らしは、台所やお風呂場の改善に伴って発展していきました。
昔は火を起こすだけでも重労働だったのに、簡単に安全に火が使えるようになっただけでも私たちの生活がより良くなったことが分かりますよね。
実際、私が子供のころに比べて台所もお風呂も圧倒的に使いやすくなっていますし、現在も電化住宅の普及など暮らしの改善は台所やお風呂を中心に発展し続けています。
キッチン・バスの日には、そんな台所やお風呂の発展してきた歴史や、私たちの家庭の中でのキッチンやバスを中心に家の中で快適に過ごすため家族でどんなことをしたらいいのかを考えてみてはいかがでしょうか。
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