▪はじめに
パブリックドメインとは、音楽や書籍、映画などの著作物や発明などの知的創作物について知的財産権(著作権や商標など)が消滅した状態、または発生していない状態のことを意味しています。
今回は、このパブリックドメインに関する記念日や雑学などについて紹介していきましょう。
目 次
パブリックドメインの日とは
パブリックドメインの日は、毎年1月1日にあります。
パブリックドメインの日は、カナダのパブリックドメイン活動家ウォレス・マクリーンが2004年(平成16年)に提唱し、その後アメリカの法学者ローレンス・レッシングによって広められた記念日です。
▪意味
パブリックドメインの日には、著作権の保護期間が自動的に終了しパブリックドメインになった著作物や発明などを祝うという意味があります。
▪由来
パブリックドメインの日が1月1日なのは、1月1日が著作権のある作品の法的扱いが変化する日であることに由来しています。
▪イベント
パブリックドメインの日に因んだイベントは、残念ながら見つけることができませんでした。
パブリックドメインの雑学
<パブリックドメインとなる理由とは?>
「パブリックドメイン」という言葉は日常ではあまり聞いたことがないので、意味がよく分からないという方もいらっしゃると思います。
「パブリックドメイン」とは「知的財産権である著作権・商標登録が存在していない状態」を意味します。
すなわち、「パブリックドメイン」である作品や発明は著作権者に確認することなく自由に利用することができるということです。
では、世の中にある作品や発明はどのようにしてパブリックドメインとなるのでしょうか?
まず1つは、著作権の保護期間の終了です。
著作物は著作権によって保護されますが、原則として作者の死後70年で保護期間が終了します。(2016年(平成28年)の法改正以降。それ以前は死後50年までとされていました)
著作権のある作品の法的扱いが変わるのは1月1日と決まっているので、作者の死後、または公表、創作した年の翌年の1月1日から数えて70年目の1月1日に保護期間が終了し、以後は著作権者に確認することなくその作品を利用することができるようになります。
パブリックドメインとなった作品は、一覧をまとめたサイトに掲載されていたり、著作物であることを示す「©」に斜線を引いたマークが表示されていたりします。
2つ目は、作者自身が著作権を放棄した場合です。
法的には財産権を放棄することは自由なので、作者が著作権を放棄すれば法的な保護は必要なくなるからです。
3つ目は、相続人の不在です。
基本的に著作権は作者の死後70年間保護されますが、著作権は財産なので受け継ぐ人がいなければ消滅してしまいます。
また、会社などの団体で持っている著作物の場合、倒産するなどで著作権の相続手続きをきちんと行わなかった場合も著作権が消滅してしまいます。
その他にも、海外では著作権の取得に必要な手続きをきちんとしていないものには著作権が発生せずパブリックドメインとなってしまう場合があるようですが、日本では原則的に特別な手続きは必要ないので上記の理由がない限りパブリックドメインにはなりません。
パブリックドメインとなった作品は自由に利用してよいのですが、その作品にアレンジを加えるなどして公表すると新たに著作発生します。
また、パブリックドメインとなった作品を演奏したり録音したりしたものには、演奏者やレコード製作者に権利が発生し(著作隣接権)、それらを他人が勝手に利用することは禁じられているので注意してください。
<著作権と特許の違いとは?>
著作権とよく似たものに特許があります。
どちらも作品や発明などの知的財産権を保護する権利なのですが、この2つの違いとはどのような部分なのでしょうか。
特許とは、発明を保護するための権利で、発明とはすなわち、新しい技術的なアイディアのことで、「物の発明」「方法の発明」「物の生産方法の発明」の3つの種類があるとされています。
特許を取得するためには、発明をした人(もしくは発明者からその権利を継承した人)が特許庁に特許出願をし、必要な条件が満たされているか審査を受けて満たされていると判断された場合のみ取得できます。
特許による保護期間は、出願から20年(医薬品については最長25年まで延長可能)です。
著作権とは、作者の思想や感情を表現した著作物を保護するための権利です。
対象となる著作物は次のようなものがあります。
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小説・脚本・論文・講演・その他の言語の著作物
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音楽の著作物
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舞踊または無言劇の著作物
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絵画・版画・彫刻・その他の美術の著作物
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建築の著作物
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地図または学術的な性質を有する図面・図表・模型・その他の図形の著作物
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映画の著作物
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写真の著作物
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プログラムの著作物
特許と違って著作権の取得には特別な手続きは必要なく、創作した時点で自動的に著作権が発生します。
著作権による保護期間は、原則として創作した年の翌年の1月1日から数えて作者の死後70年までと長いのも特許と違うところです。
▪まとめ
パブリックドメインという言葉にはあまり馴染みがない方も少なくないと思います。
私も知らない言葉でしたが、時折ニュースなどで有名作品の著作権が無くなったという話題があがることを思い出して理解しました。
パブリックドメインとなった作品は自由に使ってもよいのですが、著作者の名誉を傷つけたり作品を悪用したりする行為は法律で禁止されているので、絶対にやらないでください。
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