「エーデルワイス」という曲で、知っている人も多い花ですが、実際に花を見た人は少ないかもしれません。
エーデルワイスが育つのは、険しい山岳地帯です。
そんなエーデルワイスには、切ない恋物語がありました。
目 次
エーデルワイスとは
標高2500m前後の高い山で生えるエーデルワイス。
石灰岩の地質を好み、ヨーロッパアルプスが原産です。
キク科ウスユキソウ属の多年草ですが、寿命は長くありません。
白い花びらが、星のような形をなしているように見えます。
しかし花びらのように見えるのは、花のつぼみを包んでいた苞葉で、葉が変形したものと言われています。
花は、真ん中にある黄色い部分です。
花の形は直径が5~6㎜の筒状で、それが6輪程度の束になっています。
開花時期は7~9月です。
日本には分布しておらず、とても希少価値の高い花と言われています。
日本ではウスユキソウ属に属しており、標高の高いところで咲く花をまとめて、エーデルワイスと呼ぶこともあります。
エーデルワイスの名前の由来
エーデルワイスは、ドイツ語が由来となっています。
ドイツ語の「edel(高貴な、気高い)」と、「weiβ(白)」です。
花びらのようにみえる、純白な苞葉からイメージされたと言われています。
また、エーデルワイスのルーマニア語名「floarea reginei(女王の花)」も、ドイツ語名との由来と同じく、真っ白で高貴なイメージから名づけられたそうです。
エーデルワイスの学名は、「Leontopodium alpinum」で、「Leontopodium」がギリシャ語で「ライオンの足」を意味します。
黄色い花が白い綿毛におおわれている部分が、ライオンの足のように見えることから名づけられたそうです。
「alpinum」は「高山植物」といった意味があります。
和名は「西洋薄雪草(セイヨウウスユキソウ)」です。
日本のウスユキソウと同様に、花をおおっている綿毛が、薄雪のように見えることから、西洋のウスユキソウということで名づけられました。
エーデルワイスが誕生花となる日にち
2月13日、2月19日、5月1日、8月18日
エーデルワイスの花言葉
「勇気」「大切な思い出」「高貴」がエーデルワイスの花言葉です。
また、西洋の花言葉は「noble courage(高潔な勇気)」、「daring(大胆不敵)」などです。
「勇気」「noble courage(高潔な勇気)」は、エーデルワイスが標高2500m近い険しい山に生えていて、採取するのが難しいことからついたとされています。
また、「高貴」の花言葉は、名前に由来するドイツ語の「edel(高貴な、気高い)」からついたのでしょう。
エーデルワイスの色別の花言葉
エーデルワイスの花は黄色の1色ため、色別の花言葉はありません。
エーデルワイスの怖い花言葉
エーデルワイスは険しい山に自生しており、なかなか採取することが難しい花です。
そのため、ネガティブな花言葉を持っていそうですよね。
しかしエーデルワイスは、「勇気」「大切な思い出」「高貴」といったポジティブな花言葉ばかりで、怖いイメージの花言葉はないようです。
エーデルワイスの言い伝え・伝説
エーデルワイスには、少し悲しい言い伝えがあります。
この言い伝えは、スイス発祥の天使と登山家の話です。
ある天使は、神の世界での暮らしに飽きてしまいました。
そのため、人間の姿になって、地上で生活し、苦行を体験したいと思いました。
そして天使は、人間へと姿を変えて、人間界で生活を始めるのです。
人間の姿に変わった天使はとても美しく、その天使に恋をした登山家がいました。
しかし、その恋はかなぬ恋です。
登山家は恋が叶わない事に苦しみました。
そして、「恋している人の美しい姿を見るのはとても苦しい。どうかこの苦しみから救って欲しい。」と神に祈りをささげました。
人間の姿をしている天使は、登山家の思いを聞き、エーデルワイスの花に姿を変えて、神の世界へ帰って行きました。
この伝説から、「大切な思い出」という花言葉が生まれたと言われています。
エーデルワイスの言い伝えは、叶わない恋という少し切ないものでした。
「勇気」「大切な思い出」「高貴」といった花言葉からは、想像できない言い伝えです。
見た目は真っ白で美しく、中心に集まる黄色い花がかわいらしいエーデルワイス。
自生している花を観るのは難しいですが、1度は美しい花を見てみたいですね。